紹介で患者さんが来られました。

症状はめまいです。

最初にひどいめまいが出たのは3年前でそれはしばらくして治まったそうです。

しかし、その1年後に出ためまいはさらにひどかったそうです。

そのめまいは、病院に通って点滴をして、病院で出されたお薬、漢方薬などを服用して、時間がかかったそうですが、最終的には治ったそうです。

今回は、病院には行かず、直接私の薬局に来られたそうです。

今回、めまいが出たのは2週間前でめまいはずっと続いているそうです。

どんなめまいがするのかお伺いすると、朝はグラグラ(くらくら)するようなめまいで、日中はふらふらするようなめまい、夜寝る前になるとぐるぐるするそうです。

これらのめまいは、漢方的に考えるめまいのパターンのすべてが含まれています。

漢方では(少なくとも私は)めまいのしかたが異なると、用いる漢方薬も異なることが多いのです。

この方の場合は(グラグラ(くらくら)、ふらふら、ぐるぐる)という3種類のめまいを出しているので、3種類の漢方薬が必要になるということです。

この事から、この治療は結構大変かもしれないと思いました。

こういう場合はまずはメインとなっているめまいの原因から治療したほうが効果が出やすいのです。

そこで、これらの内のどのめまいがメインか見極めるためにさらこのめまいが起きた、原因やきっかけについてさらに質問をしました。

めまいが起きた原因に関してははっきりとした心当たりはないそうです。

ただ、このめまいが出る前にこめかみ痛があったそうです。でも今はその症状はでていないそうです。

次にこのめまいの頻度についてお伺いしたところ、一番多いのは朝起きた時のグラグラ(くらくら)するめまいで、毎日必ずあるそうです。

 

次が日中のふらふらするようなめまい、夜のぐるぐるする目眩の順だそうです。

これらのことから、朝のめまいが一番メインの可能性が高いわけです。

めまいの漢方薬イメージ

それ以外も漢方的な問診、舌診、東洋医学的なツボの反応を使ったチェックを行い、最終的には漢方薬を一つに絞りました。

漢方的な見立てとしては、水毒(余分な水が悪さをしている)+日常の自覚していないストレスが原因と考えました。

この状態に合うと思われる漢方薬を約2週間お出しして様子をみてもらうことにしました。

そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・少しは良くなったかもしれないといわれていました。

朝と、寝る前のめまいはあまり変わらないそうですが、日中のふわふわするめまいが無くなったそうです。

そこで、さらに2週間、同じ漢方薬をお出しして様子をみていただくことにしました。

それから2週間間隔で来ていただいたのですが、服用されて最初の1か月半は服用するたびに順調に改善したのですが、それ以降悪化はしていないですが、自覚症状の改善は止まってしまいました。

そこで、漢方薬が合っているかどうか、その都度何度も合っているか確認したのですが、合っているように感じたので、辛抱して、飲み続けてもらうようお願いしました。

そして服用を始めて3か月が過ぎた時に突然、朝と寝る前のめまいの症状が消えたそうです。

薬は合っているとは思っていましたが、やはりホッとしました。

ただ、この段階というのは腕相撲でいえば、真ん中よりも自分が優位に来た段階くらいで、相手の力がまだ十分残っている状態です。

そのため、休んでしまうとしばらくするとまた再発してしまうのです。

体質改善(再発しない状態)するためには、腕相撲で言えば、完全に相手が地面につく状態までもっていかないといけません。

そのため、症状はもうない状態なのですが、再発しない状態になるまで漢方薬をもうしばらく続けてもらうようにお願いしました。

それから、1か月、2か月、3か月と服用し、4か月になる前に再発しないレベルまで到達したと感じました。

それで、漢方治療を終了することにしました。

突然、私がもう飲まなくでも大丈夫ですと言ったので、患者さんの方が少し驚いていましたが、そういうこともたまにはあります。めまい改善イメージ

めまいの漢方療法についてはこちら