男性不妊で精子無力症の患者さんの奥さんが代理で来られました。この方のご主人病院での検査結果の結果精子無力症という診断で来られました。そして病院でそのための薬を出されて飲んでいるのですが、回を重ねるごとに精子の運動率が下がっていっているのです。そのため病院での治療が心配になって来局されたのです。最初の問診では疲れやすかったり、胃腸の状態が良くなかったり、汗もかきやすい、お酒も飲まれる。ストレスもある舌を見ると血流も悪いなどで様々な原因が考えられました。精子の量に関してもいいときと悪いときの差が結構あるため、これも男性不妊で使う漢方薬の中にこういう場合に向くものもあるためちょっと迷いました。ただ基本的には精子の量はそこそこはあるので、元気にする薬の系統ではない気がしました。また精索静脈瘤はないらしいのですが、舌の状態を見るとかなりひどいお血(血流が良くない)があったのでここら辺が臭い気がしました。通常であれば単純に血流を良くする薬を用いるのですが、この方の場合はストレスと胃腸が弱いということもあったため、その部分も加味して漢方薬をお出しすることにしました。それと同時に病院で出されているお薬をチェックいてみるとどうもこの方の場合には精巣にストレスになっている気がしました。(実際病院での精子の運動率も下がってきているため)そのためそのそのお薬はしばらく休んでもらうよう願いしました。そして何回かチェックしておそらく1ヶ月くらい服用されてからついこのあいだ人工授精をされたのです。その結果、精子の量はさほど変化はなかったのですが、精子の運動率は若干改善していました。特に精子の処理後の運動率は89%と過去最高になりました。今までは50%~70%くらいが多かったし、こんな短期間で結果ができるとは考えていなかったようで驚かれていました。まあ薬がばっちり合うと多分普通の方が思っている以上に漢方薬は効くことがあるのです。この方もそうだと思います。実際下の裏に静脈が浮き出ていたものがみるみる減ってきていたのです。それでも精子の運動率に直結するかは未知数だったので本当に良かったです。でもまだ処理前の数値はまだ低いのでもう少し続けて飲んでいただく必要があると思います。また機会があれば続きを書きます。