高額な費用がかかり、多くのご夫婦やカップルにとって負担となっていた不妊治療が、2022年4月から保険適用となり、治療へのハードルがぐっと下がりました。
しかし、保険適用には複数の条件があり、適用範囲や治療方法もある程度制限されています。
では、どのような条件や制限があるのでしょうか。今回は不妊治療の保険適用について詳しくご紹介いたします。
不妊治療の保険適用となる治療法は?
不妊治療の保険適用となる治療法は以下の3つです。この3つ以外の治療法は「自由診療」となり、病院やクリニックによって治療費が異なりますのでご注意下さい。
人工授精
女性の排卵の時期に合わせて、パートナーの精子を子宮内に注入する方法を人工授精と呼びます。
自然妊娠の場合、精液が入るのは子宮の手前となる膣ですが、人工授精の場合は精子を直接子宮内へ注入することにより、精子と卵子が出会う確率が高まります。
精子を子宮に注入した後、妊娠するまでの流れは、自然妊娠と同じとなります。そのため、人工授精は自然妊娠に近い治療方法といえるでしょう。
体外受精
体外受精は、体外に取り出した卵子とパートナーの精子を受精させ、受精した卵子(受精卵)を直接子宮に移植して着床を促します。
体外受精は、人工授精で妊娠しなかった際の次のステップ、あるいは卵管性不妊、男性不妊、原因が不明であるものの不妊に悩む方が適応対象となります。
顕微授精
正常と思われる精子を1匹だけ捕まえ、針で直接卵子へ注入する方法を顕微授精と呼びます。
上記でもご紹介したように、一般的な体外受精は、取り出した卵子に精子をかけることで受精卵を得る方法ですが、顕微授精では正常かつ運動が良好である精子を捕まえて卵子へ注入します。
ただし、運動が良好である精子だからといって精子の染色体に異常が無いとは言い切れないですし、卵子側に問題がある場合もあります。そのため、顕微授精を行えば、必ず受精卵ができるとは限らないことは知っておいていただきたいと思います。
保険適用となる年齢・適用回数は?
不妊治療の対象となる年齢は上限が設定されています。具体的には「治療開始の時点で女性が43歳未満であること」です。
また、保険が適用される回数も決まっています。女性が40歳未満の場合は子ども1人に対して最大6回まで、40~43歳未満の場合は、最大3回までとなっています。
年齢によって回数制限があるのは、女性の年齢が上がるにつれて体外受精の成功率が下がること、さらには43歳を過ぎると体外受精で出産に至る割合が5%以下になることがデータでわかっているため、年齢に応じて制限を設けています。
不妊治療をして子どもを持ちたいと考えている場合は、早めの婦人科や不妊治療専門クリニック等の受診をお勧めいたします。
保険適用後、費用はどの程度軽減される?
ここまで、保険適用となった治療法や年齢・回数制限についてご紹介してきました。実際に支払う金額の具体例や、高額療養費制度・民間の医療保険の適用等、複数の補助を受けることにより、負担はさらに軽減されるでしょう。ここからは、費用面がどの程度軽減されるのかをご紹介いたします。
実際に支払う金額の具体例
保険適用となる前、治療費は病院ごとに自由に決められているため、統一されていませんでした。保険適用となった2022年4月からは、他の病気の治療と同じく治療に合わせて保険点数が加算され、治療費が決められるようになるため、病院によって大きく異なるということは少なくなると想定されます。
厚生労働省によると、人工授精と体外受精の治療を行った際の1回の平均費用は、人工授精で3万円前後、体外受精で50万前後となっています。
この平均費用を元にした場合、保険適用になると3割負担となり、以下のような金額になります。
保険適用前:1回につき3万166円
保険適用後:1回につき9050円
保険適用前:1回につき50万1284円
保険適用後:1回につき15万385円
不妊治療は、1回の検査で結果が出るとは限らず、5年以上の長期に及ぶケースも多くあります。
保険が適用されても、不妊治療にはある程度の費用がかかります。収入や支出といった家計の状況を確認しながら、どの程度の金額まで治療を続けるのか、しっかりとしたプランを立てることが大切です。
高額療養費制度の利用が可能となる
保険適用となっても治療費が高額になる場合には「高額療養費制度」の利用が可能です。
高額療養費制度とは、1ヶ月あたりに定められた上限額よりも、病院や薬局に支払った医療費が上回った場合に、上限額を超えた分の医療費が返金される制度です。
上限額は保険加入者の所得金額に応じて決められるため、体外受精であれば妻側の所得金額で決まります。詳細については、以下のサイトもご覧下さい。
厚生労働省・高額療養費制度を利用される皆様へ
民間の医療保険が適用される
不妊治療の保険適用により「人工授精」「体外受精(採卵手・胚移植)」は手術に分類されるため、民間の医療保険で手術給付金が付属している保険を契約している場合にはその対象になります。また、民間の医療保険には「先進医療特約」がついているものもありますので、自由診療となっている先進医療も適用される可能性があります。一度ご自身の保険を確認してみましょう。
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