このページは広島市にある漢方薬局ハーブスの痒疹に関する情報ページです。
ここでは痒疹の概要、分類、症状、病院での治療、漢方薬による考え方と治療、治癒・改善症例、関連ページについて書いています。
ぜひ参考にしてください。
痒疹とは
痒疹とは結節や丘疹を伴う反応性皮膚疾患です。
痒疹の特徴は痒疹丘疹であり、この丘疹が、慢性的に掻きむしることにより、硬く大きくなっていき、最終的には 5ミリ~2センチ程度の結節となるのです。
また中には多形性慢性痒疹に見られるような膨疹を伴うものもあります。
痒疹の分類
痒疹は時間経過から急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹の三つに分類されます。
それ以外に色素性痒疹と妊娠性痒疹があります。
急性痒疹
皮疹が一週間程度で治るものを言います。
急性痒疹を起こす原因は、主に食物アレルギーや虫刺されによる痒疹(ストロフルス) などが多いと考えられていますが実際のところ、正確な原因はっきりとはしていません。
傾向としては小児に多いです。
亜急性痒疹
亜急性痒疹とは手足は体に数ミリから1~2センチの赤みを伴う硬い結節ができて、多くの場合浸出液を伴った発疹となります。
猛烈な痒みを伴い掻き壊すと水泡や膿泡になることもあります。
傾向としては主に中高年に発症しやすいです。
慢性痒疹
慢性痒疹は、主に結節性痒疹と多形慢性痒疹の二種類に分けられます。
結節性痒疹
結節性痒疹とは固いドーム状又はイボ状の結節を伴う痒疹で手足に発症することが多いです。
この結節性痒疹は虫刺され後から発症することが多いですが、それ以外にもアトピーやアレルギー、肝臓や腎臓の問題なども関与していると考えられています。
それぞれの痒疹は融合することはありません。
痒疹の持続は数ヶ月から数年に及ぶものもあります。
多形慢性痒疹
多形慢性痒疹は老人に多い痒疹です。
多形慢性痒疹は他の痒疹とは異なり、常に孤立性ではなく、しゅうぞくしたを呈することもあります。
原因は不明ですが、何らかのアレルギー、胃酸分泌異常などの胃腸障害、肝臓や腎臓の障害、性ホルモンの調節機能の異常、感染症、心身症なども関与しているのではないかと言われています。
症状としては体中に色々な形の湿疹ができて激しい痒みが続きます。
症状が重く長期化しやすい傾向があります。
色素性痒疹
色素性痒疹は体幹に非常に強い痒みを伴う紅色丘疹です。
それが、一週間程度で消失する場合が多いです。
しかし、また再発し、そしてまた消失します。
この再発と消失を繰り返す中で、次第に色素沈着を起こしていきます。
そして、最終的に網目状の状態となっていくのです。
この色素性痒疹を生じる原因の基礎疾患となるのがダイエットや糖尿病です。
この色素性痒疹は若者に多い傾向があります。
妊娠性痒疹
妊娠中期頃に発症し、四肢や体幹に強い痒みを伴う丘疹が多発する傾向があります。
通常は出産後2~3ヶ月以内に改善することが多いですが中には長期化するケースもあります。
痒疹の病院での治療
病院では痒疹の治療は抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤の内服とステロイドの塗り薬などの治療を行うのが基本療法となります。
しかし、痒疹は難治性である場合が多く、基本療法だけでは治療効果が上がらない事が多々あります。
そのため、場合によっては一時的にステロイドの内服を行ったり、ステロイドの局注をする場合もあります。
それらの治療で好走しない時には免疫抑制剤の外用や内服、紫外線を当てる光線療法、活性型ビタミンD3外用剤などが用いられることもあります。
それ以外に、丘疹・結節には液体窒素による凍結療法を行う場合もあります。
また、慢性痒疹は悪性腫瘍、感染症などが認められることがあります。そのため、スクリーニング検査を行う必要がある場合もあります。
妊娠性痒疹の治療は妊娠中なので抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服が出来ず、凍結療法と外用剤を併用するケースが多いです。
痒疹の漢方薬による治療
痒疹と一口に言っても、漢方的には急性痒疹と結節性痒疹、多形慢性痒疹は全く異なる漢方薬が必要になります。
急性痒疹は多くの場合、ストロフルスの治療と考えて治療を行ってゆく方が治療としてはうまくいきます。
ストロフルスは虫刺されが原因となって生じる痒疹です。
この虫に刺されることによってそこから生じる感染症とアレルギーの複合疾患と考えて治療をしてゆく必要があると思います。
結節性痒疹は丘疹の一種で、これが腫れあがって生じているのであれば水毒の問題として治療する必要がありますし、これがイボ状であれば、化膿症の一種として治療した方が良い場合があります。
また多形慢性痒疹は大きな丘疹を生じないケースもあります。
このような場合は、通常のアトピー性皮膚炎や湿疹の治療と同様の治療でよい場合が多いのです。
痒疹を生じる漢方的原因
血毒(血熱)
身体の血に熱が生じて炎症を生じ、それが痒みの原因となるものです。多くの場合患部が赤く腫れます。
水毒
身体の水(免疫)の異常によって生じるものです。
患部には極端な赤身を発生させないこともあります。
患部が水膨れのような腫れを伴う場合が多いです。
気滞
気の巡りの悪さが原因となって病気を生じさせるものです。
一般的には精神的なストレスや心因性の問題が影響して発症するケースが多いです。
気虚
身体の免疫力の低下によって外からの外邪(例えば感染源)を取り除くことができない、体力がなく、自己修復する力が弱いなどで慢性化してしまうような場合に多いです。
血虚
皮膚の再生機能が低下することによって皮膚の状態を元に戻すことができない場合に多い原因です。
痒疹に用いる代表的な漢方薬
越婢加朮湯
消風散
黄連解毒湯
温清飲
痒疹治癒・改善症例
2ヶ月弱の漢方薬の服用でデリケートゾーンの痒みが6割減っています
痒疹(ようしん)の患者さん、まだ漢方薬を服用して1週間ですが少し良くなっています
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