デリケートゾーンの痒みに悩んでいる患者さんがHPを見て漢方相談に来られました。

この痒みの症状は数年前から出ていたそうなのですが、症状が特にひどくなったのが約3ヶ月前からだそうです。

どうしてこのような症状が出てきたのか、原因に関して心当たりをお伺いしても、はっきりとした原因は思い付かないそうです。

強いていうなら、ご自身の年齢を考えると、更年期障害が関係しているかもしれないとご本人がいわれていました。

更年期障害と関連しそうな症状としては、顔に汗がでることが以前より出てきた。

数年前からたまに動悸する、生理不順にになっているが、閉経しそうでしないなどです。

ストレスもあるかもしれないといわれていました。
ストレスがかかると痒みが増すそうです。

それ以外には、症状は生理前に悪化してかなり痒くなるそうです。

これらの話プラス漢方医学的な問診を加味して、最終的にはストレスが原因の痒みを取り除く漢方薬を1週間分出してみることにしました。

そして1週間後に来ていただいた際に様子をお伺いすると・・・特別痒みは変わらなかったそうです。
むしろ、違う場所の痒みが増えているそうです。

そこで、薬(治療)の方向性を大きく変えてみることにしました。

漢方治療イメージ

この方には、最初の問診の段階で、痔があることが分かっていました。

患部を直接見ていないので何とも言えないのですが、 肛門周囲膿瘍が原因で痒みが出ることがあるのです。
そのため、今回は肛門周囲膿瘍の漢方薬の中からこの患者さんに合う漢方薬を選んで出してみることにしました。

そして、また1週間後に来られた際に症状の変化をお伺いすると・・・

痒みは全く変わらないそうです。

この漢方薬自体はこの方には合ってると思うのですが、 結局、肛門周囲膿瘍が原因の痒みではないということだと思います。

そのため、また改めてチェックし直すことにしました。

今回は皮膚の痒み・アレルギーのツボの反応からこの患者さんに合う漢方薬を再度探してみることにしました。

そうすると完璧ではないにしろ多少効きそうな漢方薬を見つけることができました。

コリン性蕁麻疹痒疹に私が使う漢方薬です。

この漢方薬をとりあえず一週間分お出しして再度様子を見ることにしました。

痒疹治療イメージ

そして一週間怒られた際に症状の変化をお伺いすると・・・ 痒みは少し良くなっているそうです。

そこで同じお薬を一週間ぶん出そうと思ったのですけれども、改めてチェックしてみると、もうこの薬は合わない感じがするのです。

そこで再度合いそうな漢方薬を探してみることにしました。

今回の漢方薬で症状が多少改善しているので、この漢方薬の加味方の可能性が高いのではないかと思って、それらを一通りチェックしてみることにしました。

そうすると この漢方薬の加味方の中に合いそうなものが一つありました。

一般的には免疫異常などに用いる漢方薬です。

そこでこの患者さんの免疫異常のツボの反応をチェックしてみると・・・ やはり免疫異常の反応がツボから出ていました。

そこでこの漢方薬を出してまた一週間後に来ていただくことにしました。

そして一週間後に来られた時に症状の変化をお伺いすると痒みがおよそ半分ぐらいまで減っているそうです。

ただしこの漢方薬が非常に飲みづらいらしく、朝空腹時に飲むことができないということでした。

本当は増量したかったのですけれども、その話からこの量でさらに2週間様子を見ていただくことにしました。

そして2週間後来られた際に症状伺いするとお尻の痒みは最初の4割ぐらいまでになっているそうです。

そして免疫異常の反応のツボをチェックすると、まだこの漢方薬で大丈夫そうです。

最初の何回かは本当に合う漢方薬が見つからず苦労しましたが、試行錯誤をするうちになんとか治りそうな薬が見つかって良かったです。

ホッとしました。