ここでは流産後、基礎体温がガタガタになった時に注意すべき5の原因と対策について書いています。
他の多くのサイトでは流産後の基礎体温の形に関しては重要視せず、不安定という一括りの捉え方ををしていますが、それはもっと細分化して捉えるべきです。
何故なら流産後の基礎体温がガタガタの場合と低いまま上がらない場合、高いまま下がらない場合ではその状態が生じている原因も対策もそれぞれ異なってくるのからです。
そのため、ここでは流産後基礎体温がガタガタになったときの注意すべき原因と対策に絞って書いています。
それ以外に関しては以下の2つを参照してください。
流産後、基礎体温が高いままで下がらない方の重要な3つの原因と対策について
流産後、基礎体温が低いまま上がらない時に考えるべき5つの事とその対策とは?
流産後、基礎体温がガタガタになると何が問題なのか?
それは基礎体温がガタガタになっているという事は、身体の内側の状態が元に戻っていないという事です。
流産後、基礎体温がガタガタになった時に注意すべき5つの原因と対策
ホルモンバランスの乱れ
妊娠するということは 多くの女性が経験されるように 食べ物の好みが全く180度変わるぐらい劇的な変化なのです。
そして自然なことですが、妊娠によって今まで来ていた生理が全く来なくなるわけです。
そのような大きな変化からさらに流産という大きな変化が起きてしまうわけです。
身体はそのような変化に必死に対応しようとしているわけです。
このような大きな変化には女性ホルモンのバランスの変化も伴っているわけです。
ホルモンの分泌の調整と自律神経の調整をしているところは一緒なので女性ホルモンの乱れは、自律神経の乱れにつながりやすいのです。
そのため、流産後二週間ですぐに 排卵して高温期が来る方の方がむしろ少ないですし、基礎体温も自律神経の乱れからギザギザになりやすいのです。
このような状態の場合は病院ではピルやホルモン剤などを用いて人工的に生理を起こさせるやり方が一般的だと思います。
これで基礎体温の状態が元に戻るケースがほとんどなど思いますが、中には元に戻らないケースもあります。
そのような場合には漢方薬による治療も可能です。
ストレス
夫婦喧嘩などもストレスを起こす原因の一つですけれども、夫婦喧嘩などがなくても流産したこと自体が妊娠されていた女性にとっては推し量ることができないくらい強いストレスとなっています。
それが極端にひどくなってしまった場合、精神症状に出るとうつ病のような病気になることもありますし、それが身体症状に出ると無月経や無排卵になる方もおられます。
基礎体温がギザギザしている場合というのは自律神経が乱れている証拠ですが、この状態は排卵している場合もありますし、排卵していない場合もあります。
そのため、一概に言うことはできないのですが、少なくとも妊娠しやすい状態ではないです。
そしてむずかしいのは、このストレスの原因そのものは過去の事実なので、無くすることはできないのです。
そのため、時間が過ぎて心が落ち着いてくるのを待つという方が多いのではないでしょうか?
心療内科で向精神薬を服用するという選択肢も無くはないですが、それは次に妊娠されたときに、向精神薬を服用していて大丈夫だろうか?という新たなストレスを生み出す結果になりますし、実際に胎児への影響を考えてもおすすめはできません。
このような原因の場合には妊娠時に服用していても何の心配もない、急に止めても中毒症状も出ない漢方薬は安心・安全です。
そのため、選択肢として考えていただいても良いと思います。
高プロラクチン血症
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)とはその名の通り、お乳を出すためのホルモンであり、出産して断乳するまで高い状態を維持します。
このホルモンの分泌が高い間というのは通常、排卵は来ないようになっています
つまりお乳をあげてる間はその赤ん坊の方に専念するために次の妊娠を控えるためだと思われます。
そして断乳し終わった後、プロラクチンの値が下がってくると生理が再開するわけです。
けれども、このプロラクチンの分泌があまり減っていないと、排卵がスムーズに起こらないため、基礎体温がガタガタになることがあるのです。
通常、流産した場合というのは このプロラクチンの値も下がってくるはずなのですけれども人によっては何らかの原因で下がらずに高い値を維持してしまうことがあるのです。
そのような場合には、高プロラクチン血症という状態になり、ひどければ、全く排卵が起こらない排卵障害になります。
軽度の場合であれば、排卵は起こるけれども、ガタガタの基礎体温となったり、排卵から高温期への移行がスムーズでなくダラダラと体温が上がっていくような基礎体温になってしまうことがあります。
このような高プロラクチン血症は病院の血液検査でホルモンの数値をする調べることができます。
そのため数ヶ月このような状態が続くようであれば病院で一度受診してみることをお勧めします。
実際に測定してみて正常値であっても潜在性高プロラクチン血症の状態がある場合もあるので負荷試験までやらなければはっきりとわかりません。
もし高プロラクチン血症であった場合は病院で出される高プロラクチン血症用の薬を服用することによっても症状を改善させることはできます。
ただし、カバサールに代表されるように高プロラクチン血症の薬というのは、副作用に吐き気などの症状が出ることが多いため、服用を躊躇する方も多くおられます。
そのような場合には吐き気などの副作用のない漢方薬による治療も可能ですのでご相談いただければと思います。
生活リズムの乱れ
流産をきっかけに体調を崩される方は多くおられます。
身体のだるさや食欲不振などその方によってその症状は様々です。
その中でも基礎体温にもっとも影響を与えるのは起きる時間と寝る時間です。
体調不良で昼寝の時間が増えると、夜寝る時間が遅くなったりします。
またいつもの時間よりも遅く起きてしまったります。
遅く寝た場合は人によって基礎体温の動きは異なりますが、遅く起きた時には間違いなく基礎体温は上がります。
そのため、寝る時間と起きる時間がバラバラになると自然と基礎体温もガタガタになってしまうのです。
そのため、まず生活上注意すべきは起きる時間をまず一定にすることです。
とにかく無理やりにでも起きるようにすると、徐々に夜眠くなってくることが多いのです。
睡眠薬で睡眠を一定にする方法もありますが、妊娠した時のことを考えると、できるだけご自身の力で一定にしていくように心がけるほうが良いと思います。
しかし、どうしてもうまく眠りをコントロールできない場合は漢方薬による治療も選択肢の一つだと思います。
夫婦げんか
流産をきっかけに夫婦仲が悪くなってしまう方がおられます。
ここはデリケートな問題なので、これに対する対策というのは無いのですが、
大事なことは口げんかでも、間違いなく基礎体温は影響を受けるということです。
口げんか⇒興奮⇒自律神経の交感神経優位⇒基礎体温上昇
こういう流れが一般的ですが、中には落ち込んでしまって副交感神経優位になってしまう方もおられます。
そうすると、基礎体温はガタガタになってしまいます。
対策というものは無いですが、基礎体温の乱れが夫婦げんかで起きているということを知っておくだけでも、
基礎体温が乱れたことに関する新たな不安が解消されますから、大事なことだと思います。
まとめ
流産後、基礎体温がガタガタになった時に注意すべき5つの原因と対策について書いてきました。
基礎体温をガタガタにする原因の大きな問題は自律神経の乱れと高プロラクチン血症が主なものなのです。
ただし、一口に自律神経の乱れとっても、その原因は様々ですし、それに対する対策もそれぞれ異なります。
この中にはご自身やご夫婦で乗り越えなければならないことも多く含まれますし、時間が解決してくれることもあります。
その中に一部、漢方薬が助けになることがあります。
そのような場合にはご相談いただければと思います。