このページは広島県広島市西区にある漢方薬局ハーブスのチョコレート嚢胞の漢方治療に関する情報ページです。

ここではチョコレート嚢胞の概要、原因、症状、病院での検査および診断、治療法、漢方から見た診断及び、治療、及び関連するブログ及びページについて書いています。

是非参考にしてください。

チョコレート嚢胞とは

チョコレート嚢腫画像

チョコレート嚢胞とは子宮内膜様組織が卵巣の中にできる病気のことです。

子宮内膜症とは子宮内膜組織が子宮内膜以外の所にできる病気です。

子宮内膜組織が卵巣の中にできてしまうと子宮内膜が生理のたびに剥がれてしまいます。

その剥がれたものは卵巣内で血となって卵巣内に蓄積していきます。

この内膜が剥がれた血が卵巣内に溜まることでチョコレート色に腫れた状態を作り出してしまうのです。

そのため、チョコレート嚢胞という名前になったのです。

また子宮内膜症は子宮内膜がどこにできるかによって病名が異なってきます。

例えば、子宮内膜の細胞が子宮の筋肉内にできてしまう病気を子宮腺筋症という病気もあります。

チョコレート嚢胞の原因

チョコレート嚢胞は子宮内膜症の一種ですけれども、子宮内膜症が起きる原因ははっきりとわかっていませんが、生理の時に本来、膣から排出されるべき内膜細胞を含んだ血液が、卵管を通って腹腔内に逆流して内膜細胞を形成してしまうという説と、何らかの原因で腹腔内の細胞が子宮内膜細胞に変化する説が唱えられています。

チョコレート嚢胞の症状

チョコレート嚢胞の症状というのは子宮内膜症の症状とほぼ一緒です。

なぜならチョコレート嚢胞がきている時には他の部位にも子宮内膜症ができていることが多いからです。

そのため、子宮内膜症で起きる症状である生理痛(月経困難症)、性交痛、腰痛、排便痛、生理不順不正出血などが主な症状です。

中でも生理痛はひどい方が多いです。

通常、生理痛というのは生理時もしくは生理直前に痛むことが多いのですけれども、子宮内膜症の患者さんの場合は1ヶ月の半分ぐらい 痛む方も少なくないです。

チョコレート嚢胞の大きさと捻転や破裂のリスク

チョコレート嚢胞はどのくらいの大きさまで大丈夫なのか?

どのくらいの大きさになると茎捻転や破裂を起こすのでしょう?

卵巣は本来2~3cm程度の大きさです。

そして一般的には卵巣嚢腫の場合、6cmを超えると茎捻転(卵巣が捻じれて激痛を引き起こす)可能性が高まるといわれています。

しかし、チョコレート嚢腫の場合は周辺部分でも癒着していることが多いため、大きさに関わらず捻転することはほとんどないといわれています。

しかし、捻転することはないのですが、破裂する可能性はあります。

破裂する大きさというのは決まっていないのです。

そのため、手術するかしないかの判断は病院によってことなります。

卵巣嚢腫は20cmになる人もいますが、5cm以上になると病院によっては破裂のリスクを考えて手術を進めるケースがあるようです。

もし破裂した場合は、吐き気やひどい下腹部痛を引き起こすことが多いです。

対処法としては緊急手術となります。

もしそうなった場合、破裂した側の卵巣を全摘出するのが基本です。

チョコレート嚢胞と妊娠確率

一般的に健康的な男女の一年間の累積妊娠率はおよそ80%と言われています。

累積妊娠率80%というのは、100組のカップルがいて妊娠するためにタイミングをとり続けた場合、1年後に80組のカップルが妊娠しているということを表しています。

ところが、子宮内膜症の累積妊娠率は軽症でも50%、チョコレート嚢胞を有する重度の場合は5%と言われています。

このことから考えるとチョコレート嚢胞は不妊症の大きな原因の一つといえます。

ではチョコレート嚢胞はどのような理由で不妊症の原因となってしまうのでしょうか?

