卵巣年齢(AMH)と早発閉経について
卵巣年齢(AMH)については別のページで比較丁寧に書いているので、ここで詳しく書くことはしませんが、卵巣年齢を簡単にいえば、卵巣内に残っている残卵数の目安と考えてもらうといいと思います。
この数値は低い方が問題なのですが、この値と妊娠は直接の相関関係はありません。妊娠は排卵さえ起これば妊娠するので、残卵数はあまり関係ないのです。
ただしこのAMHの値が限りなく0に近づいているという時には、やはり問題で、そうすると残卵がほぼ無くなってきているということですから、更年期障害や閉経に近づきつつあるということになります。
ただ実際問題としてこの値が関係してくるのは体外受精での採卵の時にとれる卵の数です。
AMHの値が異常に低い場合は通常のホルモン刺激療法などでは卵がほとんどとれなくなります。
しかし卵巣年齢が低いからと言って卵の質が悪くなったというわけではありません。この値には卵の質は投影されないのです。
その部分を勘違されている方がおられるように思います。
繰り返すようですが、卵巣年齢は卵の質とは関係ないのです。
しかしこの値が若くして0になると残卵数がないということになり、これは不妊症でほぼ早発閉経と考えられます。
それでもFSH(卵胞刺激ホルモン)やE2(卵胞ホルモン)の値が正常値であればまだ可能性はあります。
AMH(卵巣年齢)の値だけに限ったことではないですが、こういう検査データには誤差がつきものだからです。
FSH(卵胞刺激ホルモン)やE2(卵胞ホルモン)が正常値であるということは卵巣の機能が正常に働いているということです。
卵巣内に卵胞が全くないのに卵胞ホルモンが正常な値で分泌されることはありえないのです。
そのため卵巣年齢よりもFSH(卵胞刺激ホルモン)の値や、E2(卵胞ホルモン)の値の方が早発閉経かどうかを判断するうえでは重要になるのです。
ただしAMH(卵巣年齢)の数値が限りなく0に近く、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が40以上になり、E2の値が排卵期近くになっても100くらいでそれ以上上がらなくなってきていると、これは非常に良くない状態です。
かなり卵巣機能が落ちてきていると言えます。
特に低温期のFSHの値が高ければ高いほど問題です。
この値が上昇してきていたらなるべく早く治療を受けられることをお勧めします。
できればホルモン刺激療法を得意とする病院・クリニックではなく、自然周期を得意とするような病院・クリニックを受信されるほうが良いと思います。