不妊症の患者さんからTELがあり、妊娠検査薬で陽性反応が出たとのこと、やっぱりということと、良かったという、ほっとした気持ちになりました。

この患者さんは関西に住んでおられるのですが、一番最初の相談の際にはらわざわざ関西から私の漢方薬局まで来られて漢方相談を受けられたのです。

最初の漢方相談に来られた際に、既往歴や現病歴をお伺いするのですけれども、この患者さんは卵巣嚢腫高プロラクチン血症がありました。

高プロラクチン血症に関しては現在通っている病院からお薬が出ているそうです。

年齢的には30代の後半の方でそろそろ卵巣機能が衰えてくる頃の方でした。

今までの不妊治療をお伺いすると、約2年前から不妊治療を始めて現在までに人工授精を2回と体外受精を1回されているそうです。

体外受精についてさらに詳しくお伺いすると、不妊治療を受けたのは関西でもかなり有名な不妊治療の病院です。
そして採卵はロング法で行ったそうです。

その結果は採卵できた卵は割と多かったのですが、そのうち胚盤胞まで育ったのが1個だったそうです。

そして、その胚盤胞の卵を戻してもうまくいかなかったこともあって、漢方相談にこられたのです。

漢方治療イメージ

この話の中で恐らくこの人の場合は卵の質に問題があるのだと思いました。

正確に卵の質を高めるというのは難しい話なのですけれども、漢方的に考えると方法はあります。

簡単に言えば、この患者さんの身体の状態を良くすれば良いのです。

卵は卵胞によって栄養されています。

その卵胞は卵巣の中で栄養されているわけです。

つまり卵巣の状態良くなれば卵胞の状態も良くなるわけです。

そして卵巣は独立して存在しているわけではなく体の一部として存在しています。

つまり身体全体の状態が良くなれば、その一部である卵巣も良くなるわけです。

基本的な考え方はこのようなことです。

この身体の状態がよくない原因というのは人によってそれぞれ異なるのです。

この原因を漢方的に見つけて、そこを改善することで、体調が良くなり、ひいては、卵巣が良くなり、卵の質が改善してくるのです。

そこで大事になってくるのが基礎体温と漢方的な問診です。

不妊治療イメージ

この患者さんの問診で特徴的だったのが疲れやすいということです。

あともう一つは、今までずっと当帰芍薬散という漢方薬を飲んでいたそうなのですけれども、それなのに下半身の冷え性やむくみが残っているということ。

そして疲れやすい症状というのも残っていたわけです。

当帰芍薬散という漢方薬は漢方的に言うと血が不足して水分代謝の良くない方に用いるものです。

ここで言う血の不足とは貧血も含みますけれども、女性ホルモンの不足なども含む概念なのです。

そして水分代謝が悪い方というのは通常、水がたまりやすい場合が多いのです。

今回のむくみやすいというのも水がたまった結果生じるものです。

つまり当帰芍薬散を飲んで疲れなどが改善していないことと、むくみも取れていないことから当帰芍薬散がバッチリとは合っていないと考えられるのです。

そのため、この患者さんは血虚がメインではなく、 気虚がメインではないかと思ったのです。

さらにこの方は身長が160cmぐらいあるのにも関わらず、体重は40kgの前半しかないのです。

これも気虚なのではないか?と考える要因のひとつでした。

そして基礎体温ですが、低温期の温度は高いのですが、その割に高温期が高くないのです。

このことからも、もっと合う漢方薬があるのではないかと思いました。

そこで不妊症のツボを使ってこの患者数に合う漢方薬をチェックしてみると・・・

やはり気虚の患者さんに用いる漢方薬あってる気がしました。

その漢方薬を定期的にチェックしながらトータル3か月服用していただいたところで妊娠されたのです。

ちょうど4ヶ月目のお薬をお願いします、ということで基礎体温が送られてきていて基礎体温を見た時、ちょっといつもと違う気がしたのでお電話で確認したところ、高温期に入って2週間以上経っているけれどもまだ生理が来てないということだったのです。
それなら妊娠チェッカーでチェックしてみたらという話をしたのですけれども、この患者さんが買っておられた妊娠チェッカーは生理予定日から一週間後でないと測定できないタイプのものだったのです。
あと2~3日すればこの排卵チェッカーが使えるので、排卵チェッカーでチェックした後、電話してくださいという話をしておいたのです。
そして、もし妊娠していなければお薬をお送りしますという話をしていました。

そして数日後にお電話かかってきて結果をお伺いすると陽性反応は出たということだったのです。

ご本人は 今回は単なるタイミング 療法を受けていただけだし漢方飲み始めてまだ3ヶ月経っていないくらいだったので まさか妊娠するとは思っていなかったみたいです。

でもこのブログによく書きますけれども妊娠する時はあれっという感じで妊娠するのです。

そして、大体において、私が妊娠すると思っていなかった人は妊娠するのです。

何はともあれ、遠方から来て頂いてお薬を飲まれていたので妊娠されて本当に良かったです。