子宮内膜症で生理痛がひどく不妊治療をしている患者さんが来られました。

この方、正確に言うと子宮内膜症でも子宮腺筋症と言って子宮内膜が子宮の筋層内にできる子宮内膜症でも最も生理痛の重い症状を発症している方なのです。

そのため、この方は治療を始めたころは生理でない時にも毎日生理痛様の痛みに悩まされていました。

そしてこの方は実は来られた当初から高齢不妊症でもあり、なおかつ早発閉経でもあり、非常にむずかしい状況でした。

とりあえずとでもいうのか、大きな病院で子宮内膜症の手術を受けたのですが、痛みに関してはそれほど改善しなかったようです。

うちの薬局でもあまりに問題点が多いため、正直、どこに的を絞るか悩んでいました。

大きくは早発閉経子宮内膜症の変形の子宮腺筋症でしたが、最初は早発閉経に関する治療を優先させていました。

それを優先的に治療していたのですが、卵が採卵できたのは数年で1回だけでした。

そのご少し休まれて再び不妊治療を再開したのですが、病院を変えてもやはり早発閉経は変わらずでした。

ただ漢方を継続することで子宮内膜症の痛みは徐々に減ってきていました。

そして何度も身体をチェックするうちに子宮内膜症と不妊症に共通の部分があることを見つけました。

そこでその共通部分に絞って漢方治療を行っているのですが、現在は子宮内膜症も生理前後の痛みが中心になり、痛み止めで痛みが治まる程度までになってきました。

子宮内膜症の漢方治療イメージ

そして久しぶりに卵胞の成長が確認されました。

残念ながら採卵までには至りませんでしたが・・・それでも子宮内膜症と不妊症の共通部分は確かにあるような手ごたえを感じています。

この方の場合、というか、多くの早発閉経の患者さんでも言えることなのだと思いますが、早発閉経といわれる状態でも年に1~2回程度は排卵している。

もしくは排卵できるようなポテンシャルを持っているのだと思います。

ここら辺のことに関してはIVFの難波クリニックとかでも盛んに言われているようですし、ほかの自然周期をメインにした不妊専門のクリニックでも言われてエイルと思います。

問題はそのごくたまに排卵する卵の成長する時期が非常にイレギュラーであるということだと思うのです。

その成長する卵をうまく見つけて採卵できるかどうかが不妊治療専門でやっているクリニックの腕の見せ所なのです。

そのため、自然周期をメインにしたクリニックでは、卵が育ちそうなときには頻回に通院する必要があるのです。

話はそれましたが、そこに合う漢方薬を見つけてあげると、その育つ頻度が年に1回から2回に増えたり、2回から3回に増えたりするのではないかと考えています。

どちらかだけが合っているのではなかなか妊娠までは至りません。

その部分から考えても、運の良しあしも妊娠に関係すると思います。

あとは年齢との勝負だと思います。早発閉経の患者さんが年を取れば、さらに高齢不妊の要素が強くなってきまます。

いろいろ大変です。