血虚と基礎体温の関係について書いています

具体的には血虚とどういう状態か?その症状や、血虚の際の基礎体温の形の特徴、

血虚の際に用いる漢方薬や血虚を改善・予防するための食養生(食べ物・食事)

などについて書いています。

血虚とは

血虚とは漢方理論の 一つです。

血虚とはが血が不足するという意味です。

そのため単純に変え考えれば貧血を表す言葉になります。

しかし実際には血虚は貧血の意味合いもあるのですけれども、それ以外に女性ホルモン不足の意味合いもあります

婦人科で考えた時、最も血虚の進んだ状態、血虚の最終形というのは閉経です。

漢方的には閉経というのはなぜ起こるのかと言うと出す血がなくなるから閉経したという風に考えます。

しかし閉経の時に必ず貧血になっているわけではないですよね。

この閉経の時に血がなくなってる状態というのはどういうことかというとか?

血≒女性ホルモンということなのです。

つまり女性ホルモン(血)が不足(虚)することによって閉経するわけです。

つまりこの血の概念の中には女性ホルモンという概念が入っているわけです。

つまり血虚とは貧血の概念と女性ホルモンの不足の合わさったものと考えてもらえば良いと思います。

実際にはこの貧血の状態と女性ホルモンの不足の両方が揃わないと血虚と言わないわけではありません。

実際には貧血の症状だけであっても血虚というふうに考えますし、閉経や更年期障害のように明らかに女性ホルモンが不足して起こるような状態の症状があっても血虚というふうに考えます。

もちろん貧血と女性ホルモン不足の両方の症状があれば間違いなく血虚という風に診断されます。

判断できます。

血虚の症状

色が白い、 皮膚がカサカサする、 動悸、息切れ、疲れやすい、立ちくらみなどの貧血症状、 不安感、不眠症、ドライアイ、筋肉がつりやすい、髪の毛に白髪が混ざる、生理不順(生理の来、る頻度が伸びる)、生理の量が少ない、生理の期間が短い、不正出血 更年期障害のような症状が出る、生理痛、 閉経等

血虚と基礎体温

血虚の時の基礎体温というのはいくつかのパターンがあります

一つは高温期のあいだに基礎体温が下がるというパターンです。

血虚の基礎体温

それ以外には高温期の長さが12日よりも短くなるパターンになることもあります。

また基礎体温の高温期が 36.7 届かないような低めの基礎体温 が続くようなこともあります。

低温期に関して言えば傾向としては血虚の方は低温期が長くなる傾向はありますけれども、中には短くなる方もおられます。

血虚の基礎体温2

そのため、これは総合的な判断が必要になりますし、治療の経験値が問われる部分でもあります。

血虚がすすんできて閉経に近づくと無月経になることもあります。

血虚がひどい無月経の基礎体温

血虚と漢方薬

血虚の状態とは漢方的に血が不足した状態ですのでそれを改善するために血の不足を補う漢方薬を用います

それが補血薬です。

補血薬の中には必ず補血作用のある生薬が入っているのですけれども、そのメインになる生薬の代表的なものが当帰、芍薬、地黄などです。

そしてこれらの生薬を含んでいる代表的なものとして当帰芍薬散や四物湯があります。

これらの漢方薬を継続的に服用することで貧血や更年期障害をはじめとする血虚症状(女性ホルモンの不足の状態)が改善していくのです。

ただし、漢方薬の場合はその方が仮に血虚であっても、その方のタイプに合った補血の漢方薬を飲まないとうまく改善しません

つまり補血薬なら何でもよいわけではないのです。

例えるなら鍵穴(血虚のタイプ)に合わせて鍵(漢方薬の調合)を合わせるような感じです。

鍵がうまく合えば扉は開く(症状が改善する)し、合わなければ扉は開きません(症状は改善しません)。

実際、この補血薬と一口に言ってもかなりの種類の漢方薬あるのです。

その沢山の漢方薬の中からどの漢方薬を合わせるか?というのがその漢方薬剤師の腕であり、そこが経験や知識が問われる部分でもあるのです。

血虚の患者さんに対する治療の実際に興味があれば➡恐らく血虚と思われる40代の不妊症の患者さんの基礎体温が漢方治療で改善した例

血虚の方の食養生

血虚の方の場合は栄養状態の良くない方もおられますのでバランスの良い食生活を心がけることが重要です

もし貧血がある場合は鉄分を含む食べ物を積極的に取ります。

血虚に良い代表的な補血の食べ物

ほうれん草、にんじん、牛レバー、豚レバー、鳥レバー、鳥のハツ、豚のハツ、ぶどう、プルーン、ライチ、卵、イカ、タコ、牡蠣、大豆など

漢方理論と基礎体温についてさらに詳しく知りたい方は➡基礎体温と漢方理論