不妊治療使われるエル カルニチンは早発閉経に有効か?

不妊症の患者さんは実に様々なサプリメントを飲んでる方がおられます。実際に飲んでいなくてもサプリメントに関して異常に詳しい患者さんは非常に多いです。

みんな魔法のような薬やサプリを探しているのです。でもそれは青い鳥を探すのと一緒だと私は思います。あ・・・ちょっと話が脱線してしまったので元に戻します。

不妊治療に使われるサプリメントでエル カルニチン(L-カルチニン)というものがあるのですがご存知ですか?これは早発閉経の治療に用いられることもあるのですが、はたしてこれは有効か?ということなのですが、どう思いますか?まず結論を書きます。

エル カルニチンは早発閉経の治療に有効なひとがいるかもしれない

ということなのです。

結論と言いながらめちゃめちゃファジーな答えになってすみません・・・

もっとはっきりして!!と言われるかもしれませんが、不妊治療を経験すればするほど、はっきりということはできないのです。それは誰にでも効く万能の不妊治療の薬など存在しないということをひしひしと痛感しているからです。サプリメントも同様です。万能なサプリなどありません。あればまず私が購入して不妊の患者さんに全員に飲ませて全員妊娠させています。でもそんなことは起こりません。そんな魔法のようなものは存在しないのです。

 

エル カルニチンは一部不妊専門クリニックや病院で推奨・販売されている

しかし、このエル カルニチンのサプリメントに関していえば、ザクロなどの都市伝説に近い健康食品などとは一線を画します。

治験とまではいかないまでも、不妊治療を専門に行うクリニックなどでの臨床のデータが公表されていたりするのです。

また、まだまだ一部ですが、いづれも不妊専門のクリニックや病院で、補助的な位置づけでこのエル カルニチンのサプリメントは販売されています。

これは割と異例のことです。通常、病院やクリニックではサプリメントの販売などは行わないものです。それをあえて行っているというところからもこのサプリメントの効果的なものが無くはないということの現れだと思います。

ここまで書くと何だか、このエルカルニチンを私が推奨してるように思われるかもしれませんが、私はあまり推奨していません(笑)今までにエル カルニチンのサプリを飲んでいた方が数名(確か5名前後)おられるのですが、いずれも病院からの勧めで飲まれていました。そして飲んでいた患者さんは早発閉経の患者さんと高齢不妊の患者さんでした。それを勧めていたのは大阪にある早発閉経の不妊治療に積極的に取り組むクリニックでした。過去にそのクリニックにはうちの漢方薬局からはトータルで3名通っておられました。それ等の方は全員早発閉経でした。そしてその3名とも、そのクリニックでエルカルニチンのサプリメントを勧められて、服用していました。そのうちの1名だけ、卵胞が育って1個採卵することができました。その結果だけを考えると素晴らしい結果です。もっと推奨してもいいかもしれません。

 

早発閉経などはエル カルニチンと他のサプリを併用して用いる場合がある

でも実際には服用していたのはエルカルニチンだけはなかったのです。このクリニックはそれ以外にDHEAとさらにもう一つサプリメントを合わせてトータル3つ飲んでもらっていたのです。このDHEAは早発閉経の治療を積極的に行っている病院やクリニックでは広く用いられています。(これはアメリカで販売されているサプリメントなので、形式上個人輸入という形をとっているとは思いますが)

このクリニックでは相乘効果の目的でDHEAにプラスアルファしていたようですが、私が見たところではDHEAを単独で服用していた患者さんとさほど効果に違いがあるとは思えませんでした。なおかつ3名のうち2名はこの3つを服用し始めてから副作用と思える症状が出ていました。一人は頭痛で、もうひとりは気持ち悪さでした。このクリニックでは因果関係がはっきりしないということで、この話はあまり真剣にとりあってもらえなかったようですが、はっきりしているのは、この早発閉経の患者さんはこのサプリを飲むまで頭痛は1年に1回も起きなかったのに飲み始めてほぼ毎日起きるようになったということです。そしてもう少し言えば、早発閉経の患者さんでDHEA単独で飲まれている方には副作用らしいものは一切出ていなかったということです。

ここまで書くと今度は私はこのエルカルニチンというサプリメントを否定しているのか?ということになりますが、そこまででもないです。でも可能性としては3つの効果で本当に効果が高まるのか?エル カルニチン単独でどれほどの効果があるのか?疑問は残ります。ただし、1点書くとするならば、3つのサプリメントで早発閉経の患者さんに副作用が出たということは、何らかの作用もあるということなのです。ちょっと逆説的で難しいかもしれませんが、副作用のない薬は存在しないのです。作用(良い働き)があれば、副作用(違う働き:多くの場合良くない作用)があるのです。つまりはっきりとした副作用があるということは何らかのはっきりとした作用もあるはずなのです。それが本当に卵胞の発育や妊娠に直結するのはわかりませんが、試してみてもいいかもしれません。

 

エル カルニチンを服用しない方が良いと思えるケース

ただしここでエルカルニチンを使わないほうが良いと思われる方がおられます。それは・・・体重減少性無月経から早発閉経に移行した患者さんです。それはなぜなのかといえば、エルカルニチンはもともとダイエットサプリとして有名なのです。その作用は脂肪の一種である遊離脂肪酸をミトコンドリア内部に運ぶ働きがあるのです。ミトコンドリアは体のエネルギーを作り出す重要な細胞内小器官です。そのため、エルカルニチンを服用すると体重が減少する可能性があります。体重が減少ししたことが原因で無月経になり、そこから若年性の早発閉経に移行した患者さんにはリスキーだと思います。ご注意くださいね。