患者さんが来られました。
この方、以前、副鼻腔炎の治療をして、ある程度改善して、一旦漢方をお休みしていたのですが、今回はしゃっくりでご相談に来られたのです。
しゃっくりは毎日数回は必ずでるそうです。
このしゃっくりが授業中に出るのが特に恥ずかしいそうです。
そこで、この患者さんに合う漢方薬を探すことにしました。
しゃっくりを漢方的に考えると胃気逆(いきぎゃく)ということになると思います。
本来、胃から食べ物は小腸→大腸と移動し、最終的に排便されます。
このように食べ物がからだに入って来たとき、上(胃)から下(腸)の方向に食べ物と一緒に気も下りてくるのが普通の状態です。
この本来下がるべき気が、下がらず逆に上昇してしまうことでしゃっくりが生じると考えるのです。
また、ガラタの仕組みで考えると、しゃっくりは横隔膜の緊張によって生じると考えられます。
これらのことを考え合わせると、何らかのストレスが精神に影響してこのしゃっくりを引き起こしていると考えられるのです。
そのため、漢方的にストレスと関連するツボの反応をチェックしてみることにしました。
そうすると、漢方ではしゃっくりに良く用いられる漢方薬が合っている気がしました。
そこで、とりあえずこの漢方薬を3週間服用してもらうことにしました。
そして、3週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
まだ毎日しゃっくりは出ますが、1日に1回~2回に減ったそうです。
そこで再度、漢方薬が合っているかチェックしなおすと・・・基本的には合っているのですが、何か少し不足している気がしました。
そこで、この漢方薬に併用されることの多い漢方薬をチェックしてみることにしました。
そうすると、それほどメジャーではない漢方薬を併用した方がよりよい気がしました。
そのため、この漢方薬を追加して一緒に飲んでいただくことにしました。
そして、この2種類の漢方薬を服用していただいて、3週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
しゃっくりは出なくなったそうです。
漢方的にまだ体質改善できている状態ではないので急に漢方薬を止めることはできないですがとりあえず症状がおさまってよかったです。