患者さんの紹介の方がご相談に来られました。

相談内容は『酒さ』です

酒さとは簡単に言えば、『赤ら顔』のことです。

この赤みは主に額や鼻、頬、首などに発生し、多くの場合痒みを伴うことが多いです。

この酒さ中高年によく見られる慢性炎症性皮膚疾患の一つなのです

この『酒さ』を引き起こす原因に関してですが、ハッキリとは分かっていません。

一般的には、化粧品かぶれ、金属アレルギー、皮膚表面の細菌、紫外線、外気の温度差による刺激、香辛料などの摂取、飲酒、精神的ストレス、過剰な皮脂分泌、自己免疫疾患を起こしやすいもともとの体質などが関係しているのではないか?と言われています。

しかし、どの治療を行っても決定的によくなることが無いため、酒さの治療は、完治を目指すのではなく、症状の寛解や軽減を目指すのが一般的なのです。

この患者さんも例外ではなく、皮膚科でステロイドの治療を受けていたのですが、塗っている間は症状が収まるのですが止めれば、すぐに出てくるため、漢方相談に来られたのです。

この患者さんの酒さの出ている部位は丁度Tゾーンに相当する部分です。

少なくとも過去来られた女性の患者さんはこの部位に症状が出ることが圧倒的に多い気がします。

ここに痒みを伴った症状が出てくるのです。

この患者さんを最初見たとき、そんなに症状はひどくないという印象があったのですが、すっぴんで来てもらうとやっぱり、しっかり赤いのです。

このくらい赤いと、通常なら、熱を冷ます漢方薬を使うのが一般的なのですが、その漢方薬が合わない気がしました。

そこで色々チェックしてみたら最終的に合っていると思ったのは、瘀血(血流障害)を改善させる漢方薬でした。

そこで、この漢方薬を服用していただいたのです。

この漢方薬を服用してもらって、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と服用していただいたのです。

感覚としては、この漢方薬、合っている気がするのですが、実際服用してもらった手応えは、微妙に良いくらいの感じなのです。

患者さんもほぼ同様の感想をお持ちのようでした。

しかし、再度、最初から身体をチェックし直して、合う漢方薬を一から探してみても、最終的に合う薬はこの漢方薬になってしまうのです。

そこで、別の視点で可能性もありそうなものを試してみたこともあるのですが、飲酒が原因になっているのではないか?と考え肝臓の解毒機能を上げるような漢方薬を用いてみたのですが、これはむしろ悪化してしまいました。

肝臓の解毒機能を上げる薬が合わなかったというより、この瘀血の漢方薬が微妙にでも効いているので抜くと酒さを止めることができなくなる感じに思えました。

しかし、このまま継続しても、この改善のペースではとても完治までたどり着きそうもありません。

そこで、また一から根本的な問題を探してみることにしました。

そうすると、女性ホルモンのバランスが乱れた時に出てくるポイントに淡いですが反応が出ている気がしました。

そこで、この女性ホルモンのバランスを改善するような漢方薬を探して服用していただいたところ、今までと比べて明らかに改善のペースがアップしたのです。

ご本人も今回の漢方薬に関しては今までより効果を感じているようです。

そのため、このまましばらく継続してみることにしました。