うちの漢方薬局に来られている早発閉経の患者さんの中に 不妊治療を受け始めてから急激に 太った方がおられます。

不妊治療をすることによって太るという患者さんはそれほどは多くないと思うのですけれども、うちの薬局で言えばおよそ50人に1人ぐらいいるように思います。

不妊治療をすると太る理由は?

なぜ不妊治療すると太るのか?と言われるとあまり明確に説明されているものはないような気がします。

私の経験で言えば病院で女性ホルモンの中で特に黄体ホルモン製剤の薬を使っている時に太っている人が多いように思います。

しかも不思議なことにこれは先ほども書きましたように 全員に起こるわけではないのです。

これ自体は病気ではないのでお医者さんもそれほど重大に受け止めることがないのではないかと思います。

そのため、このあたりの情報が病院の医師から発信されていないのではないかと思うのです。

そこで自分なりの個人的な見解を書いてみたいと思います。

女性性というのはふくよかさであるという風にも言えなくはないと思います。

つまりふくよかさというのは脂肪の量ということです。

女性ホルモンには当然女性性を高める作用がありますから脂肪を蓄える方向に働くという作用もあるのです。

問題はこの体重が増えるということと不妊治療の関係性ということです。

体重が増えることと不妊治療の関係性について

実際にホルモン剤で不妊治療した結果、体重が増えたけど妊娠したという方もおられますし妊娠しなかったという方もおられます。

実際にこの女性ホルモンを使った方が不妊治療で妊娠しやすくなるのか?ということです。

ここでいうホルモン剤とは黄体ホルモンのことです。

もちろんそのホルモン剤を使って妊娠したのであれば何ら問題がないです。

でも妊娠せずに、ただただ太り続けている人がそのままその薬を使っていいのかどうか?ということになるとなかなか難しいところです。

この部分は西洋医学的にはそれそれの良し悪しは判断できないのではないかと思います。

しかし漢方理論で考えていくと、ここにはある一定のことが言えるのです。

普通に比べて以上に体重が増える、つまり太るということは脂肪が増えるということです。

この脂肪が増えるということに関して西洋医学的には新しい病気が出ていなければ問題なしと判断すると思います。

しかし漢方理論で考えてみるとどうなるか?

ざっくり言えば脂肪というのは漢方理論では瘀血(血流障害)となります。

当然です。脂で血管がドロドロになるわけです。

つまり過剰な脂肪は過剰な瘀血の状態であるという風に考えるのです。

そして漢方的に過剰な瘀血というのは不妊症の原因にもなりうるのです。

そのため、黄体ホルモンの服用によって過剰に太った場合というのは過剰な瘀血が生じて新しい不妊の原因が生じたことになります。

なので2ヶ月で10kgぐらい太ってしまうような病的な太り方の場合は、やはりその病院の薬には問題があって、妊娠しにくくさせる可能性があるのではないかと考えます。

漢方治療イメージ

病院でのホルモン剤の選び方が重要になる理由は?

とういうことで漢方的な視点ではホルモン剤を使って極端に太る場合は治療法に問題があるのではないか?と考えます。

そのため、こうなってしまった場合には、漢方的には瘀血をとるような漢方治療すべきという風に考えるのです。

しかし病院の治療がこの肥満を作っていくような瘀血を発生させるような治療続けていく限り、漢方薬だけで良くなることは実際にはありません。

何故なら漢方薬よりも女性ホルモン剤の方がはるかに作用が強いのです。

そのため病院でのホルモン剤の選び方が重要になってくると思います。

実際に一見同じ黄体ホルモンの製剤であっても メーカーや種類が異なれば 全く太らないということがしばしば起こります。

そのため多くの場合、作用は一緒であっても薬を変えてもらうだけで改善する、もしくはこれ以上その状態が進行しないというようになる可能性はあるのです。

そこで問題になるのは医師の判断なのです。

その病院の担当の先生があなたの話をちゃんと聞いてくれて、それに対して応えようとしてくれているかということなのです。

それをしてくれる先生というのは不妊治療をする上でも、患者さんの意見や気持ちを大切にする先生だと思います。

もちろん何でも言いなりになる先生がいいというわけではないです。

しかし本当に大事なことに関してちゃんと理解してくれて改善してみようという試みをする先生はやはり良い先生なのではないかと思います。

不妊治療の先生のイメージ

もしそこで全く何も変えてくれない聞いてくれないということであれば、病院を変えるのも一つの 方法なのではないかと思います

むしろそれくらいこの話は重要なのではないかと私は思います。

ホルモン剤を服用して太った場合どうする?

ちなみにホルモン剤を服用して太った場合ですけれども、私の経験から言うと食事制限ダイエットによる体重減少はなかなか難しいです。

ホルモン剤の服用によって太った場合は運動しないとなかなか体重が落ちてこない方が多いです。

しかもかなり継続的にしっかりした運動を行わないと落ちてこないので、それなりの覚悟が必要になります。

漢方薬を飲むとそのスピードが若干早くはなりますけれども漢方薬だけを飲んで痩せてくるということもないような気がします。

最終的には自分の努力が大事になってきます。

少々残念な話ですけれどもそれが真実です。

まとめ

不幸にもホルモン剤で太ってしまわれた方は、病院の先生にまず相談してみて、先生がどのようにあなたと向き合うのかを見てみてください。

それが今後、病院で不妊治療をして行方でのヒントになるかもしれませんよ。

もし薬を変えないのであればどうして薬を変えないのかということをきちんと説明してくれる先生でも、それはそれでいい先生だと思います。

大事なのはあなたの声、患者さんの声を聞き流さないという姿勢なのではないかと思いま。

そういうところにも その病院やお医者さんの姿勢というのは現れるのではないかと思います。

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