以前、ものすごくイライラするということでご相談を受けてその症状が改善した患者さんが再びご相談に来られました。

この時にはイライラ以外に不安感などもありました。

それも治療を始めてから落ち着いたのです。

また、治療し始めてから患者さんから、今まで朝起きた時に楽しいと思ったことが無かったのに、最近変わってきたと言われて、そんなところまで漢方薬は効くのか?と逆に驚いたことがあった方です。

その方が今回は急に何もしていないのに、5か月くらい前に、突然胸の真ん中の骨の付近が強烈に痛くなったと、ご相談に来られたのです。

突然痛んだ時に、場所が心臓に近いと思ったため、心臓を診れる内科にいって心電図をとってもらったそうですが、問題なかったそうです。

さらに胃を検査してもいピロリ菌の除去も行ったそうですが、肝心の胸の真ん中の痛みは消えなかったそうです。

そこで、再び私の薬局に相談に来られたのです。

話を聞いた段階でこれはストレスが原因だろうな、と思ったのですが、ご本人としてはこれというほどのストレスは無いと言われたのです。

しいて言えば仕事の役職が上がり責任が増えた事と、勤務地が遠くなり肉体的にしんどくなったことなどを話されました。

どちらにしろ、この問題はストレスだろうと考え、この患者さんに合う漢方薬を探してみることにしました。

そうすると、前回とは異なるストレスを緩和させる漢方薬の中に合っているものがあるように思われました。

それを、とりあえず1週間分お出しして様子をみていただくことにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

胸の真ん中の

痛みはあるそうですが、前よりは楽になったそうです。

そのため、また同じ漢方薬で2週間服用していただきました。

そして来られた際に再び様子をお伺いすると・・・

今度は胸の真ん中の痛みは最初と比べ10分の1くらいまで減ったそうです。

そこからは2~3週間おきに来られて様子をお伺いしたのですが、順調に痛みは減っていきました。

漢方治療イメージ

そして症状が途中から胸の真ん中に木の板が入っている感じに変化し、それも時間と共に、毎日ではなく時々感じるようになり、治療を終了する数週間前には3週間で1回感じたと言われていました。

治療の終了が見えてきたと思いましたが、これは漢方薬を服用しているから症状が治まっているのです。

漢方薬を止めてしまうと、しばらくして再び症状が出てくることがよくあるのです。

そのため、漢方薬を止めても症状出なくなるまでしっかりと漢方薬を服用していただいて体質を改善させる必要があるのです。

この日も来られた段階では、東洋医学的なチェックを行ってみたところ、もう少し漢方薬を服用した方が良いように感じました。

しかし、この日患者さんから、ご家族のことを色々相談されて、患者さんが色々話しているうちに、今回の症状が起きた原因はご家族のことで悩んでいたことだとご自身でハッと気づかれたみたいなのです。

その得心がいったという患者さんの顏をみた瞬間に何となくですが、この患者さん治ったな。と思いました。

でも、思い違いの時もあるので、再度東洋医学的にチェックしなおしてみたら、今回は思った通り、もう少し治療した方が良い反応は消えていました。

私は心理学は詳しくないですが、患者さんの潜在意識の中にある本当の問題にご本人自身が気づかれた時、スッと良くなることが極稀にあるのではと感じています。

今回は数少ないそういう日だったのだと思います。

何はともあれ良かったです。