紹介で新しい患者さんが来られました。
相談内容は潰瘍性大腸炎、子宮筋腫、子宮内膜症、生理痛、不安神経症などでした。
その中でも特に今、気になっているのが不安神経症で、ひたすら不安になるそうです。
もともとそういう傾向は多少はあったそうなのですが最近はあまりにひどいそうです。
それと潰瘍性大腸炎、これも比較的最近、血便が出たのがきっかけで、病名が分かったそうです。
この血便と便秘、さらには内痔核(いぼ痔)もあり、排便するたびに出血が出ることで、『もっと大きい病気があるのではないか?』、『病気がすごく進行してるのはないか?』と不安がさらに強まるそうです。
そして生理が不順で月に2回ぐらい来ることが多く、生理の量も元々多目で生理痛も重い···等々正直これ以外にも症状を言われていたのですが、とりあえずこのように、色んな症状が一気に来たという印象でした。
この中で特にご本人さんが
気になっているのが些細なことでも気になって不安になる不安神経症をまず治療することにしました。
この病気に関して現在、病院にも通われていて、不安を取り除く薬(抗不安薬)も少しだけ服用されている状況でした。
そこでまずはこの患者さんの体質、性格を踏まえて、現在のこの症状を改善できそうな漢方薬を服用していただくことにしました。
それから、最初は1週間おきに漢方相談に来られたのですが、この患者さんの場合は来られる度に症状が変化するため、その都度、漢方薬を変更していきました。
その甲斐もあってか漢方を服用され始めて約一か月で不安のためのお薬を飲まなくて済むようになったのです。
それからはその都度、気になる症状に対して漢方薬をお出しするようにしました。
ただ不安も全くなくなったわけではなく、時々思い出したように症状は出てくるので、その都度必要と思われる漢方薬をお出しして対応していきました。
結果としては便秘と下痢の治療潰瘍性大腸炎の治療、生理前のお腹の張りの治療、生理痛の治療、生理不順の治療、不正出血の治療などおそらく更年期障害が原因で起きていると思われる諸症状を治療して行きました。
この更年期障害の治療するようになって、以前よりは明らかに
体調も安定し、それによって情緒も安定し、さらにお肌の状態も良くなり、化粧のノリも良くなったそうです。
この更年期障害の漢方薬は体質に合っていたみたいで、かなりの期間、同じお薬で体質改善が出来ました。
この治療が済んだら漢方治療が終了かな?と思っていたのですが、ある時から突然、大量の出血をするようになり、再びご相談を受けたのです。
この患者さんの場合、出血するにしても潰瘍性大腸炎が悪化したケースとホルモンバランスの乱れによって子宮からの出血が増える可能性の両方が考えられたのですが、ご本人曰く、生殖器系からの出血だということでした。
生殖器からの大量出血の場合、この患者さんの年齢を考えると、更年期障害が原因で起きることが多いのですが。
しかし、この方の場合はすでに更年期障害の治療をしていて、生理の状態が安定してきていたのにも関わらず突然、大量の出血が出てきたことから、更年期障害以外の原因で起きてるんじゃないかと思いました。
更年期障害以外で、可能性が高いのは子宮癌や子宮内膜増殖症です。
そこでできるだけ早く、産婦人科に行って精査してもらうようにお勧めの産婦人科をお伝えしました。
そして婦人科に行かれて検査を受けた結果、診断名は子宮内膜増殖症でした。
子宮内膜増殖症はその名の通り子宮内膜が普通の人よりも異常に増殖する病気ですが、その中の何割かの方は子宮体癌に移行することがあるので注意が必要な病気なのです。
そこで、さらに子宮内膜増殖症を調べてもらったところ、おそらく悪性ではなく良性だろうということになりました。
そこで今までの漢方薬を子宮内膜増殖症のための漢方薬に変更しました。
また、その病院でも引き続き子宮内膜増殖症の治療をするということで漢方薬と病院の治療を併用していただく形をお勧めしました。
そこから産婦人科での治療と並行して、子宮内膜増殖症の漢方治療を行いました。
そして約半年過ぎた頃に最初に20ミリあった子宮内膜の厚みが10ミリにまでなったということで病院の治療が終了になりました。
それとほぼ同時期に漢方的に見ても、子宮の異常な反応が消えたため漢方治療も終了としました。
その時、それ以外の現在の症状などもお伺いしたのですが、現時点では治療するほど大きな問題は見当たりませんでした。
そのため、全ての漢方治療を終了することにしたのです。
最初に漢方相談に来られてから、本当にびっくりするほどたくさんの症状を治療してきました。
気が付けば約2年過ぎていました。
これが長かったのか短かったのか私には分かりません。
それでも無事、一通りの治療を終了することができて本当にホッとしています。
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