ホームページを見て患者さんが来られました。

メインの症状は痒みと肌荒れで、それ以外に気分的な問題も結構あるとのことでした。

そこでまずは皮膚の状態を見せていただいたのですが、ぱっと見ただけでは正直わからないくらいの感じですが、よく見ると皮膚がまだらになっています。

このまだら部分がやたら痒いそうです。

東洋医学的にチェックしてみてもこの部分には見た目以上に強い反応がありました。

そこでこの原因を、さらに調べてみると、心因性の問題も絡んでいる気がしましたが、他にも何かある気もしていました。

しかし、この時にはわかりませんでした。

そのため、この時には気分を発散させるような漢方薬を出しました。

そしてそれを服用されて1週間後にご相談に来られたのですが、症状は変わらないとのことでした。

そこでまた、漢方薬を変更してまた1週間後に来ていただくことにしました。

そして、1週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・

減った部分はあるけれども新しく出てきた部分があるとのこと。

実際にチェックしてみると確かにその通りでした。

漢方治療イメージ

しかし、この漢方薬はベースは合ってる気がしたので、もう少し修正してベースととしては同じ漢方薬をお出ししました。

そして来られた際に様子をお伺いすると、狙っていた部分は改善しているように感じましたが、今度は想定外の場所に赤味が出ていました。

そこでやむなく、この漢方薬は中止し、一回漢方薬を止めて様子を見てみることにしました。

そこから合う漢方薬が見つけられず、漢方薬を出すことができないまま数週間が過ぎてしまいました。

その後も痒い状態が続きましたが、ただその場所はときおり移動するのです。

その移動の仕方が、メンタルが原因で痒みが出る方の感じに似ているのです。

そこでまた再度、前とは異なる気持ちの発散を助けるような漢方薬を出してみることにしました。

そして1週間後に来られた際に様子をお伺いすると、狙った場所の痒みは若干引いていましたが、その代わり別の部分が痒くなっているそうでした。

そこでまた、一旦漢方薬を止めて1週間後に来ていただくことにしました。

そして来られて、再度一から問診をし直しました。

そうすると、大事なポイントを見落としていることに気が付きました。

この方、この痒みが出始める少し前から乳酸菌飲料を飲むようになっていたのです。

この乳酸菌飲料は今流行っていて良く売れているものです。

この乳酸菌飲料を飲んで何か効能を実感されたか?お伺いすると実感されていないそうです。

乳酸菌系統は基本免疫に影響を与えます。

その影響が必ずしも良い影響とは限らないのです。

人によって異なるのです。

乳酸菌系のものがその人に合っているかどうかの一つの規準は、飲み始めてから体調が良くなるかどうかです。

この患者さんは何も変化が無かったということから、これが原因で皮膚の痒み(免疫異常)を起こしている可能性があるのです。

そこで、漢方薬も出さず、この乳酸菌飲料も飲まず2週間様子をみていただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・痒みが結構減ったそうです。

こういう事ってあるんですよ。

実は他にもこの乳酸菌飲料で皮膚が悪化した思われる方が数名おられるのです。

ただ、この患者さんの場合は問診で心因性の問題だと思い込んでしまった所に問題があったのだと思います。

まだまだ、完全に良くなったわけではないですが、とりあえず、一つ大きな問題はクリアーできたと思います。