基礎体温は妊活に役立たせることができますが、妊娠の可能性についての判定をする手がかりにもなります。

排卵後、約14日間続く「高温期」は17日以上続くと、妊娠の可能性が高いと言われています。

高温期の8日目はその17日の半分になるため、妊娠を希望されている方は、妊娠の可能性について気になって仕方ないという方もいるでしょう。

 

高温期8日目の症状や基礎体温について気を付けたいポイントや、妊娠のフライング検査は可能かという点についてもご説明します。

 

下記記事では、高温期9日目や10日目の体の状態や症状について詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

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高温期10日目に基礎体温が下がるときの解釈の仕方と問題点

 

高温期8日目の体の状態

卵子が受精すると、一般的に受精から6〜7日目頃に着床しはじめます。排卵日の翌日から高温期が始まり、排卵日当日に受精したと仮定すると、高温期8日目は着床が始まって1日目といえます。

 

しかし、実際は受精のタイミングは人によって違うので、高温期8日目に着床が始まる人もいれば、まだ着床が始まっていない人もいます。

 

着床が開始されている場合には、妊娠ホルモンと言われるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が増加します。このhCGは、黄体ホルモンの分泌を助け、胎盤の作成や、赤ちゃんの成長をサポートする役割があります。

高温期8日目で妊娠検査は可能か?

もしかしたら妊娠しているかもしれない、と思ったら早く確かめたいと考える方が多いでしょう。

妊娠検査薬では、着床した際に産生されるhCGホルモン量で判定します。このhCGホルモンは、着床して即時に出るものではありません。個人差があるため一概には言えませんが、hCGホルモンが分泌されるには着床から1~3日ほどです。

場合によっては陽性の反応が見られることもありますが、妊娠検査薬を使った検査は本来生理予定日頃に行うのが適切です。

 

高温期8日目でも妊娠初期症状を感じるのか?

無症状の場合、妊娠していないと思う方も多いですが、症状については着床スピードの差やそれぞれの体質でも異なります。また、高温期8日目頃だと症状はない場合がほとんどです。

 

中には着床する際に着床出血といわれる出血や、着床痛という下腹部の痛みを感じる方もいます。

 

着床が始まっている場合、ホルモンバランスの変化で急激に体調が変化し、妊娠超初期症状が現れることもあります。

 

胸の張り、腰の痛み、等々の症状が見られることもあります。ただし、どの症状も生理前の症状と似ており、症状だけで着床したかどうかを判断するのは困難です。

 

高温期8日目のフライング検査では陽性反応は出るのか?

できるだけ早く妊娠したかどうかを知りたいですよね。ですが、高温期8日目に行うフライング検査では、陽性反応が出る確率は低いといえます。

妊娠初期にはまだhCGホルモンの分泌が少なく、妊娠検査薬が検出できるレベルに達するまでには時間がかかることが一般的です。
市販の妊娠検査薬の多くは生理予定日の1週間後以降に検査することを推奨しています。

この時点で検査をすると、確実な結果が得られる可能性が高まります。
正確な結果を得るためには、一度の検査結果だけで判断せず、数日間の間隔をおいて再度検査することや、医療機関からのアドバイスに従い、適切なタイミングで妊娠検査を行うことが大切です。

高温期の8日目に基礎体温が下がったとき

基礎体温は生活のリズムや、計測方法によっても変化を起こす非常にデリケートなものです。

 

例えば、基礎体温は目覚めてすぐ、起き上がる前に測定することになっています。これは体を動かすとすぐに体温が上がり始めるためです。また、基礎体温を測る前の日の睡眠時間が4時間未満の場合は、交感神経の影響が残っているため正確な体温でない可能性があります。

 

高温期の8日目に基礎体温が下がる理由と注意点

高温期8日目に体温が下がった場合、次のような理由が考えられます。

 

インプランテーションディップ

 

インプランテーションディップとは、妊娠兆候の一つと言われているものです。

しかし、このインプランテーションディップには科学的根拠もなく、長年不妊治療に携わってきた私もこの妊娠兆候としてこの現象を見た記憶がありません。

 

ネットやSNS上には「インプランテーションディップ=妊娠兆候」というような情報がたくさんありますが、この情報を鵜呑みにするのは危険です。

 

なぜならば、高温期の体温低下には黄体機能不全の可能性があるためです。

インプランテーションディップについては下記記事にて、詳しく解説しておりますので、ぜひお読みください。

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インプランテーションディップとは?問題点について事例とあわせてご説明

 

黄体機能不全

不妊治療を受けられている患者さんの基礎体温を長年見てきて最も多いのが、実は黄体機能不全です。

38歳以上になって出てきた黄体機能不全の原因の多くは、年齢に伴う卵巣機能の低下です。

※20代~30代前半で黄体機能不全といわれた方の多くはもともと卵巣の機能が弱いタイプの方です。

 

高温期に基礎体温が1回下がるという現象が繰り返し起こっている場合、卵巣機能が弱ってきています。

 

黄体機能不全の場合、もし、ご自身でタイミング療法などで様子をみられていた方は不妊治療のステップアップが必要になります。

 

不妊治療を行っている専門のクリニックなどに通われることをお勧めします。

もし、あくまで自然妊娠を目指す場合は漢方薬による治療をお勧めします。

黄体機能不全については下記記事にて、詳しく解説しておりますので、ぜひお読みください。

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黄体機能不全の事なら広島の漢方薬局ハーブス

 

その他の要因

最初に述べたように、基礎体温は非常にデリケートなものです。

寝不足や生活習慣の乱れ、気温の変化などでも変わってきます。

 

また、飲み始めたサプリメントや漢方薬が体に合っていない場合にも、同じような現象が見られます。

マカやザクロなど女性ホルモンに影響するようなサプリメントを飲まれている場合は、服用を中止して様子を見ることをお勧めします。

 

まとめ

高温期8日目の症状や基礎体温が下がったときの注意点についてご説明しました。

 

高温期8日目あたりで基礎体温が下がる時の意味を多くのサイトでインプランテーションディップ(妊娠兆候)として説明していますが、科学的根拠もなく、日本の産婦人科医の中でも認められていません。

 

妊娠している時の基礎体温のパターンというのはいくつかありますが、少なくともインプランテーションディップに関して、私の経験ではそんなにはっきりと認識できるレベルでは存在していないです。

 

高温期8日目に体温が下がったときは、黄体機能不全の可能性について検討することも必要です。黄体機能不全の場合、不妊治療を急ぐ必要があります。

 

インプランテーションディップだと思ってしまうと、このままいけば妊娠できると勘違いして、時間を無駄にしてしまう可能性があるため注意が必要です。

 

基礎体温のグラフの測り方や見方については下記記事にて、詳しく解説しておりますので、ぜひお読みください。

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