チョコレート嚢胞そのものが自覚症状を引き起こすことは少ないのですけれども、チョコレート嚢胞が起きている時にはかなりの確率で他の問題が起きていることが多いのです。

チョコレート嚢胞が不妊症に直接関わる問題としては排卵障害があります。

チョコレート嚢胞が卵巣に起きている時にはその卵巣周辺で癒着を起こしていることが多いため排卵がしにくくなっていることがあるのです。
また卵管采の付近に子宮内膜症が起きているとその周辺で癒着が起こりピックアップ障害(キャッチアップ障害)を引き起こすことがあるのです。

またチョコレート嚢胞と同様に子宮内膜症が卵管の辺りにできてしまうと卵管閉塞(卵管狭窄)を引き起こすこともあるのです。

これらはいずれも不妊症の原因となるものです。
またチョコレート嚢胞は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因疾患にもなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は軽ければ生理不順、ひどければ無月経(無排卵)の原因となってしまいます。

そして子宮内膜症も多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)も黄体化未破裂卵胞(LUF)を引き起こす原因になります。

これらはすべて不妊症の原因になります。

チョコレート嚢胞のがん化(卵巣がん)について

チョコレート嚢胞が癌化するということに関しては昔から知られていましたが、その頻度はそれほど高くないというのが通説でした。

しかし最近の研究によると20代から30代ではチョコレート嚢胞から癌化するものは1%前後ですけれども、40代以降になると4~5パーセントに増加します。

そして、今までの通説としては閉経後に子宮内膜症は自然に治癒するというふうに考えられていたのですが、実際には子宮内膜症の治療をしていない50歳以上の癌化率は20~25%、六十歳まで治療していない場合約50%の方が癌化するという報告が出ているのです。

チョコレート嚢胞の病院での検査と診断

  • 問診(自覚症状による激しい月経痛や過多月経などがあるか?)
  • 超音波検査(エコー)
  • 血液検査(血液中の腫瘍マーカーCA 125、CA 19-9といった値が正常値より高くなることがあります)
  • CT 検査もしくは MRI 検査(CT に比べMRI検査の方がより詳しく調べることができます)
  • 腹腔鏡検査(おなかの中に細いカメラを入れて検査をするやり方です。この検査は異常が見つかった場合、検査中に治療を受けることもできます)

病院でのチョコレート嚢胞の一般的な治療

薬剤によるチョコレート嚢胞の治療

チョコレート嚢胞(子宮内膜症)の治療法として 過多月経や重い生理痛を改善させる一般的な方法として薬による治療法があります。

この治療は、比較的手軽で、生理痛に関しては効果の高い治療法ですけれども、根本的な治療法にはなりにくいですし、場合によっては重篤な副作用を伴う場合もあります

そして何より生理を止めてしまう治療法ですので妊娠をすぐに希望している方にはこの治療を行うことはできません

病院でのお薬による治療には様々なやり方がありますけれども、基本的な考え方は、子宮内膜症の悪化には卵胞ホルモンが関係しているため、卵胞ホルモンの分泌を抑えるということが基本的な治療の考え方になります。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を 強力に抑えることをすれば、子宮内膜症の悪化を防ぐことができます。

しかし、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を強力に抑えると、卵胞ホルモン(エストロゲン)によって良い状態に保たれていた体の状態は逆に悪くなるわけです。

