不妊治療の患者さんが来られました。

この方、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が58mIU/mlで、去年の秋からほてりが出始め、頭から汗がじわじわ出てくる更年期障害の症状に悩まされていました。

この症状、去年、ひどいストレスがあってから出始めたそうなのです。

それと同時に、もともとは生理不順ではなかったのに生理不順になってしまったそうなのです。

そして現在、不妊治療の病院に通われているそうなのですが、排卵誘発剤を使っても卵がずっと育たずに漢方相談に来られたのです。

さらに話を伺うと、ピルなどを除くと、もう 3ヶ月以上生理が来ていないのです。

つまり無月経です。

この状態で自覚症状に火照りやのぼせがあって、FSHが58mIU/mlですから、これは思った以上に深刻な状態でした。

この様にFSHが高くなってきている状態を改善する漢方薬は何系統かあるのですけれども、 どれを飲んでも効くわけではないのです。

漢方薬というのは不思議なもので、合っている漢方薬でないと効かないものなのです。

また、漢方相談の際、生理の量も少なくなってきているということで、この話から考えると血虚の漢方薬が合っているのかもしれないとも考えました。(漢方で血虚を改善させる漢方薬とFSH(卵胞刺激ホルモン)を改善させる漢方薬は別のものです)

FSHを下げる漢方薬を用いるか?それとも血虚を改善させる漢方薬を用いるか色々悩みましたが、問診の結果や糸練功、自分の長年の経験なども合わせて最終的にFSH(卵胞刺激ホルモン)を下げるような漢方薬を用いることにしました。

そして、この方の症状の強さを考えると、とても粉薬(エキス剤)では対応できそうもないように思えたので、煎じ薬にしてもらうことにしました。

漢方薬を飲み始めて2週間で、顔から吹き出るような汗が減ってきたということで、漢方の効果を実感されたようです。

さらに、それから2ヶ月が過ぎた頃にはのぼせも顔の汗もほてりも消失していました。

そして、私の薬局で漢方治療を始めて2ヶ月後には、5ヶ月ぶりに卵が正常に育つところまで回復しました。

とりあえずは順調ですが、更年期障害の場合、かならず最終的には閉経を迎えるので、ずっと良い状態が続く訳ではないのです。

良い状態の間に妊娠してもらうことが大事なのです。

更年期障害のある不妊症の患者さんは時間との戦いなのです。

 

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