さてさて、それでは前回に引き続き漢方薬と効果的な薬の形について話を続けたいと思います。
まあ、前回のブログを読んでもらったら、何となく流れで分かるかもしれませんが、あと最後に残っているメジャーな薬の形には温経湯に代表されるような 最後の語尾がお湯で終わるものがあります。

なんで最後の語尾がお湯が来るのか

なんで最後にお湯という字が来るのかと言うと、お湯の状態で飲む漢方薬だからです。
つまり煎じて飲む形の漢方薬ということです。
このタイプのものは基本的に煎じ薬で飲んだ方が効果的です。
その煎じたエキスを顆粒状にしたものがエキス顆粒なのです。
そのためエキス顆粒でも 十分効くものも中にはあります。
しかしやはり煎じ薬の方が良いものの方が多いと思います。
その煎じ薬の方が間違いなく効くという典型的なものが温経湯なのです。
不妊治療以外で湯剤で有名なものには例えば葛根湯などがあります。
この葛根湯もお湯の状態つまり煎じ薬で飲んだ方がよく効くタイプのものです。
もっと言えば熱いお薬をフーフーしながら飲む方がよく効くのです。
葛根湯はエキス顆粒でも飲むタイミングを間違えなければ十分効くと思いますが・・・
逆に市販されている漢方薬の中で語尾に湯と書いている漢方薬であまり良くないものもあります。
ドラッグストアーなどが中心ですが錠剤タイプの漢方薬の中に時々みられます。
このタイプのものは粉末を固めて錠剤にしていることが多いのです。
そうすると本来は湯剤(煮だして飲むべきもの)が散剤(粉末状)として作られているのと一緒なわけです。
そうすると今までにない副作用を出すことがあるのです 。

湯剤・散剤の副作用について

本来湯剤というのは水で煮出して作っているものなので水溶性の成分が抽出されるのです。
そして油に溶けるような油溶性の成分ものは煮だしてもあまり出てこないわけです。
湯剤(煎じ薬)で飲むタイプのものというのは油溶性の成分の中に副作用を起こすような成分がある場合が多いのです。
しかし、煎じ薬だと水溶性の成分が抽出され、油溶性の成分はあまり出てきませんから副作用が出ずらいのです。
しかし、粉末(散剤)の状態で服用すると、水溶性の成分も油溶性の成分も両方体内に吸収されるのです。
そのため温経湯のように慢性的な状態を体質改善したい時に用いるような漢方薬の場合、長期間服用しないと効果が出てきません。
そのような長期間服用するような薬の場合には徐々に副作用が出てくることがあるのです。
葛根湯なども湯剤なので末を固めたような錠剤タイプは本来は良くないのですが、葛根湯の場合は風邪の初期(2~3日)にしか服用しないため、まず副作用が出ることはありませんので、安心してもらっていいです。
そのためドラッグストアの漢方薬はダメというわけではないのですけれども、語尾がお湯と書かれている漢方薬に関しては、粉末タイプのもので長期間飲むと副作用がでてくることがあるため、エキス顆粒と言って煮だしたエキスにでんぷんや乳糖などを加えて作ったものの方が良いと思います。
エキス顆粒で馴染みがあるものといえば、いわゆる病院で出されるツムラなどの漢方薬があります。
あのタイプは お湯で溶かすことができます。
製品が原末でできているのか?煮だしたエキス顆粒なのか?
それを調べるにはパッケージの後ろに書いてある成分の部分を見ると分かります。
粉末を固めて作っているタイプのものは、表示されている生薬の語尾に末という文字が入っています。
例えばビンで売られている葛根湯の裏の標記を見た時に葛根が煮だしたエキスの場合は葛根orカッコンという標記になっています。
もしこの錠剤が生薬の原末を固めて錠剤になっているのであれば裏の標記が葛根末orカッコン末という標記になっています。
このように漢方薬はその語尾につく名前によって飲み方を変えた方がより効果が高まる可能性があったり、本来の語尾の名前とと違う剤形で服用すると副作用が出ることがあるということを知っておいてくださいね。