知り合いの方からの紹介で患者さんが来られました。

症状はめまいです。

しかも原因不明で困っているそうです。

そこで、今までの経過を話していただきました。

もともとずっと勤勉に仕事をされていて、その仕事がものすごくハードワークだったそうです。

そのストレスもあったのか、約3か月前、突然、肺気腫になったそうです。
※肺気腫とは現在では慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれ、通常は長年の喫煙によって、肺の中の肺胞という酸素と二酸化炭素のガス交換を行っている部分が破壊され、肺がスカスカになっていく中高年に多い生活習慣病の一種です。症状としては慢性の咳と痰が続き、徐々に呼吸困難が肺胞の破壊が進行するにつれ徐々に呼吸困難が進行していきます。

この病気になり、病院で數種類の内服薬と吸入薬が出されているとのことでした。

そしてほぼ同時期だそうですが、肺気腫になる少し前くらいに逆流性食道炎になり、その症状を抑える薬も出されていて、それも服用されているとのことでした。

一方、めまいが出たのは約2か月前で耳鼻科に行って薬をもらっても改善しないため、脳神経外科に行って、MRIを撮ってもらってチェックしてもらったそうなのですが、画像的にめまいを起こすような原因は見つからなかったそうです。

そこで、漢方薬を出されたそうで、それを飲んでいるとのことでした。

しかし、特別改善していないとのことでした。

また、めまいに関して言えば、どちらかと言えばふわふわする感じで、立っていられない程はひどくないらしいですが、ゼロの日はないそうです。

そしてこのめまい、症状に波があるそうです。

ご自身の感覚としては、気圧に影響を受けているのではないか?といわれていました。

というのも、雨の日になるとしんどくなるそうです。

とにかく、調べても原因もわからない、そして薬を服用しても改善する兆しもないということで、現在仕事をずっと休んでいるそうなのです。

今後どうなるのか先行き不安なこともあいまって、藁にもすがる思いで来られたそうです。

薬の副作用イメージ

これらの話を一通り聞いて、話を整理し直して、これは漢方薬を服用するより、病院で出されている薬を整理した方が早い気がしました。

今までの経験から、何となくですが、話を聞いている最中に、これは病院で出された薬の副作用か相互作用によるものではないか?と感じたのです。

そこで、東洋学的にめまいの出るツボの反応を使って、現在出されているお薬がめまいに影響していないかチェックしてみました。

そうすると、予測通り、現在服用されている薬の中にめまいに影響を与えそうなものを見つけました。

問題はこの薬を抜いても問題ないか?ということでした。

そこでこの薬についてお伺いしたところ、これは肺気腫のために出されているけれども、肺気腫は薬を飲んでも治ることはないので、症状を抑えるために出されており、症状が苦しい時に適宜使うようなものでした。

実際のところは現在まで毎日使っていたそうですが、使っても使わなくても自覚症状は変わらないとのことでした。

このお薬なら止めても問題なさそうだったので、一旦休止してめまいの症状がどうなるか漢方薬を出さず様子をみてもらうことにしました。

そして1週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・

めまいは少し良い気がするがはっきりとはわからないとのことでした。

そのため、さらにこの薬を抜いたまま、漢方薬も服用せず、さらに10日間様子をみていただくことにしました。

そして10日後来られた際に様子をお伺いすると・・・

めまいの症状は無くなったそうです。

予想通りでした。

こういうことってたまにあるんですよね。

めまいの漢方療法についてはこちら