膝痛(膝の痛み)には漢方薬という手があります
このサイトは広島にある漢方薬局ハーブスの提供する膝痛に関する情報ページです。
ここでは膝痛に関する一般的な知識や漢方的なアプローチ法、養生法(生活上の注意点)などについて書いています。
参考にしてください。
膝の痛みに漢方?と思われるかもしれませんが、意外にも膝痛は漢方の得意分野なのです。
時間は少しかかりますが、自分に合う漢方薬を服用すれば、思った以上の改善が起こることが多くあります。
膝痛(変形性膝関節症)患者さんの治療体験談
何もしなくても痛かったのがしゃがめるまでになりました !!(70代女性)
変形性膝関節症ですが腫れと痛みは無くなりました!!(60代女性)
膝痛(変形性膝関節症)とは
膝の痛みは別名で膝関節痛と言いますが、膝に変形を伴った痛みを生じる場合を変形性膝関節症と言います。
膝痛(変形性膝関節症)を起こす原因
膝の痛みを起こす原因は様々ですが、これは年齢によって異なる場合が多いと思います。
若年性の膝関節痛(膝痛)の原因
若年性で圧倒的に多いのがスポーツによる障害が原因で起こる膝痛です。
若年性の場合変形しているケースは稀だと思います。多いのが半月板の損傷と靭帯の損傷です。
中高年の膝関節痛(膝痛)の原因
交通事故など特殊なものを除けば、半月板などを痛めるケースは少ないです。
多いのは膝の変形に伴う痛み変形性膝関節症が圧倒的に多くなります。
膝の変形の伴って外側や内側の側副靭帯を痛めている場合もあります。
膝痛(変形性膝関節症)の症状
当然、膝痛なので膝の痛みなのですが、それ以外に膝の腫れ、膝に力が入らない、膝を曲げると音が鳴る、膝が変形している(X脚やO脚)、膝が曲げれない、正座ができない、腰が痛い(膝をかばって)、股関節が痛い(膝をかばって)など、様々な症状を併発することがあります。
膝痛(変形性膝関節症)と漢方治療
膝痛(変形性膝関節症)にもちいる漢方薬は急性と慢性では異なります。
急性の場合は炎症と腫れ、痛みが主になる場合が多いです。
それに比べ慢性は痛みや腫れ以外に、変形して動かしにくい、しゃがむと音が出る、正座できない、などの症状が加わってきます。
これらの症状が異なる訳なので原因も異なりますし、当然用いる漢方薬も異なります。それらを踏まえて書いてみたいと思います。
急性期の膝痛に用いる代表的な漢方薬
炎症や腫れをとる代表的な漢方薬
越婢加朮湯
慢性期の膝痛に用いる代表的な漢方薬
独活寄生湯
牛車腎気丸
桂枝加朮附湯
五積散
など
血流を良くする代表的な漢方薬
桂枝茯苓丸
疎経活血湯
など
膝痛(変形性膝関節症)養生法
膝痛の養生法の原則としては動かしすぎないことです。
痛みが増える方向へは動かさない
痛みに関して何でもそうですが、痛みが増える方向というのはその部分にとってストレスな訳ですから、痛みが増える方向に動かさないのが原則です。
正座はしないほうがよい
正座をできるようになりたくて来られる患者さんもおられますが、痛みがある時は多くの場合、正座は最もストレスのかかる姿勢だったりします。
そのため正座は完全に良くなるまでしない方が良いと思います。
下り坂や階段の下りに気を付ける
膝痛は多くの場合、関節にかかる負担が必要以上になるために発生するものです。
そのため特に膝にかかる負担の増える下り坂と階段の下りに関しては極力避けるもしくは手すりなどを利用して膝に直接かかる負担を極力減らすことが重要です。
骨盤体操など腰に良いことをする
膝と腰とは深い関係があります。腰が悪くなると膝が悪くなったり、膝が良くなると腰も良くなったりと関連していることが多いです。
そのため日頃から腰によいことをしておくことは膝をよくすることにつながります。
ただし体操などは実際やってみて調子が良くなることが重要です。
変わらない、むしろどこかに違和感が出るなどがあれば、違うことをされた方が良いかもしれません。
膝痛(変形性膝関節症)食養生
膝痛急性期の食養生
気を付けるべき食べ物
膝痛急性期は炎症を伴うことが多いです。そのため炎症を助長しないようにすることが重要です。
食べ物としては刺激物(唐辛子やショウガなど)を摂りすぎないようにすることが重要です。
それ以外にはアルコールも炎症を助長するためお酒は飲まないようにするべきです。
膝痛慢性期の食養生
血行を良くすることは重要
血流を良くすることは重要です。
炎症が無くなっていれば急性期に避けていたような食べ物、生姜、ネギ、ニラ、ニンニク、玉ねぎなどの辛み成分を多く含む食べ物は温めて血行をよくする働きがあります。
血行が良くなれば膝のを構成する組織の再生も盛んになります。
同物同治
膝が悪いのなら膝を食べる。
極端な言い方をしましたが、膝の軟骨組織の部分が悪いのであれば、ほかの動物の軟骨を食べることで軟骨を構成するコンドロイチンなどを体に取り入れることができる。
