受精卵とグレードについて

体外受精ではまず採卵を行い、そのあと精子を泳がせて受精させて、その受精させた卵を培養します。そしてその後4分割or8分割までして凍結したり、新生胚を戻す場合と、さらに受精卵を分割させ胚盤胞まで持っていって凍結したり、そのまま戻したりする方法があります。その受精卵の妊娠しやすさの一つの目安がグレードです。でもグレードが良いものなら必ず妊娠するということではなく、優先的に卵をかえしてゆく一つの目安だということを理解しておいてください。

初期胚(4分割or8分割のグレード)のグレードの基本的な考え方

初期胚の場合、グレードの数値とその良し悪しの目安ですが、数字が少ないもののほうがグレードが高いです。具体的にいえばグレード4よりグレード2の方が受精卵の質が良いと考えるのです。この受精卵の良しあしの基準となっているのはフラグメンテーション(細胞の断片、破片)の有無とその量です。フラグメンテーション(細胞の断片、破片)がないものがグレード(質)としてはよいものと考えます。そしてもしフラグメンテーション(細胞の断片、破片)がある場合はその量が少ない方がグレード(質)としては良いのです。つまり数字が少なくなるのです。それ以外には割球の均一さも関係しています。

初期胚(4分割or8分割のグレード)のグレードの具体例

グレード1:それぞれの割球の大きさがその分割なりに均一でフラグメンテーション(細胞の断片、破片)がないもの
グレード2:それぞれの割球の大きさは均一になっているのにフラグメンテーション(細胞の断片、破片)は少しある場合
グレード3:それぞれの割球の大きさは均一ではないけれども、フラグメンテーション(細胞の断片、破片)がないもの
グレード4:フラグメンテーション(細胞の断片、破片)が非常に多い場合、それぞれの割球に関しては均一である場合とそうでない場合がある
グレード5:フラグメンテーション(細胞の断片、破片)が非常に多い上に割球がほとんど認められない

初期胚のグレードと移植

通常はグレードの良いものから移植してゆきます。ただし実際には必ずしもグレードの良いもので妊娠するわけではありません。あくまで目安です。グレード5のような初期胚は単独で返すケースは少なく、2段階移植の最初の移植に用いられたり、2個同時に返す場合にグレードの良いものと合わせて返すようなことが多いです。