インスタを見て患者さんが相談に来られました。

相談内容は非結核性抗酸菌症(肺マック症)です。それ以外に気管支拡張症もあるそうです。

非結核性抗酸菌症とはその名の通り結核ではない抗酸菌による呼吸器感染症のことです。

この非結核性抗酸菌の7~8割を占めるものがマック菌であるため、肺 Mac症とも言われます。

この非結核性抗酸菌症(肺マック症)は人から人への感染はしない疾患です。

この病気は、昔は肺を患ったことのある男性に多い疾患でしたが、最近では痩せ型の中高年の女性に多い病気です。

症状としては長引く咳、痰、血痰、体重減少、全身倦怠感などが主なものです。

病気の原因はこの菌によるものですが、なぜ感染力の弱いこの菌に感染してしまうのかに関してははっきりとはわかっていません。

そしてこの非結核性抗酸菌(肺MAC菌)に直接効く薬というものがありません。

そのため結核に使う抗生物質を3種類ぐらい併用する治療法というのが一般的なのです。

ただし、この三つの抗生物質を併用すると、重篤な副作用を引き起こす事があるのです。

その割に治療効果が不十分であることも多く、病院では治療を行わず経過観察しながら様子をみることが多いのです。

それらのこともあって、この病気は漢方相談に来られる方が増えてきてるのです。

話を戻しますね。

漢方治療イメージ

この患者さん2~3年前に非結核性抗酸菌症(肺マック症)の診断を受けたのですが、そこの頃はほとんど症状が無かったのです。

しかし約1年前から症状が悪化してきたそうなのです。

その症状は咳、血痰?、痰、鼻水、喉のつまり等です。

血痰?は本当に血痰かどうかはわかりません。患者さんが言うには濃い茶色の痰が時々出るといわれるのですが、これって黄色い痰が濃縮してもそのように見えますし、時間の経過した痰もそのようにみえるのです。

咳は痰があまり絡むような感じの咳ではなく、むせるような咳だそうです。

基本的に痰の色は黄色で痰自体はあまり多くは出ないそうです。出るタイミングも不定期でいつ出やすいとかはないそうです。

鼻水は透明で朝に多く日中は少ないそうです。くしゃみなどは出ないそうです。

病院では特に治療をしておらず経過観察しているとのことでした。

そこで、さらに漢方的な問診や東洋医学的なチェックを行いました。

これらを総合的に判断すると、現時点では非結核性抗酸菌症(肺マック症)の体質改善を行う漢方薬のみで、咳止めなどの漢方薬は必要ないのではないか?という結論に至りました。

そのため体質改善の漢方薬をとりあえず2週間分お出しして様子をみてもらうことにしました。

そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

咳、血痰?、痰、鼻水などの症状は一切変わらなかったそうです。

しかし、喉のつまりだけは少し軽減したそうです。

そこで、再度東洋医学的に身体の状態をチェックすると・・・漢方薬はやっぱり合っている気がしたので、また同じ漢方薬で様子をみてもらうことにしました。

そしてまた2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

喉のつまりは無くなったそうです。

咳は変わらず出るそうですが、鼻水は少し少なくなった気がするそうです。それと痰も減ってきているそうです。

そこで、再度身体の状態をチェックしましたが、やはり合っていると思ったので、同じ漢方薬を3週間お出ししました。

そして、3週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

のどのつまりは無い状態が続いているそうです。

そして、今回は咳も減ってきているとのことですし、鼻水も減っているとのことでした。

そして痰は3週間のうちに出たのは1回だけだったそうです。

改善傾向としては順調な気がしますし、再度東洋医学的にチェックしても変わらず漢方薬は合っている気がするので、そのまま漢方薬を継続していただくことにしました。

とりあえず順調で良かったです。