ここでは基礎体温の高温期に生理が来た?時に考えられる原因とその対策について書いています。

まずこの内容に関しては基礎体温の高温期中に生理が来た?の生理は本当に生理なのか?それとも単純に不正出血が起きたのかということを考えないといけません。

この内容と混同しやすいページに生理が来たのに基礎体温の高温期が高いまま?というページがあるのですが、この2つの内容は全く異なります。

基礎体温の高温期中に生理らしきものが来たということと、明らかに生理が来たのに基礎体温の高温期が続いているいう内容では全く意味が異なっているのです。

そのため、ここではそれらの点も整理しながら基礎体温の高温期中に生理が来た?時に考えられる原因とその対策について書いてみたいと思います。

具体的には生理が来たのに基礎体温で高温期が続いているという場合は今後の不妊治療どうしていくかということだけ考えれば良い内容となっています。

それに比べて基礎体温の高温期中に生理が来るというのは場合によっては命に関わるような問題を含んでいることがあります。

この内容は不妊治療というのも基礎体温からわかる体の病気のシグナルを知るという意味において重要なのです。

そのためこの2つは厳密に分けて考えるため別々のページとして作りました。

その出血が生理なのかそれとも不正出血なのか?見分けるポイント

不正出血と生理を判別する最大の方法は出血する時期タイミングです。

基礎体温の高温期というのは10日以上は続くのが普通です。

一般的には12日から14日間です。

そのため高温期になってから10日未満に出血が起こる場合というのは不正出血の可能性が高いです。

それ以外に不正出血と考えられる兆候としては出血量が極端に少ない、出血が出たり出なかったりする、出血に臭い匂いを伴う、出血にいつもと違う痛みを感じるなどがあります。

基礎体温の高温期が高いままで生理が来た時の原因と改善策

子宮ポリープ

不正出血の中でよく見かける疾患です。

子宮ポリープには子宮頚管ポリープと子宮内膜ポリープがあります。

子宮頚管ポリープとは

子宮頚管ポリープは子宮の頚管にポリープができる病気です。

これになると性交時やスポーツの後、少量出血したりします。

それと同時におりもの量が増えたり、おりものの色がいつもよりも茶褐色に変わってきたりします。

30代から50代の女性に多く発生する病気ですけれども原因はよくわかっていません。

ただしこれは不妊症の原因にはなりません。

子宮内膜ポリープとは

子宮内膜ポリープは子宮の内膜にできるポリープのことです。

これは成功などによって出血することはありませんけれども、不定期に不正出血を起こすことがあります。

これはできる場所によっては受精卵の着床障害を起こすことがあります。

そのため不妊症の原因の一つとなります。

不正出血の中で最もよく見かける問題です。

子宮内膜ポリープの改善策

子宮内膜ポリープは病院での手術が最も効率的な治療法です。

子宮筋腫などの手術と比べても術後の影響が少なく、次の周期からは不妊治療再開することが可能です。

手術方法には内膜掻爬手術と子宮鏡下手術があります。

これはポリープの数や大きさなどによって この手術方法は変わってきます。

さらに詳しく知りたい方は➡子宮内膜ポリープ

 

子宮頸がん

これは子宮の頸部に悪性腫瘍ができる病気です。

これはヒトパピローマウイルスというイボの原因となるウイルス直接関わっていると言われています。

この病気はゆっくり症状が進行していくため、その進行過程で悪臭を伴う茶色いおりものが出たり、

生理の期間が長くなったり、性交時の出血や不正出血などが見られることもあります。

早期に発見して治療を行えば予後の良い癌ですけれども放置するととても危険です。

そのため、性交時や性交後の出血、おりものなどに変化が見られたらすぐに産婦人科に行かれることをお勧めします。

子宮頸がんの改善策

早期であれば手術が一番良いと思います。

多くの場合子宮を保存しながらの治療が可能です。

さらに詳しく知りたい方は➡子宮がん

 

子宮体がん

不妊治療されている方の年齢ではあまり起こる確率は高くはないものです。

端的には40代後半から発症する確率が上がってくるものです。

ただ40代後半で不妊治療されている方の中にはこれに関しても一応注意してみてください。

これは子宮内膜の細胞が加齢に伴うホルモンバランスの乱れがん化することが原因と考えられています。

子宮体がんの方は初期の段階でも約9割の方が不正出血を起こされます。

そのため閉経したはずであるにも関わらず、不正出血を起こした場合はすぐに産婦人科を受診してください。

現在生理がある方であっても40代後半の方で生理のタイミングと違うタイミングで出血した場合は同様に産婦人科を受診してみてください。

さらに詳しく知りたい方は➡子宮がん

 

子宮腟部びらん

子宮腟部びらんは病気でないことが多いものです。

性交時の擦過が原因となって出血を生じるものです。

そのため特別な改善策は必要ないケースが多いです。

 

妊娠による出血(着床時出血)

着床時出血は出血量は少量で出血期間は1~3日くらいが多いですが、人によっては多量であったり、出血期間も1週間続く方もおられます。

そのため、普通の生理か着床出血かは、基礎体温を測っていないとわかりません。

着床出血の場合は、通常の生理予定日の1週間前から数日前にかけて出血します。

妊娠による出血(着床時出血)の改善策

妊娠による出血(着床時出血)は多くの場合特に気にする必要のないものが多いですが、中には切迫流産のシグナルであることもありますので、安静にすることが基本です。

 

