ご紹介で患者さんが来られ得ました。

ご相談内容は二人目不妊です。

現在、お子様は4歳で約2年前から妊活を再開したそうですが、諸々の事情で一旦止められてたそうです。

そして、再び、不妊治療を再開するために、不妊専門病院で検査を受けたところ、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が低すぎる(残卵数が少ない)ため不妊治療はできないと断られたそうです。

その後、私の薬局を紹介した患者さんに紹介された、県外の不妊専門クリニックに通う予定で、それまでに身体の内側を少しでも良くしておきたいということで、ご相談に来られたのです。

そこで病院の検査結果を教えていただいたのですが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)は0.5未満でした。

そこ後、病院での治療も再開されてわかったことですが、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値もかなり高い値になっていたようです。
※FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵胞期でだいたい10mIU/ml以下が望ましく、20mIU/mlを超えてくると卵巣機能が衰えてきていると考えられます。そして30mIU/mlあたりを超えてくると病院によっては卵巣機能が低下しすぎているからという理由で不妊治療を断られるケースが出てきます。

この患者さんの場合はFSH(卵胞刺激ホルモン)の値は30mIU/ml~70mIU/mlの値を推移していました。

この患者さんの年齢が40代の中盤ということを考え合わせてもなかなか厳しい状況でした。

この状況で漢方の不妊治療を始めることになったのです。

漢方治療イメージ

ただ、もともと一人お子さんを出産されているわけですし、約2年前にも1度妊娠されているので、妊娠できるポテンシャルはあるので、うまく身体の状態が上がってくれば妊娠できる可能性はあるのではないか?と思いました。

そこで、漢方的な問診や東洋医学的チェックを行いました。

その結果、漢方的な体質としては気虚や血虚、腎虚、瘀血などが少しずつあるように思いました。

さらに東洋医学的なチェックを行った結果もほぼ同様の結果になりました。

また、妊活のためのサプリや漢方薬なども服用されていました。

それらを東洋医学的にチェックしてみると、これらはこの患者さんに合っていないような気がしました。

そのため、これらはとりあえず一旦お休みしてもらうようにお願いしました。

そして、この患者さんに合うと思われる漢方薬を探してみることにしました。

そうすると・・・血虚(女性ホルモンの不足or働きの不足)、気虚(エネルギー不足)、瘀血(血流障害)を改善させる漢方薬が合っているように感じました。

この漢方薬に腎虚(老化)の漢方薬を併用する必要があるように思いました。

そしてこの患者さんには煎じ薬でなければ治療は難しい気がしました。

そのことを患者さんにお話しして、納得いただいて煎じ薬を服用していただくようにしました。

それから大体2週間間隔でご相談に来られました。

漢方治療経過のイメージ

最初の1か月は病院に行っても卵胞は全く見えない状況でしたが、2か月目くらいに卵胞が見えて採卵することができました。

しかし残念ながら変性卵でした。

そして漢方薬服用3か月後には、採卵もできて、受精もできて、正常な初期胚となったので、凍結することができました。

しかし、次の月(4ヶ月後)は卵胞がなかなか育たず、次の月(5か月後)は卵胞が育って採卵したところ変性卵でした。

この患者さんの場合、漢方的な体質と年齢に伴う卵の老化、AMHの減少(残卵数がかなり少なくなってきている)も関係しているので、毎月採卵凍結するのは難しくなってきます。

それでも次の月(6か月後)は1個初期胚が凍結でき、今月(7か月後)も1個初期胚を凍結できました。

毎回こういう風に順調に身体が変化していくわけでは無いですが、少しずつですが身体の状態は良くなってきています。