病院でのホルモン療法というのはこのバランスを考えながら行う必要があるわけです。

黄体ホルモン剤を内服する方法

黄体ホルモン剤を生理開始から数えて2週間目から14日間服用する方法と、生理開始日から7日目で21日間服用する方法があります。

黄体ホルモン剤のメリットとデメリット

黄体ホルモン剤のメリットは比較的簡単に服用できなおかつ安価であるということです。

デメリットは人によって体重増加が起こることや、不正出血が起こる場合がある、排卵の抑制効果がピルに比べると弱いことです。

ピルを用いる方法

ピルとは黄体ホルモンと卵胞ホルモンが入った薬剤のことです。

ピルの正式名称は経口避妊薬です。

その名の通りもともとは避妊に用いるためにアメリカで開発されました。

しかし現在では、月経困難症や子宮内膜症の治療などにも使われています。

チョコレート嚢胞(子宮内膜症)の場合、ピルを2週間もしくは3週間服用するというのが一般的な治療法です。

子宮内膜症の改善はあまり期待できませんが、子宮内膜症の進行を抑えることはできます。

ピルのメリット

また完全に生理を止めてしまう薬剤に比べると、更年期症状のような強い副作用は少ないのが特徴です。

ピルを服用している間は、生理の量や出血する期間も短いです。

そして生理痛も軽くなる場合が多いです。

ピルのデメリット

ピルには長期間服用による発がん性の可能性や血栓のリスクを3倍から5倍高めると言われています。

ピルを長期間服用すると乳がんのリスクが高まるとも言われています。

また脳血管疾患や心臓疾患のリスクを高めることがあります。

そのためもともと心臓や脳などの血管に問題がある場合は、ピルは不向きです。

特に喫煙を伴うとさらに心臓循環系のリスクが高まるため、ピルを服用する場合は禁煙を行うか、もしくはビルでない薬剤を選択する必要があります。

生理を完全に止めてしまう薬剤を用いる

薬剤名でいうとリュープリンやスプレキュアなどです。

これらは不妊治療でも子宮を休ませる目的で行われることがある薬剤です。

これらはかなり強力に卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌を抑制します。

そして閉経と同じような状態を作り出します。

子宮内膜症(チョコレート嚢胞)は卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響を強く受けているため、これらの分泌がなくなることによって子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の進行が止まったり、場合によっては縮小するケースもあります。

そのため手術をしやすくしたり、再発率を低下させることができます。

しかし一方で、副作用には女性ホルモンの分泌全般が止めてしまうため、出血が止まらなくなったり更年期障害に似た症状が急激に強く出ることもあります。

また人によってはうつ症状のような精神症状が現れることがあります。

また継続してこの治療を行っていると、骨粗鬆症になるリスクも高まります。

肝臓のアルブミン生成機能が低下し、むくみなどを生じることもあります。

さらに、これも血栓症のリスクを高める可能性があります。

また妊娠を希望されている場合、この薬剤を使用した場合、治療が終了し、薬剤の使用を中止しても卵巣からの排卵の回復が他の薬剤に比べて遅くなる傾向があります。

手術によるチョコレート嚢胞の治療

軽度の問題の場合は薬によってコントロールするやり方が一般的です。

しかし、子宮内膜症チョコレート嚢胞が進行し、薬での治療効果が十分に認められない時、 チョコレート嚢胞が大きくなりすぎて破裂する可能性がある人、チョコレート嚢胞から卵巣がんへの移行が疑われる時、妊娠を希望されていて手術によってその妊娠の確率が上がると考えられた時、などに手術を勧められることがあります。

現在病院で行われる主な手術方法としては腹腔鏡下手術と開腹手術の二つがあります。

腹腔鏡下手術

現在、子宮内膜症の手術としては、この腹腔鏡下手術が圧倒的に多いです。

腹腔鏡とは小型カメラを内蔵した内視鏡の一種です。

この小型カメラを内蔵した内視鏡をおなかの中、腹腔に入れるため、腹腔鏡という名前がついているのです。

腹腔鏡下手術を行うためには、お腹を切る必要があるのですけれども、開腹手術の場合は、その大きさが10cmにも及びますけれども、 腹腔鏡手術の場合は 1 CM 以下であることが多いのです。

その為、体にかかる負担は開腹手術に比べとても少ないのです。

この小型カメラで腹腔内の状態を見ながら必要に応じて、鉗子や電気メスレーザーなどを用いて治療を行うわけです。

子宮内膜症チョコレート嚢胞の程度が軽ければ、この腹腔鏡下手術で十分対応できるわけです。

開腹手術

治療範囲が広範囲であったり、過去に開腹手術をなんとか受けていたり、内膜症に伴う癒着の状態がひどいと予測される場合には、開腹手術を勧めれることがあります。

チョコレート嚢胞の手術後の妊娠率

子宮内膜症手術後の妊娠率は、 論文によって異なります。

文献によってはチョコレート嚢胞手術後の高度不妊治療(体外受精など)の妊娠率はむしろ下がるというものもあります。

その理由は卵巣からチョコレート嚢胞は摘出する際に、原始卵胞も一緒に摘出してしまうことによって、採卵できる卵の数が減り、それに伴って妊娠率が低下した、というふうに結論付けられています。

チョコレート嚢胞摘出後、妊娠率が上がる可能性があるのは自然妊娠です。

チョコレート嚢胞が存在しているような子宮内膜症の場合は、卵巣周辺にも重度の癒着が存在していることが多く、それによって、キャッチアップ障害、卵管閉塞(卵管狭窄)などの卵管通過障害などによって妊娠が妨げられている可能性があるためです。

これらは手術によって改善する可能性があります。

そのため妊娠率が高まる可能性があるのです。

論文にもよりますが、術後の妊娠率は25%から70%ぐらい上昇するという報告があります。

これらの論文から考えてみると、 チョコレート嚢胞が存在するような子宮内膜症があって、なおかつ、自然妊娠を希望するようなケースは妊娠率の改善が見込まれるため、チョコレート嚢胞の摘出手術も一つの方法なのではないかと思います。