子宮筋腫

子宮筋腫はその発生部位と大きさによって、不妊症の原因になる場合とそうでない場合があります。

粘膜下筋腫は着床障害を引き起こします。

筋層内筋腫であっても4cm以上になると妊娠率が著しく低下することがわかっています。

子宮筋腫の場合は、不正出血よりも、出血量が多くなったり、出血期間が2週間に及んだりと生理期間が伸びることがあります。

生理痛も重くなる傾向の方が多いですが、全く無症状の方もおられます。

子宮筋腫に対する改善策

これは患者さんの年齢と、妊娠希望の有無、筋腫の大きさと筋腫の種類などによって対応が異なります。

子宮筋腫の場合は筋腫の種類が妊娠に影響する場合は手術が基本になるとは思います。

妊娠を希望されない場合はピルなどの服用によって縮小させることも可能です。

40代の方で妊娠希望あれば、術後、不妊治療を数か月はお休みしないといけないことを、それがどの程度不妊に影響しているのかを天秤にかける必要があり、その選択は難しいです。

さらに詳しく知りたい方は➡子宮筋腫

 

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮の内膜細胞が子宮の内膜以外の所にできてしまう病気のことです。

子宮内膜症の代表的な疾患には子宮腺筋症とチョコレート嚢胞があります。

子宮腺筋症は子宮内膜が子宮の筋肉層にできてしまう病気でチョコレート嚢胞は子宮内膜の細胞が卵巣内にできてしまう病気です。

子宮内膜症の症状で最も多いのは激しい生理痛です。

そして、生理がレバー状で大量であったりすることもよくあります。

そして生理の時期でないのに常に下腹部痛に悩まされる方も多いです。

そして、この疾患は不妊症の大きな原因のひとつになります。

不正出血に関してはそれほどの頻度ではありませんが中にはおられます。

子宮内膜症のに対する改善策

子宮内膜症は様々なところに癒着をおこし、それがしばしば不妊の原因となります。

子宮内膜症の改善策は手術orピルなどの薬剤の服用、および痛み止めなどの対処療法的なものになります。

ただし、妊娠を起動される場合はピルの服用はできません。

そして、手術に関しても重症化した場合なかなかすべての子宮内膜症の病巣を摘出することは困難ですし、なおかつ、子宮内膜症は再発にリスクの高い病気ですので、判断に迷うところもあると思います。

そのため、子宮内膜症の影響を受けない体外受精などにステップアップするのが一番確実なのではないかと思います。

さらに詳しく知りたい方は➡子宮内膜症

 

無排卵性出血

これは基礎体温をつけておらず、毎月の生理がきた日付だけ記録している方だとわかりません。

基礎体温をつけていれば無排卵性出血の場合、基礎体温は二層ありません。

こういう場合は一層(フラット)な基礎体温の状態で高温期に相当する時期に出血していることで初めてわかります。

無排卵月経を生じる原因

一般的には卵巣機能の低下、性腺刺激ホルモンを分泌する中枢(視床下部、脳下垂体)の問題、過度なダイエット、過度なストレス、など様々です。

無排卵月経に対する改善策

無排卵月経に対する改善策はその生じた原因によってそれぞれ異なります。

さらに詳しく知りたい方は➡無排卵・無月経

 

更年期の出血

これは平均に近づいてきて 女性ホルモンのホルモンバランスが乱れて起こるものです。

これは高温期で出血が起こる場合もありますし低温期で出血が起こる場合もあります。

また通常の生理と同じタイミングが生理が始まっても長くダラダラ続くようなことが起きたりもします。

また更年期の出血というのは不正出血以外にも精神的もしくは肉体的な別の症状を併発していることも多いです。

これ以外に更年期障害の時期は人によっても違いますが、生理不順も起きてきます。これが年齢が40代後半あたりから多くなる傾向はありますので、ある程度の予測はつくと思います。

更年期障害に対する改善策

病院の更年期障害の治療というのはホルモン補充療法、自律神経調整薬や精神を安定させる向精神薬の服用、低用量ピルの服用などがあります。

ただし、妊娠を希望される場合は、ピルの服用も、向精神薬の服用も難しいです。

そのため、このような場合は漢方薬による治療が望ましいと思われます。

さらに詳しく知りたい方は➡更年期障害

 

膣炎、 子宮内膜炎(感染症による炎症)

クラミジア、淋菌、トリコモナスや大腸菌などの雑菌が原因で起こる炎症です。

それぞれ原因菌、原虫などによって症状は異なりますが、傾向としては、おりものがいつもと違う(匂いが臭い)、色がつく、患部に痒み、灼熱感などを伴うことが多いです。

まとめ

基礎体温の高温期が高いままで生理が来た時の原因と改善策について書いてきました。

基礎体温の高温期が高いままで生理が来た時でも生理直前でなく、比較早い段階で生理?のような出血がある場合、ほとんどが不正出血の事が多いわけです。

その不正出血を起こす原因には様々なものがあります。

それを基礎体温からある程度判断できる場合とできない場合があります。

そのなかで判断に迷う場合や、びっくりするような出血の場合は、まずは病院で検査を受けられることをおすすめします。

もし生理直前、もしくは生理周期から考えて明らかに生理が来た後に基礎体温の高温期が続いているような場合は

を参考にしてください。

また基礎体温の測り方やグラフの見方を詳しく知りたい方は➡基礎体温表のグラフの測り方や見方などを詳しく解説

 

広島の漢方薬局ハーブスのTEL082-507-3470