患者さんが来られました。

この方、もともとは副鼻腔炎で来られており、徐々に改善してきたのですが、別件で相談したいということで急遽来られたのです。

そこで、どうされたのか、症状をお伺いすると、ここ数日で急に左の腕・左手指のしびれ、左首・肩・背中の痛みが出るようになったそうなのです。

その原因の心当たりについてお伺いしたところ、恐らく演奏が原因ではないか?と言われるのです。

この方はプロの音楽家で、いろいろな楽団と仕事をするらしいのですが、この度の仕事先は初めてだったそうなのです。

その仕事先での仕事が、今までの音楽家人生の中で最も過酷だったそうなのです。

その、仕事が終わった段階で身体がバキバキになり、上記の左の腕・左手指のしびれ、左首・肩・背中の痛みなどの症状が出るようになったのです。

その後、ほんの少しの期間、自力で治りそうか様子をみたそうですが、とても治りそうになかったのでご相談に来られたのです。

そこで、この患者さんに合う漢方薬を探してみることにしました。

正直、話を聞いた段階で漢方薬の方向性は決まっていました。

それを一応確認するつもりで東洋医学的なチェックしました。

そうすると、思った通り、精神的ストレスが原因で、メンタルにきた時に用いる漢方薬に合っているという反応が出ていました。

ただ・・・この漢方薬だけでは十分効ききらない感じが残るのです。

漢方治療イメージ

そのため、別にもう一つ漢方薬を併用する必要があるのでは?と思い、この漢方薬と組み合わせることの多い漢方薬を組み合わせてみたのですが、なかなかしっくりこないのです。

ここで思った以上に苦戦しました。

かなり時間がかかって最終的に見つけたのが、血流を良くする漢方薬でした。

多分、本当に身体を酷使したため、筋肉が強ばり、その周辺の血流が悪くなってしまったのだと思います。

その漢方薬をとりあえず1週間分お出しして様子をみてもらうことにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・服用する前と比べると随分楽になったそうです。

ただ、まだまだ、とても止めれるレベルにはないと思いました。

そのため、さらに、3週間服用していただきましたが、再度チェックしてみても、まだ改善が不十分なため、さらに2週間分お出ししました。

そして2週間後に来られた際に再度チェックをすると・・・

すでにトータル1か月半服用されているのに、まだ完全には改善しきれていないのです。

たぶん、もうこの位時間が経過していれば肉体的な疲労は十分改善しているはずなのです。

そのため、今残っている症状の原因はメンタル的なものなのです。

そのことはこの患者さんも自覚されていて、まだ時間がかかるのは仕方がないと思っておられました。

ただ、漢方薬は間違いなく合っているし、少しずつですが、確実に改善しているので、最初に来られた時のような切羽詰まった感じではないです。

それにしても・・・どのような病気にしろ、メンタルが絡むと長引きやすいなあ~と感じますし、コロナ喎になってメンタル絡みの患者さんが間違いなく増えてきていると思います。

皆様も日々の生活の中でできるだけ感情を溜め込まないようにしてくださいね。