不妊治療の患者さんが来られました。この方不妊治療と言っても主に良くないのは甲状腺なのです。もともとは甲状腺機能低下症なのですが、病院での治療を受け、いまではむしろ甲状腺機能亢進症気味になっているのです。それでも病院は妊娠希望の場合は少し甲状腺の数値が高い方がいいからということで、すでに甲状腺機能亢進症の症状が出ているのですが、我慢して薬を続けているのです。漢方を飲み始めてから体調も徐々に良くなり、病院の薬も今までよりは減らしたほうがよさそうなところまで来ているのですが・・・なかなか難しい所なのです。当然以前に比べても妊娠しやすくなっているはずなのですが、一向に妊娠する気配がありません。そこでご主人に男性不妊の問題があるのではないかと思ったのです。そこでご主人に男性不妊の検査を勧めてみてはどうでしょう?と尋ねてみたのですが、どうもご主人の方は乗り気ではないようなのです。まあわかります。多くの男性の方はご自身に男性不妊があると思っていないし、自分が不妊の原因とは思いたくないという傾向があるのです。そこで直接、ご本人が行かなくても男性不妊の可能性を調べ検査があるということをお話ししました。フーナーテスト(フューナーテスト)です。このテストは簡単にいえば子宮と精子との相性をみるような検査ですが、結果が悪かった場合、かなりの確率で男性不妊があるのです。しかもフーナーテスト(フューナーテスト)の良い点は男性が直接検査に行かなくてよいというところなのです。やり方を簡単に説明すると、前日の夜か当日の朝か性交渉を持ってもらってその足で病院に行き、子宮内に精子がちゃんといるかどうかを調べる検査です。膣からちゃんと精子が泳いで子宮までたどり着いているかどうかを調べるのです。ちゃんと精子がいれば問題ありません。その数が少ないとか、良く動いているかとかが大事です。それがちゃんと子宮にあれば男性不妊に問題はなく、もし精子がいない、精子が動いていないということになれば男性不妊がある可能性が高まります。そこでこの方にフーナーテストを受けるようにおすすめしたのです。その結果、良くなかったということなので、男性不妊の可能性があるということになりますし、病院での結果であれば、男性の方の方も前向きに男性不妊の検査を受けようと思うことは多いのです。まだ男性不妊と確定したわけではありませんが、不妊症の原因が女性の側だけにあるということではなくなっただけ、奥さんの精神的負担も少しは和らいだのは事実だと思います。不妊治療はどうしても精神的に追い詰められるケースが多々あります。そのため奥様だけでなく、ご主人と一緒に取り組まれた方がうまくいくケースもあります。今回の男性不妊の可能性もそうだと思います。いまから男性不妊の検査を受けられて、そのあと結果を教えていただけることになっているのです。この結果が仮に悪くても男性不妊に対する対処法はあるので、次に向けられて早めに動かれることの方が重要に思います。また経過がわかれば書きたいと思います。