高温期8日、9日、10日あたりで基礎体温が下がる時の解釈の仕方と問題点|漢方薬局ハーブス

基礎体温の高温期が8日~10日の間で下がる

高温期8日、9日、10日あたりで基礎体温が下がる時の解釈の仕方と問題点について書いています。

不妊治療の患者さんの基礎体温を毎回チェックしていくと患者さんの中に高温期8日目、9日目辺りに基礎体温が下がる患者さんが結構おられます。

この高温期の途中で基礎体温が一時的に下がることの意味に関して大きく2つの解釈ができます。

この2つの一方は妊娠しやすい兆候ととらえる解釈であり、もう一方は妊娠しずらい不妊の傾向の兆候と解釈するものです。

その2つの意味を取り違えると大切な妊娠の機会を失ってしまう事にもなりかねないため問題提起の意味も踏まえ、あえて書いています。

この内容は長年基礎体温をもとに不妊治療に関わってきた漢方薬剤師としての私の経験に基づくものです。

なぜ高温期の8日、9日、10日辺りに基礎体温が下がるのを気にする必要があるのか?

高温期の8日目、9日目、10日目あたりに基礎体温が下がるのが問題なのか?

それは一般的に着床しやすい時期と重なっているからです。

つまりその時期に妊娠するしないがおよそ決まってくるのです。

そしてこの時期以外の時期であっても高温期の基礎体温が一度だけ下がることを起こしている方は基本的に原因はほぼ同じと理解していただければいいと思います。

高温期8日、9日、10日辺りで基礎体温が下がる時を良い兆候と解釈した場合

インプランテーションディップ

インプランテーションディップとは海外で妊娠兆候の一つと言われているものです。

現象としては着床時(高温期の7日目~10日目)に基礎体温が一時的に下がる現象を言います。

インプランテーション=着床の意味で、ディップ=低下を表す言葉です。

これはアメリカの大手基礎体温サイトがおおよそ11万人のデータもとに分析された結果だそうです。

この中には妊娠した人も妊娠していない人も含まれて1います。

その中で高温期5日目~12日目の間に基礎体温が1日だけ(0.17℃以上)下がったものをインプランテーションディップが生じたと判断しました

このインプランテーションディップが見られたのは全体の約3割で、この中の2/3の方が妊娠していたそうです。

つまり全体の2割の方です。

ここで書かれている問題点をいくつか指摘しておきます。

一つはインプランテーションディップという現象がみられたのにも関わらず3割以上の方は妊娠されていないということ。

これがインプランテーションディップだったとして何か意味があるのか?ということです。

事実このアメリカの大手基礎体温サイトも妊娠しているかどうかは妊娠検査薬をしてみないと最終的にはわかりませんと書いてあるのです。

私が長年不妊治療に携わってきて心配しているのは

インプランテーションディップと思っていたのに妊娠していなかった場合、インプランテーションディップだと思ってこのまま時間を無駄にしてしまわないか?ということです。

もちろん、もうすでに病院に通われていて治療を受けた結果としてインプランテーションディップかどうかをチェックしているのであれば問題ないです。

しかし、もし病院に通っておられない状態でタイミングのみをやっていてこの現象が見られたのに妊娠していない場合、これを妊娠兆候と解釈すると、次こそ妊娠するんじゃないか?と期待しながら待つと思うのです。

その場合まだ若ければそれはそれでいいと思います。

しかし、35歳を越えて病院に通われておらず、この現象らしきものが見られてなおかつ妊娠していない。

そして、それが1年以内に数回あったのであればそれは黄体機能不全の前兆の可能性が高いです。

つまり軽度に黄体機能が低下してきているのです。

なぜ、私がこれほどこのインプランテーションディップについてしつこくいうのかというと、

基礎体温をベースに不妊治療を行い、ここ10年で数百名は妊娠していますが、その中で妊娠兆候としてこのインプランテーションディップというものを私自身が見た記憶がないのです。

インプランテーションディップは全体の3割にみられる兆候だといわれていますので、そうすると100名くらいは見てるはずなのです。

3割だと大体3人に一人です。

さすがにそれだけの数を見落とすことはないです。

まさかうちの薬局に来る患者さんだけインプランテーションディップが少ないという事もあり得ないのです。

実際、ネットでインプランテーションディップで画像を検索したり、インスタグラムのハッシュタグでインプランテーションディップを検索して実際に私が基礎体温を分析するとその多くが黄体機能不全の可能性の高い基礎体温なのです。

黄体機能不全であればは不妊治療を急ぐ必要があるのです。

不妊治療を始めている方(タイミング療法や人工授精等)は治療をステップアップすることを考えるべきです。

そうでなければ不妊を得意としている漢方の専門薬局で相談されるかした方が良いです。

一番言いたいのはインプランテーションディップという概念に振り回されて大切な時間を無駄にしないようにしていただきたいということです。

もっと詳しく知りたい方は➡インプランテーションディップの問題点とは?

