漢方相談に来られているご家族の紹介でご相談に来られました。
症状は自律神経失調症状とメンタルの不調(パニック?)ということでした。
もう少し症状に関して詳しくお伺いすると、食欲不振、嗅覚過敏、聴覚過敏、吐き気、めまい、後頭部~背骨の痛み、動悸、脳がもやもやする、パニックぽい症状が出る等々沢山ありました。
これらの症状、毎日同じ症状が出るわけでは無く、出たり出なかったりするそうです。
そして一つ症状が良くなっても、また新しい症状が出てきたりするそうで、症状や体調が毎週のように変わるそうです。
この症状がコロコロ変わるということそのものが、今後の自分の体調がどうなってしまうのか不安を引き起こし、メンタル的に弱ってしまっているとのことでした。
それ以外にも症状についてお伺いしたところ、疲れやすい症状や胃痛や胸焼けなどもありました。
またこの症状が出始めたのがいつくらいか?を伺いすると半年前くらいからだそうです。
その症状が出るきっかけや原因についてお伺いしいたところ、仕事のストレスではないか?といわれていました。
それ以外にも、今までの治療経過や、病院での検査結果、他の治療施設での治療の内容及び、それによって症状の変化、服用されてきたサプリメント、漢方薬、病院で出されたお薬などについてお伺いしました。
それらを一通り聞いた後で、改めて漢方的問診や舌診、その他の東洋医学的なチェックを行い、自律神経失調症やパニック障害に用いる漢方薬の中からこの患者さんに合いそうな漢方薬を服用していただくことにしました。
そして2週間後来られた際に症状をお伺いすると・・・
2週間前と比べて動悸は減ったそうです。そして食欲が少し出てきたそうです。
それ以外は大きくは変わらなかったそうです。
そこで、改めてこの患者さんの症状をチェックし直し、東洋医学的にも再度チェックを行った所、少し修正が必要に感じました。
そこで再度併用する漢方薬の組み合わせを変えてまた2週間分お出ししました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると、今回はそれほど改善が見られませんでした。
そして、今回は今までにないくらい生理痛が酷かったということでした。
それに関して症状を東洋医学的にチェックすると・・・この生理痛の悪化にも精神的なストレスが関わっているように思われました。
そのため、この症状にも対応できるように精神的な緊張を緩めるような漢方薬を追加してお出しすることにしました。
そして、また2週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・
食欲不振はほぼ無い状態、嗅覚過敏は残っているけど、聴覚過敏は無くなったそうです。吐き気はほぼない、めまいほんのたまに、後頭部~背骨の痛みほとんどない、動悸ほぼないという風に全体的に改善してきました。
そのため、今回は前回と同じ漢方薬を服用していただくことにしました。
この間に気になったのはめまいの症状でそれが2週間の間に2回あったそうです。
それと、軽めですが、お店でも美容室など、その場所から移動できない状況が生まれた時にパニックっぽい症状がでたそうです。
※この移動できない状況でパニックぽくなる患者さんは非常に多いです。
でもそれ以外は特に問題なかったという事でした。
そこで、東洋医学的に再度身体をチェックしなおすと・・・
もう少し精神緊張を緩めるような漢方薬が必要に思いました。
そこで、その点を少し修正して漢方薬をお出ししました。
また2週間後に来られた際には、生理前だったこともあり、少しですが、喉のつかえやみぞおちが少し痛んだそうです。
そこで、また身体の状態を東洋医学的にチェックしなおすと、女性ホルモンのホルモンバランスが少し乱れているように思いました。
その部分を再度修正しなおしてまた漢方薬をお出ししました。
その後も2週間間隔で漢方相談を行い、その時の症状や状況に応じて漢方薬をお出ししました。
症状はその時々によって微妙に変化していきましたが、全体的には少しづつ改善していきました。
そして、春になって会社の部署の移動があってから症状はさらに良くなりました。
そして、出す症状もぐっと減ってきたため、用いる漢方薬の種類もぐっと減りました。
そして、漢方薬を服用され始めてから約半年で漢方薬が必要ないと思えるところまで改善しました。
通常は最初の症状だと最低でも1年くらいはかかるのですが、この患者さんは、漢方治療を通じて自分の内面との向き合い方が分かったのだと思います。
そういった目に見えない小さな気づきが、身体の大きな変化を生むことがあります。
漢方相談の度に漢方薬を修正するのは大変でしたが、良くなって本当に良かったです。