乏精子症とは
日本産婦人科学会において定義されている。乏精子症の基準は精子の数が1mlあたり2000万以下のものをいいます。
ただ不妊専門のクリニックなどでは以下のようにその正常値を5000万以上としているところもあります。
5000万以下で軽度の乏精子症
1000万以下で中等度の乏精子症
100万以下で重度の乏精子症
乏精子症の一般的な原因
最も多いのが原因が不明のもの。よくわからないということなのです。
それ以外には精索静脈瘤や精巣機能そのものの低下も一定数いると考えられています。
精子の検査の注意点
精子の量は変化しやすい
精子の量や運動率の検査を受けられる際、注意すべき点がいくつかあります。それは精子の量はかなり変化しやすいということです。そのため、1回の検査では正確な状態はわからないということです。そのため何回かの検査を受けられることをお勧めします。
睡眠時間・疲労などに影響を受けやすい
特に睡眠時間の減少は精子の運動率と量に影響を与えます。
そのため検査前は早めに寝ることを極力心がけてください。
乏精子症の病院での治療
精索静脈瘤が存在する場合
手術を行うのが一般的です。
精巣静脈を結紮する手術です。
精索静脈瘤が存在しない場合
一般的にいう原因不明の状態です。
日本産婦人科学会では乏精子症の場合は以下のような薬剤などを用いるようになっています。
HCG
HMG
テストステロン
クロミフェン
VB12
アスコルビン酸
ATP
COQ10(コエンザイム)
八味地黄丸
牛車腎気丸
精子の治療を行わないケースもある
精子の状態の改善を行うような治療をしないケースもあります。
むしろ通常の不妊治療の場合はこちらの方が多いのかもしれません。
軽度な乏精子症の場合・・・人工授精を行う
中程度の乏精子症の場合・・・体外受精を行う
重症の乏精子症の場合・・・顕微授精を行う
乏精子症と漢方薬による治療
病院でも精索静脈瘤を認められない場合は漢方薬が出るケースがありますが、上記の漢方薬は経験上著効するケースは少ないです。
男性不妊に用いられる漢方薬は複数あります。
その組み合わせにあると随分あります。
上記されている漢方薬は漢方理論の中で腎虚に用いる漢方薬です。
腎虚とはなにか?
最も簡潔にいうなら老化です。加齢に伴って精子の数などが衰えてきた場合に用いるものです。
ただしこの漢方薬は温める薬なので、冷えを伴う症状がないと用いるべきではありません。
かえって状態が悪くなることもあります。
もし加齢による問題で冷えを伴わない時には六味地黄丸やそれを含む漢方薬を用いるケースもあります。
また加齢を伴わない場合は血圧の問題が無ければ人参製剤などが来る場合もあります。
精索静脈瘤を伴う場合は漢方的には?血があるという事になるので、血流を改善させる漢方薬を併用することになります。
桂枝茯苓丸の系統や田七人参が入った製剤などが用いられることが多いです。