高温期8日、9日、10日辺りで基礎体温が下がる時を悪い兆候と解釈した場合

黄体機能不全

不妊治療を受けられている患者さんの基礎体温を長年見てきて最も多いのがこれです

多くの場合、年齢に伴って起きてくる卵巣機能の低下です。

この状態はまだ軽度の黄体機能不全ですがそれを放っておくと高温期が低く短くなり妊娠しにくい状態に進んでいきます。

軽度の黄体機能不全の基礎体温のグラフ

問題はこの高温期に1回下がるというのがここ数カ月の間に起きていないか?ということです。

もし、こういう高温期の8日、9日、10日あたりの中盤で基礎体温が下がることが頻発してきているのであれば、確実に卵巣機能が弱ってきている証拠です。

もしくは最初は1日だけ下がっていたものが2日連続で下がるようになった場合も黄体機能が低下してきていると考えられます。

もう少し重度の黄体機能不全の基礎体温のグラフ

それが、もし1年のスパンでみたときに今回の1回限りであれば、原因はこれではないかもしれませしそこまで神経質になる必要はないかもしれません。

しかし、今後の基礎体温の変化を見極めなければいけません。

もし、何回かこのような状態を1年の間に繰り返しているようであれば、今後さらに機能が低下してくる可能性がるのです。

対策

軽度にしろ黄体機能不全の場合、もし、ご自身でタイミング療法などで様子をみられていた方は不妊治療のステップアップが必要になります。

同じタイミング療法をするにしてもホルモン補充療法を併用する必要があると思います。

不妊治療を行っているクリニックなどに通われることをお勧めします。

もし、あくまで自然妊娠を目指す場合は漢方薬による治療をお勧めします。

さらに黄体機能不全に関して詳しく知りたい方は➡黄体機能不全

飲み始めたサプリメントや漢方薬が合っていない

今まで何も服用していなかった方が合わないサプリメントや漢方薬を飲み始めて1~2か月経過したころに出てくることがあります。(漢方薬の場合もう少し早く反応がでることもあります)

原因はこれらのサプリメントや漢方薬が合わないため、身体がストレスを感じて基礎体温を一過性で下げてしまうということです。

こういうものを継続して服用してゆくと、場合によっては基礎体温の高温期の形がどんどん崩れてゆくこともあるので注意が必要です。

このようなことは普通のビタミン系やミネラル系のサプリメントでは起こりません。

このようなことが起きるのはマカやザクロなど女性ホルモンに影響するようなサプリメントがその方の身体に合わない場合に出てきます。

対策

そのためそういう場合には服用を中止して様子を見ることをお勧めします。

通常であれば、服用して間もなければ1周期後の基礎体温で元の状態に回復してきます。

もし、2周期経過しても元に戻らない場合は、不妊専門のクリニックや不妊治療に強い漢方薬局などで相談されることをお勧めします。

 

その他

実際には高温期で1回だけ下がる場合というのは、これら以外にも様々な要因で起こり得ます。

実際に私の薬局でよく見かけるのは、1日だけ早起きした(ex子供の遠足のためのお弁当作りとか)、たまたま1日だけ睡眠不足だったとか(睡眠不足は人によって基礎体温の反応はことなります。高温期が下がる人と上がる人の両方がいます)

秋や春の場合、布団の調整がうまくゆかず、朝、寒くて起きた時などは気温の影響を受けています。

そのため、こういう時は基礎体温は低く出ます。

ただしこれらの問題はそれほど多くはありませんし、基礎体温にメモ書きをしておいてもらえれば気にする必要のないことなのです。

まとめ

高温期8日、9日、10日あたりで基礎体温が下がる時の解釈の仕方と問題点ついて書いてきました。

高温期8日、9日、10日あたりで基礎体温が下がる時の意味をほとんどのサイトがインプランテーションディップ(妊娠兆候)として解釈していますが、日本の産婦人科医の中でも認められているものではないですし、アメリカの医学界でも公的に認知されているものではありません。

私も不妊治療で基礎体温は常にチェックしていますし、数百人は妊娠された患者さんの基礎体温を見てきましたが、全体の3割いるのであれば少なくとも100名程度この形を見たことになるはずですが、正直はっきりと見た記憶はありません。

妊娠している時の基礎体温のパターンというのはいくつかありますが、少なくともインプランテーションディップに関して、私の経験ではそんなにはっきりと認識できるレベルでは存在していないです。

このパターンでは黄体機能不全が圧倒的に多いのです。

つまり卵巣が弱ってきているということです。

そのため不妊治療を急ぐ必要があるのです。

実際、インスタグラムなどでインプランテーションディップのハッシュタグで画像をアップしいている方の基礎体温をチェックして一番多かったのが黄体機能不全の疑いの高い患者さんでした。

次に多かったのが、インプランテーションディップの条件に入っていないグラフをインプランテーションディップと勘違いしているケースでした。

そして意外に多かったのは高プロラクチン血症の疑いのある基礎体温(高温期の基礎体温がギザギザになる形)です。

これらをインプランテーションディップと勘違いしているように思います。

どちらにしても不妊専門の病院で一度ちゃんと検査を受けられた方が良いと思われるものが数多くありました。

インプランテーションディップだと思ってしまうと、妊娠していなかった場合でも、このままいけば妊娠できると勘違いして、時間を無駄にしてしまう可能性があります。

その点をとても心配しています

本当にお気を付けください。

また基礎体温のグラフの測り方や見方などかなり詳しく知りたい方は➡基礎体温表のグラフの測り方や見方などを詳しく解説

広島の漢方薬局ハーブスのTEL082-507-3470

 

 

 

 

 

 

 

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