この患者さんは以前

コリン性蕁麻疹の患者さん、徐々にですが良くなっています

に書いた患者さんで、今回はその続きです。

簡単なあらすじを繰り返すと、病院でステロイドパルス療法という治療をやって一旦よくなったが再発したため、漢方相談に来られて、漢方治療を始めたのです。

その時は服用されて1か月くらいの段階で、最初に比べて徐々に良くなっています。というところで終わっていたのです。

ちなみにコリン性蕁麻疹というのは、普通の蕁麻疹とは異なり、運動や入浴などにより汗をかくと生じる蕁麻疹なのです。

この汗をかくこと(発汗)はアセチルコリンという副交感神経の由来の神経伝達物質が関わっており、これが蕁麻疹の発生に影響を与えていると考えられることからコリン性蕁麻疹という名前になったのです。

さて、このコリン性蕁麻疹は繰り返しになりますがアセチルコリンという副交感神経の由来の神経伝達物質が関わっているわけです。

そしてこの副交感神経というのは自律神経なのです。

そのため、この自律神経を調整することがコリン性蕁麻疹の治療につながるわけです。

この自律神経の調整をしているのが、漢方の五臓六腑のなかで肝(かん)なのです。

つまり、肝(かん)を調整する漢方薬を用いることがコリン性蕁麻疹の治療につながるのです。

ただ、実際にはこの漢方薬だけでは治療は上手くできないのです。

それ以外にもアレルギー症状の出方の強さや、他のアレルギーがあるかないかなどによってさらに別の漢方薬を併用しなければ、まず

治療は難しいのです。

漢方薬のイメージ

話を戻します。

この患者さん、そこからしばらくは同じ漢方薬の組み合わせで徐々に改善していったのですが、トータル3か月経過したあたりで症状の改善が止まってしまったのです。

そこで新たな漢方薬の組み合わせに変更しました。

そこから多少の修正は加えながら、同じ漢方薬の組み合わせで徐々に改善してい言ったのですが、また7か月経過した時点で、改善が頭打ちになってしまったのです。

そこで、また大きく漢方薬の組み合わせを変更しました。

ところが、この変更では思ったような改善が無かったため、1か月後には再度また漢方薬の変更を行いました。

ここからはまたしばらく同じ漢方薬を用いました。

そろそろ治るんじゃないか?というレベルに近づいていると私は思ってるのに、患者さん曰く身体に熱がこもる状況になると、ジンマシンが出てくると言われるのです。

やっぱり漢方薬の組み合わせが間違っているのか?と何度も何度もチェックしましたが、今回の漢方薬の組み合わせは合っていると感じるのです。

悩みながらも今回は同じ漢方薬で数か月続けましたが、どうしても2~3週間で数回は症状が出るのです。

何がいけないんだろう?と本当に悩みましたが、最終的には組み合わせている片方の漢方薬の量が足りないことにやっと気づきました。

そこで、その漢方薬を増量してから一気に症状が改善しました。そしてトータル1年5か月で漢方薬を一切服用しなくても、コリン性蕁麻疹が出なくなりました。

無事、卒業までもってこれて良かったです。

ホッとしました。