日本人が好んでよく食べるものは鶏の胸や膝の軟骨と豚の耳などです。
カルシウムの摂取
牛乳でなく海産物からできるだけカルシウムを摂るように心がける。
植物の中にもあるが、動物に比べ吸収効率が良くない。
膝痛とサプリメント(健康食品)
テレビでも膝痛(膝の痛み)に用いられるサプリメント(健康商品)は大々的に宣伝されています。
確かに加齢によって身体にもともとあった成分が減ってくるのは事実です。
でもそれは誰しも減ってくるものなのです。
でも実際には痛みを起こす方とそうでない方がおられます。
それはどうしてそういう差が出てくるのか?それは一つには身体(膝)の使い方の問題があります。
膝に負担のない生活を送っていれば年齢を重ねてもそれほど問題は出ませんが、膝に負担のかかる生活を送っていると若くてもおかしくなってしまうのです。
最も代表的な例がスポーツによる外傷です。
特にサッカーなどの激しく足・膝・股関節・腰を酷使するスポーツは通常に比べ膝にかかる負担が大きく、膝の関節も擦り減ったりします。
ただし、スポーツによる外傷は多くの場合テレビで宣伝しているようなサプリメント(健康食品)は効かないケースが多いです。
それはその外傷が靭帯損傷や半月板損傷などのケースが多く、単純な擦り減りによるものではないからです。
ここでは一般的に売られているサプリメント(健康食品)の成分と主な働きについて書いてみたいと思います。
膝痛(膝の痛み)に用いられるサプリメント(健康食品)の主な成分
コンドロイチン
コンドロイチンは多糖類でできています。
これは軟骨に多く含まれている成分です。
初期や中期の変形性膝関節症の痛みを軽減する働きがあるといわれていますが、長期の患者さんや重症の方には効果がないといわれています。
一般的に効果が出てくるのも遅く、評価が分かれているようです。
グルコサミン
グルコサミンは糖にアミノ酸が結合した単糖類の一種です。
これはコンドロイチンの構成成分の一つでもあります。
この成分もコンドロイチンと同様軟骨に多く含まれています。
そして初期および中期の変形性膝関節症の痛みを軽減するといわれていますが、これもコンドロイチンと同様に長期の患者さんや重症の患者の方には効果がないといわれています。
効果の出現に関してはコンドロイチンよりも効果の出現が速いといわれています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は非常に高分子な化合物でムコ多糖の一種です。これは関節液の主成分で軟骨にも含まれています。
最近、飲むヒアルロン酸という商品が出ていますが、ヒアルロン酸は先ほども書いた通りかなりの高分子な化合物なのです。
そのためそのままの状態では腸から吸収することはありません。
もし吸収されたら、ひどいアレルギー反応を起こすはずです。
そのためヒアルロン酸を飲んでその飲んだヒアルロン酸が直接関節液になることはありえません。
ヒアルロン酸を飲むと、そのヒアルロン酸は腸内で分解され、ばらばらになって腸から吸収され、それらが関節の中で関節液の材料となって再び使われる可能性がある程度です。
実際にアメリカでも、実際にヒアルロン酸の効果の検証実験がなされたことがあるそうですが、全く効果がなかったようです。
コラーゲン
コラーゲンはいわゆるゼラチンでタンパク質の一種です。
人の皮膚や骨、軟骨、腱、靭帯などに幅広く存在しています。
日本では古くから膠(にかわ)として親しまれてきました。
コラーゲンには優れた保湿効果があり、外用の化粧品の材料として多く用いられています。
しかし内服によって肌の張りを保つ作用や関節の痛みをとる作用については医学的には確認されていません。
そのため関節の痛みの緩和目的でコラーゲンのサプリを購入するのはお勧めではありません。
MSM(メチルサルフォニルメタン)
体内に存在する有機硫黄を含む化合物です。
この物質は北米原産のテーダ松を原料に作られたもので体内に吸収されやすいのが特徴の一つです。
またこのMSMは関節痛の緩和・炎症を抑える働きがあることがわかっています。
医薬品の中にも含まている製品があります。
このMSMはコンドロイチンやグルコサミンと一緒に摂取することで、その効果が高まるといわれています。
その理由はMSMは細胞への浸透性を高める働きがあるのです。
そのため軟骨の修復するのに必要なコンドロイチンやグルコサミンが摂取された時、それが軟骨の再生に関わる軟骨細胞へ浸透吸収されるのを促す結果、軟骨の修復が促進されるわけなのです。
そのため、このMSMとコンドロイチンとグルコサミンはセットで含まれている健康食品やサプリメントが多いのです。
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