うちに通われている生理不順の患者さんの紹介で患者さんが来られました。

この方は妊娠希望で、病院には通われていないのですが、不妊治療を希望されてきました。

ただこの方には子宮筋腫があり、それ以外にも卵巣嚢腫があるのではと病院でいわれたそうです。

それ以外に冷え性もあり、基礎体温も低く、ひどい生理痛もあるし結構大変なのです。

この中でも問題なのは子宮筋腫だと思います。
子宮内に小さい子宮筋腫が6個から7個あるそうです。

そしてこの子宮筋腫が原因だと思うのですが月経過多なのだそうです。

そしてこの月経過多と子宮筋腫とも関連しているのかもしれませんが、重い生理痛があるのです。

さすがに冷え性と子宮筋腫が直接関連するということではないのですが・・・漢方的には関連します。

それはどういう風に関連するのか?それは冷え性になる原因と子宮筋腫になる原因が漢方的には一緒だからです。

もっと言えば卵巣嚢腫の原因と子宮筋腫の原因も重なっているかもしれません。

冷え性になる原因は東洋医学的にも様々ですが、子宮筋腫を作る原因と冷え性になる原因、卵巣嚢腫を作り出す共通の部分は瘀血なのです。

瘀血とは簡単にいえば血流障害です。

血流が悪くなると冷え性になるし、血流が悪くなると子宮筋腫になるのです。

でも子宮筋腫が原因で冷え性になることはないのです。

そのためこの不妊症の患者さんには血流を良くする漢方薬を出しました。

そうするとしばらくして冷え性は改善され、基礎体温の低温期も上がってきました。

そして生理痛がびっくりするほど軽くなったそうです。

子宮筋腫と生理痛イメージ

残念ながら卵巣嚢腫はすぐには改善しない種類のものなのですし、原因そのものがお血であったとしても、用いる漢方薬が別になることも多々あるのです。

また原因がそれ以外に併存する(原因が2つ以上ある)こともあります。

そのため卵巣嚢腫はとりあえず切り離して考えた方がいい場合もあります。

話がすこしそれましたが、これらの症状が同時に改善したのは結局これらの症状の原因が瘀血だったからです。

そのため直接は見ることはできないのですが、子宮筋腫にも効いているはずです。

ただ問題なのは子宮筋腫の場合、薬が合っていたとしても、かなりの量を必要とすることがあります。

この方のように、筋腫が複数個できている場合や、筋腫の成長スピードが異常に早い場合などです。

こういう場合はそのスピード、勢いを止めるため通常よりも薬の量を多めに使わないといけないことがあるのです。

これもケースバイケースでやりすぎると、貧血のような症状を出すこともあるので、注意が必要です。

でも基本的なスタンスとしてはこのまま継続してもらって半年くらいしてから子宮筋腫の状態を病院でチェックしてもらおうと思います。

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