最近に限ったことではないですが、二人目不妊の患者さんは案外多いです。

ただ実際のところ、東洋医学的に不妊症の有無をチェックしてみても不妊症ではないと思える方が多いのです。

この間(数日前)も異なる時間帯に、新規で二人目不妊のご相談に二組のご家族方のがご相談に来られたのですが、その別々の二人目不妊の二組の方共に、私が東洋医学的にチェックしてみると漢方的な体質として不妊症の問題はありませんでした。

つまり、二人目不妊ではないのです。

でも定義上は確かに不妊症です。

どういうことか?というと、『健康な男女が性交渉を行って1年以上妊娠しない場合、不妊症である』というのが不妊症の定義だからです。

一人目のお子さんが生まれたあと、妊活を再開して1年妊娠しなければ不妊症という事になってしまうのです。

確かに定義上は不妊症なのですが、二人目不妊の患者さんの場合、一人目とは状況はかなり異なっていると私は思います。

例えばですが、一人目不妊の時にはお互いにまだ、年齢的にも二人目不妊と比べれば間違いなく若いわけです。

そのため、体力もお互いにあるので、性交渉の頻度も頑張れば上げることができます。

また、ご主人も二人目不妊くらいの時期が丁度仕事でも重要な仕事を任される年齢に達している頃で、仕事が忙しくなっており、平日にそんなにしょっちゅうタイミングをとることが難しくなっているのです。

奥様に関してもお子さんの育児をこなしながら、タイミングの時間を捻出するのはなかなか大変です。お子さんを寝かしつける時につい一緒に寝てしまうこともあると思いますし、お子さんが寝てからでないとタイミングがとれないので、なかなか時間もとれないと思います。

そして、二人目不妊の妊活を始める頃には夫婦として、かなり時間が経過しているので、性交渉をする際の『新鮮さ』が失われている分どうしても妊活の努力はするけれど性交渉は後回しになっているというお話をお伺いすることもあります。

つまり、上記のような様々な理由から二人目不妊の患者さんは間違いなく性交渉の回数が少ないのです。

これは単純に確率論です。

性交渉頑張るイメージ

宝くじを買う場合10枚買う人より100枚買う人の方が当たる確率が上がるように、性交渉が1か月に1回の方よりも3回、4回されているご夫婦の方が妊娠されやすいのです。

この回数が絶対的に二人目不妊の患者さんは少ないのです。

漢方治療を始める前に、まずはこの部分を改善させることが重要だと私は思います。

私が二人目患者さんを数多くみてきて、本当に二人目不妊かそうでないか?にはある程度の傾向があると思います。

まず、一人目不妊で自然(タイミング)で妊娠された方は二人目不妊である確率は低いです。

一人目不妊で自然(タイミング)で妊娠された方で二人目不妊がある方は主に2系統の原因に限られると私は思います。

一つは一人目を出産されてまだ時間があまり経過しておらず、お子さんを母乳で育てていたため、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)の値が高い、高プロラクチン血症となっていて、それが不妊症の原因となっている。

2つめは二人目不妊を開始した年齢が40歳を超えて来ていて、年齢による卵巣機能の低下が出てきている場合。

これらの条件を満たす方はまず、病院で再度不妊検査を受けてみることをお勧めします。

二人目不妊で漢方的にみてもやはり不妊症があると思われるケースは以下のような場合です。

一人目不妊で手こずって体外受精まで進んで何とか、妊娠出産された場合。

このような場合は漢方的にみても不妊症がある事が多いです。そしてさらにこのような方が二人目不妊の妊活を再開した年齢が40歳を超えてきている場合はさらに確率は上がると思います。

このような場合でも一度病院で再度検査を受けてみた方がよいとは思います。

でも、二人目不妊でまず大事なのは漢方薬を飲むこと、食事などに気を付けるより、性交渉の頻度を上げることだと私は思います。

二人目不妊の皆様大変だとは思いますが、時間を作って頑張ってみてください。