患者さんの紹介で少し遠方から患者さんが来られました。
症状は頭痛です。
どんな痛みかというとズキズキ痛むのだそうです。
そして、数か月に1回くらい頭痛が酷いと吐き気が出るそうです。
そして痛みの部位は、こめかみと側頭部の広い領域(バンダナやハチマキを巻く部分)、後頭部と比較的広い領域に出るみたいです。
ただ、これらの部位に頭痛が同時に出るわけではなく、痛みの部位は日によって移動するそうです。
そして、どういう時に痛みが出やすいのかお伺いすると、雨が降る前の日に痛みが出ることが多いそうですが、必ず雨の前の日に決まって出るというほど決まってはいないそうです。
あとはPMS月経前に左のこめかみの部分に出ることが多いのだそうです。
ただ、この患者さんの頭痛の頻度を確認したところ、1か月の半分以上頭痛になるそうなので、天気と生理前の話だけでは、これだけ頭痛が頻発する理由としては不十分で他にも何らかの原因があるだろうとは思われました。
そして、これらの頭痛ですが痛み止めで効くときと効かない時があるそうです。
そのため病院で調べてもらったそうですが、どうも片頭痛ではないということでした。
これらの話から大体の推測はついていたのですが、そこからさらに東洋医学的な問診と東洋医学的なチェック方法を用いてこの患者さんの東洋医学的な原因なども併せて総合的に判断しました。
その結果、一番可能性が高いのは更年期が絡んでいるのではないか?ということでした。
この方の現在の年齢が丁度日本人女性の閉経の平均年齢くらいなのです。
もともと頭痛持ちではあったそうですが、そこまで酷くは無く、ものすごく頭痛が酷くなったのはここ4~5年前からでこれは更年期の時期(更年期とは閉経の前後5年、計10年くらいを指すのです)と一致するのです。
そうするとこの頭痛は女性ホルモンと何らかの関係がある可能性が高いのですが、東洋医学的に女性ホルモンの反応の出るポイントに反応が出ているので、やはり可能性が高いように感じられるのです。
そこで頭痛に用いる漢方薬ではなく、更年期障害に用いる漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われるものを探してお出ししてみることにしました。
そして大体2週間間隔でお薬をお出ししました。
服用を始めて2週間で微妙には痛みも軽減し、頻度も微妙に良くなりました。
そして2週間ごとに玉ねぎの皮を剥くように頭痛の頻度と度合いは改善していきました。
そして服用から2ヵ月後には大きく漢方薬を変更することは無さそうということが分かったので、そこからは1ヵ月間隔でのご相談になりました。
それからも頭痛は徐々に徐々に良くなっていきましたが、1ヵ月間全く出ないというところまではなかなかいきませんでした。
それからさらに1ヵ月、2ヵ月と続き、症状がかなり落ち着くのにトータルで6か月程度かかりました。
ここから体質改善の治療になり、さらに5が月で治療を終了することが出来ました。
もともと頭痛持ちなので軽度の頭痛は残っていますが、4~5年前から起きていた激しい頭痛は出なくなりました。
トータルとしては11か月かかりましたが、4~5年悩んでいた症状が1年かからず良くなったので良いのではないか?と思います。
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