紹介で患者さんが来られました。

症状は胸の締めつけ、動悸、めまいなどです。

この症状があまりにひどいため、今仕事をお休みしているとのことでした。

いつくらいからこの症状があったのかお伺いすると・・・

胸の締めつけはかなり前からあったそうですがひどくなったのが約2年前からだそうです。

ちょうど、その頃にめまいも動悸も発症したようです。

ただし、動悸と胸の締め付けは関連していて、めまいと動悸と胸の締め付けは症状の出るタイミングが異なることから異なる原因なのではないか?と思いました。

その頻度に関してはめまいも動悸と胸の締め付けも基本毎日あるそうなのですが、その頻度はめまいの方が多いそうです。

さらに症状に関して詳しくお伺いすると・・・

めまいは目の奥がぐるぐる、フワフワするそうです。

特に、人が多い所や、パソコンを使う、眼球を動かすとめまいが悪化するそうです。

ただし、病院の耳鼻科で診てもらったところ、メニエルではないと言われたそうです。

また、動悸と胸の締め付けに関して病院で詳しく検査してもらったところ、異形狭心症の疑いがあるということで、心臓のMRIと心臓のカテーテルの検査を行ったが特に異常は見られなかったそうです。

それ以外に、この方は睡眠時無呼吸症候群もあるとのことでした。

また、以前、紹介で一時通った整体院では過去にこの患者さんが手の手術したのが失敗で、それが影響していると言われたそうです。

それに関しては理論的に考えてもあり得ないと思いましたし、実際に東洋医学的にチェックしてみても何も関係ないですし、手術が失敗しているようにも思えませんでした。

そして、それ以外の漢方的な体質を知るための質問や東洋医学的にチェックしてみた最終的な結論としては、仕事による精神的ストレスやこの患者さんの心の持ちようによる自律神経の乱れなどが原因で起きているのではないか?という結論に至りました。

そこで、この患者さんの性格や現在の精神的なストレス状況などから、この患者さんに合うと思われる漢方薬を選んで服用していただくことにしました。

そして、少し遠方だったのですが、2週間間隔で来ていただくことになりました。

そして2週間後来られる予定だったのですが、突然ぎっくり腰になり、来られなくなりました。

漢方治療イメージ

そのため、イレギュラーでお電話で相談し、お薬をお送りしました。

その際、めまいは少し悪化しているけど、動悸は良くなっているという事でした。

つまり一長一短という感じです。この症状から言えることは、今出している漢方薬は完全には合っていないという事です。

そのため、次に来られた時に再度、身体の状態や体質的な問題に関連することなどを聞き直して、再度別の漢方薬をお出ししました。

また、それと同時にご自身でできる養生法のお話をして実践していただくようにお願いしました。

この患者さんはすぐにその養生法を実践されました。

それと前回お出しした漢方薬も合っていたようで、今回は胸の締めつけ、動悸、めまいも減ったということでした。

これ以降、ほぼ2週間間隔で相談に来られましたが、玉ねぎの皮を剥くように少しづつ少しづつ症状が改善していきました。

そして、当初から高かった血圧も下がってきて、高圧剤を服用しなくてもよくなり、めまいは消え、動悸は心配事がある時だけ、出てくることが分かったそうです。

そして、大きなトラブルもなく仕事に復帰できたということでした。

養生法イメージ

ただし、当初の胸の締めつけ、動悸、めまいなどの問題が改善してくると、睡眠時無呼吸症候群の症状と思われる症状(集中力の低下、と頭痛)が目立つようになりました。

そこで、睡眠時無呼吸症候群を漢方で治療できないか?とご相談を受けたのですが、何度身体の状態をチェックしても、この患者さんに合う漢方薬を見つけることはできませんでした。

そこに関しては、睡眠外来などで対応してもらうようお願いしました。

しかし、シーパップなどを使用しても、それを付けていることが気になって眠れないので、結局は外してしまうということでした。

それでも、漢方的に何度みても合う漢方薬が見つからないため、睡眠時無呼吸症候群に対する漢方薬は結局出しませんでした。

結局は最初のご相談内容だった胸の締めつけ、動悸、めまいに対する体質改善の漢方薬のみお出しし続けました。

そうすると・・・なぜか?シーパップも何もしていないのに、漢方薬を服用始めてから半年を過ぎたあたりから、睡眠時無呼吸症候群によると思われる症状が出なくなったのです。

そして、漢方薬を服用し始めてから9か月経過した頃には基本的に症状は出なくなりました。

ただし、仕事をハードにこなすと、今までとは違う不調を少し感じるようになってきました。

これに関して東洋医学的にチェックしてみると、病気というより、『これ以上働いたらまた身体を壊しちゃうよ!!』というご自身の身体からのメッセージだと感じました。そのため、このシグナルが出たら無理をしないようにするようにお伝えしました。

この患者さんはちゃんとそれを守られたため、それらの症状もさらに悪化するようなことはありませんでした。

そして漢方薬服用開始から約10ヶ月で症状は消失し、体質改善も11ヶ月で完了しました。

この方のように会社のストレスが原因で発症した場合、漢方治療を行っても、会社に勤めながらの場合、ずっとストレスにさらされる訳ですから、症状の改善にもっと時間がかかることが多いのですが、この患者さんは養生法など言われたことを、すぐに実践されたので、改善が速かったように思います。

それでも、少し遠方で通ってくるのは大変だったと思います。

良くなって本当に良かったです。

ホッとしました。