はじめにFSH(卵胞刺激ホルモン)と検査値の話は難しいですが、今後不妊治療の病院を探してゆくうえで、どこの病院はどんな治療をしようとしているのか?をご自身で理解してゆくうえでとても重要な指標となります。

今後はこのFSHの数値と絡めて有名な不妊治療の専門クリニックのやっていること(目指していること)を少しづつ説明していきますので、

頑張ってついてきてください!!

 

FSH(卵胞刺激ホルモン)の働きは卵胞を育てること

早発閉経を調べる血液検査の指標として重要なものにFSHというものがあります。

FSHとは日本名で卵胞刺激ホルモンといいます。

卵胞刺激ホルモンは脳下垂体という脳の中枢から出るホルモンです。

このホルモンの働きはその名前の通り、卵胞を刺激するのです。

もう少し詳しく言えばこのFSHは卵巣内の卵胞に働きかけて、卵胞を育てるように刺激しているのです。

通常であれば このようにFSHの刺激(指令)によって、卵巣内の卵胞は育つのです。

卵胞が育つと卵胞内から卵胞ホルモン(エストロゲン・E 2) というホルモンが分泌され、それが血液の循環によって脳下垂体まで届きます。

卵胞ホルモン(E2・エストロゲン)が血流にのって、脳下垂体まで届いて、その量が十分な量まで到達すると脳は卵胞が充分育ったと判断します。

そうするともうこれ以上卵胞を育てる必要がなくなるので、脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)の量は減るのです。

このような形で卵巣内の卵胞ホルモン(エストロゲン・E 2)と脳下垂体のFSH(卵胞刺激ホルモン)は 多少の増減を繰り返しながらある一定の幅で分泌を繰り返しているのです。

このように体内のホルモンがある程度一定に保たれている仕組みを一般的にはフィードバックシステムという風に言います。

FSH(卵胞刺激ホルモン)と卵巣の老化の関係

ところが加齢に伴って卵巣の働きが弱ってくると、FSH(卵胞刺激ホルモン)から卵胞を育てなさいという指令が来ても、卵巣内で卵胞をうまく育てることができなくなってきます。

そうすると卵胞が上手く育ちませんから卵胞内から出る卵胞ホルモン(エストロゲン・E 2)の分泌が減ってしまうわけです。

そうすると脳下垂体に届く卵胞ホルモン(エストロゲン・E 2)の量が減ることになりますから脳下垂体は卵胞が育っていないと判断してさらにFSH(卵胞刺激ホルモン)の量を増やして卵胞を育てようとするわけです。

このFSH(卵胞刺激ホルモン)の量が増えていくということは卵巣に卵胞を育てなさいという刺激(指令)が増えていっている状況ということです。

つまり FSH(卵胞刺激ホルモン)の量が高いということは卵巣が言うことを聞いていない、つまり卵巣が頑張ろうとしても頑張れないぐらい弱っている➡つまり卵巣が老化してきているということになるのです。

そのため FSH(卵胞刺激ホルモン)の上昇というのは閉経(著しい卵巣の機能低下→卵巣の老化)という視点で見たときの卵巣の状態を表す指標 なのです。

ではFSH(卵胞刺激ホルモン)がどのぐらいの値になったら 問題となるのでしょうか?

FSH(卵胞刺激ホルモン)の検査データの数値と卵巣の状態

まず基礎的なFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値について説明します。

 

生理周期(基礎体温)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の関係

卵胞期(低温期) 3.5~12.5

排卵期      4.7~21.0

黄体期(高温期) 1.5~7.8 (mIU/ml)

 

FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値と卵巣の状態(機能)の関係

病院でFSH(卵胞刺激ホルモン)の検査をする際は基本的に卵胞期(低温期)です。

この時期に検査をした結果で卵巣のおおよその状態がわかります。

FSH 15~25(mIU/ml)・・・卵巣機能が弱ってきている

26        ・・・閉経期

です。しかしもっと言えば一口に閉経期といっても実際にはもっと段階性があります。

 

日本産婦人科学会の定義する閉経期のFSH

26.2~113.3(mIU/ml)

です。

実際にはFSHの値は113.3以上の値が出る方が多数おられます。

そのため病院によってはその定義を

FSH150以上としているところもあります。

まとめ

閉経の定義は月経が起こらなくなって1年以上経過した状態です。

その時点でFSHを測定したときに26~150くらいまで幅があったということだと思います。

つまり、実際にはFSHの数値と月経の有無にはかなり個体差があるということです。

つまり、人によって異なるため一概に言えないということなのです。

ここに早発閉経の治療の余地が出てくるのです。

ぜひぜひ知っておいてください!!

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