以前、夜尿症(おねしょ)のご相談に来られていた患者さんのご家族の方からお電話あり、またご相談したいと連絡がありました。

実際来られて、ご相談の内容をお伺いすると・・・

今回は別のお子さんの夜尿症(おねしょ)のご相談という事でした。

このお子さんは小学生でコロナなどの問題が無ければ、修学旅行とか林間学校などの泊まり込みの学校行事がこれから1年後くらいにあるようです。

そこで、現在、どのくらいの頻度で、どのくらいの量が出るのかお伺いしました。

そうすると、夜尿症(おねしょ)の頻度としてはほぼ毎日出るそうです。

では1か月当たり、出ない日が何日くらいか?だいたいの感覚で良いのでお伺いしたところ、1か月に5回くらい出ないという事でした。

つまり、週に6回出て、週に1回でない程度でした。

この、出る日と出ない日の法則性みたいなものについて聞いてみましたが、特にそういったものは無いそうです。

そして、量はびっくりするほどではないけどはないのですが、そこそこは出るそうです。

このくらいほぼ毎日、夜尿症(おねしょ)が出る患者さんは漢方的には2つくらい原因がある場合が多いです。

普通は、爆睡が原因で夜尿症(おねしょ)に気づかない子が多いですが、それ以外にも、冷え症や、自律神経の調整機能の乱れ、おしっこを漏らさないための筋肉の締まりが悪い、膀胱の緊張でため込める量が少ない等々様々ありますが、一度良くなってきたのに、再び悪化してくる患者さんはメンタルの問題がほぼ絡んでいます。

そのため、メンタルの漢方薬を今までの漢方薬に追加するか変更するかするのですが、こういう患者さんは長引くことが多いのです。

なぜなら、夜尿症(おねしょ)を出すことに本人にとってメリットがあるからです。

その主な理由は夜尿症(おねしょ)をすることで、親の関心が自分に集まり、かまってもらえるからです。

こういうのを疾病利得(しっぺいりとく)といいます。

話を戻します。

そこで、この患者さんはどんなタイプなのか?

問診、舌診でチェックしてみたところ、ちょっと気になったのは、小学生なのに舌の裏の舌下静脈に怒張があったことでした。

漢方では舌の裏の舌下静脈は瘀血(血流障害)の有無を調べるポイントなのです。

この舌下静脈が浮き出ている状態を怒張といい、これがあると血流障害があるという特徴なのです。

これは通常、小学生にはあまり見られないのですが、それがこの患者さんには合ったのです。

そして、問診に関しては上記で挙げた夜尿症(おねしょ)を起こす原因のどれにも該当しそうにありませんでした。

メンタルの問題もなさそうでした。

何だろう?ちょっとわからなくなりました。

そこで、東洋医学できな夜尿症(おねしょ)のツボの反応から、合う漢方薬のヒントを探しいてみることにしました。

そうすると・・・どうもけ血流障害が原因の可能性があります。

でも、実際の所、夜尿症(おねしょ)に血流障害の漢方薬を使うことはほとんどないのです。

しかし、血流を改善する漢方薬が夜尿症(おねしょ)のツボに影響するかどうかチェックしてみると・・・

どうも良さそうな気がします。

そこで、とりあえず2週間、この血流を改善する漢方薬を服用していただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

この2週間で5回出なかったそうです。そして出る量も減っているそうです。

今までなら2週間で2回でないくらいがこの患者さんの標準なので、明らかに改善しています。

このままずっと同じ漢方薬で良いかどうかはわかりませんが、当面はこの漢方薬で良さそうです。

それにしても・・・改めて、夜尿症(おねしょ)を起こす原因て・・・ひとそれぞれだなあ~と改めて思いました。