一方、チョコレート嚢胞が存在した状況で、体外受精などの高度な不妊治療に切り替えるつもりがあるのであれば、チョコレート嚢胞の手術をしたからといって、必ずしも妊娠率が高まるという可能性は低いため、チョコレート嚢胞の手術をせずに高度な不妊治療(体外受精)に切れ変える方が良いのではないかと思われます。

チョコレート嚢胞の手術後の再発率

チョコレート嚢胞の場合、ホルモン剤などの投与を受けない場合の再発率は2年でおよそ20%~30%、3年で約50%まで高まるというデータがあります。

妊娠希望者の場合は排卵を止めるホルモン剤の投与を受けることができませんから、再発率は非常に高いと言えます。

そのため手術後の妊娠率と再発率を考えて、手術を行うかどうかは担当医の先生と十分に吟味して決める必要があると思います。

チョコレート嚢胞の漢方から見た原因と治療

チョコレート嚢胞の原因と漢方薬

チョコレート嚢胞を漢方からみるとその原因の大きな一つは瘀血です。

瘀血とは血液の滞りのことです。

この血液が滞ることによって卵巣内に血が溜まってしまうという風に考えるのです。

そのため、漢方による治療の原則はこの瘀血を取り除くということになります。

それが活血という治療法であり、漢方薬としては活血薬というものになります。

代表的な活血薬としては桂枝茯苓丸や桃核承気湯などがあります。

そしてもう一つのチョコレート嚢胞の原因は血虚です。

血虚とは血液の不足や、女性ホルモンの不足、栄養状態が不良の状態などを表す概念です。

チョコレート嚢胞というのはベースに子宮内膜症があります。

この子宮内膜症の根本的な問題がこの血虚であり、この原因によって重い生理痛が発生すると考えられているのです。

この血虚に対しては補血という治療が原則です。

この補血を行う漢方薬として代表的なのが当帰芍薬散なのです。

今までの話をまとめますと、漢方薬によるチョコレート嚢胞の一般的な治療というのは瘀血を改善する漢方薬と血虚を改善する漢方薬の2種類の漢方薬を併用するやり方が基本だという事です。

チョコレート嚢胞の完治に向けて

今までが一般的な漢方理論でのチョコレート嚢胞の治療法なのですが、漢方薬局ハーブスではさらにチョコレート嚢胞のより本質的な原因を発見し、その治療を行うことで今までよりも効率的な治療が可能になりました。

病院で出されるピルと漢方薬の併用について

病院で出されるディナゲストのような黄体ホルモン剤やピル(経口避妊薬)と漢方薬の併用は可能です。

実際に来られる患者さんの中でも病院の薬と併用されている方と漢方だけでされている方では半々くらいだと思います。

癒着に対する漢方薬について

漢方薬で癒着そのものをはがすことはできません。

しかし、癒着によって発生する排卵痛や生理痛、腰痛などは改善させることはできます。

チョコレート嚢胞の治療で効果が出ている患者さんの症例

右のチョコレート嚢胞の大きさはやっと半分になりましたが・・・

チョコレート嚢胞の漢方治療を受けられて不妊が改善し、妊娠された体験談及び症例

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とチョコレート嚢胞を併発していた患者さん妊娠しました!!

二度目の正直、チョコレート嚢胞の患者さん妊娠してほぼ大丈夫なところまで来ました

チョコレート嚢胞漢方治療の費用の目安

漢方薬によるチョコレート嚢胞の治療の費用の目安としては、どこまでの治療を行うかによって異なります。

チョコレート嚢胞に伴う痛みの治療 1か月あたり9000円~15000円

チョコレート嚢胞に対する治療 1か月あたり20000円前後

この2つを併用を希望される場合 1か月あたり30000円~35000円

チョコレート嚢胞関連ブログ

チョコレート嚢胞と多嚢胞性卵巣と早発閉経、一見関係なさそうですが・・・

チョコレート嚢胞と関連するページ

子宮内膜症

子宮腺筋症

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

黄体化未破裂卵胞(LUF)

卵管閉塞(卵管狭窄)

ピックアップ障害(キャッチアップ障害)

生理不順

無月経(無排卵)

生理痛

不正出血

ここまでは広島県広島市にある漢方薬局ハーブスのチョコレート嚢胞に関する情報ページでした。

今後は、チョコレート嚢腫に関連するブログや体験談などを更新してゆく予定です。

また、たまにページをチェックしていただければと思います。

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