流産後、基礎体温が低いまま上がらず高温期にならない時に考えるべき5つの原因とその対策について解説しています。

流産後の基礎体温は大きく分けると3種類あり、①低いまま上がらない場合、②高いまま下がらない場合、③ガタガタが続く場合の3つです。

しかし、流産後の基礎体温に関して、このように3つに分類せず単に基礎体温が不安定なものと考えられている専門家の方もおられるようですが、これら3つはそれぞれ原因と対策が異なります。

そのため、これらの3つは細分化して認識するべきです。

この記事では①流産後基礎体温が低いまま上がらない原因と対策について解説しています。

②高いまま下がらない場合、③ガタガタが続く場合は以下の記事をご覧ください。

流産後、基礎体温がガタガタになった時に注意すべき5つの原因と対策

流産後、基礎体温が高いままで下がらない方の重要な3つの原因と対策について

この内容は私が漢方薬局で不妊治療を行っていて、過去に経験したことに基づいて書いていますので、ぜひご一読いただき参考にしていただければと思います。

流産後、基礎体温が低いままであることが問題な理由

それは次の妊娠を望んでもすぐにできるように身体が準備できていないということだからです。

多くの場合は問題ないケースが多いのですが、中には注意すべき問題が隠れていることもあります。

そのため、場合いよっては再検査や対策が必要になります。

流産後、基礎体温が低いまま上がらない時に考えるべき5つの原因と治療法

 

原因1:妊娠がきっかけで高プロラクチン血症になっている

高プロラクチン血症になると生理が来なくなるので基礎体温が低いままになります。

プロラクチンとは乳汁分泌ホルモンのことです。

この名前の通り、出産後に赤ちゃんにお乳を与えるためには必要なホルモンです。

このプロラクチンというホルモン、実際には出産後から分泌が増えるわけではないのです。

このホルモンは妊娠がきっかけで分泌が増える(高プロラクチンになる)のです。

でも妊娠中はお乳は出ませんよね。

それはこのプロラクチンの働きを妊娠中はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が抑えているからです。

そのため、もともと高プロラクチン血症が無くても、妊娠がきっかけとなって誰でもプロラクチンの値は上昇します。

そして流産したことでエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の値は下がります。

通常あれば、流産と同時にプロラクチンの分泌も減る(下がる)はずなのですが、何らかの原因でプロラクチンの値が下がらなくなると高プロラクチン血症となってしまうのです

そして妊娠~授乳中の高レベルの高プロラクチン血症の状態が続くと卵胞の発育を抑制し、排卵も止めてしまうわけです

これが妊娠中~授乳中であれば自然な現象なのですが、流産後にまでこの状態が続いていると、無月経、排卵障害の原因となってしまうのです。

この値は病院のホルモン検査で調べることができます。

そのため、2か月以上基礎体温が低いまま上がらない状況が続くようであれば、病院で一度検査してみることも一つだと思います。

もし通常のホルモン検査で問題が出ない場合でも潜在性高プロラクチン血症のことがあります

こういう場合は負荷テストを行わないとはっきりとはわからないことがあるので注意が必要です。

もし、高プロラクチン血症の場合は病院でカバサールなどのプロラクチンを下げるようなお薬の服用も可能ですし、これらの薬によくみられる吐き気などの症状が嫌な場合は漢方薬でも高プロラクチン血症の治療は可能ですので

ご相談いただければと思います。

 

原因2:ホルモン補充療法の影響で卵巣機能が弱っている

妊娠されたのがホルモン補充療法による体外受精などであった場合の話です

ホルモン補充療法は卵巣の働きが若く正常な場合、多く採卵する方法として多くの不妊治療の病院でメインのやり方となっているところが多い、最もオーソドックスなやり方です。

昔はこのより方で、残っている卵胞を一気に発育させるため、残卵数が通常より早く減ると言われることもありましたが、これは誤りであるとわかっています。

しかし、卵巣機能が著しく低下している不妊症患者さんの場合、ホルモン補充療法で大量に女性ホルモンを投与すると、卵巣の線維化が生じて徐々に卵巣の働きが悪くなってしまうこともあるのです。

その治療の結果、卵巣機能そのものが低下したことが流産後の卵胞の発育に影響を与えることがあるのです。

このような場合、西洋医学的にはホルモン補充療法のような高刺激なやり方から、自然周期による不妊治療のような低刺激法に治療法を変えてみるのも一つの方法です。

ただし、これをするにしても、この卵巣機能の低下は病院でのホルモン検査でハッキリとわかります。

そのため、これも病院で一度検査を受けてみることをお勧めします。

 

原因3:もともとの生理不順が影響している

もともと生理不順があった人は、ちょっとしたことがきっかけで生理不順になってしまいます

特に妊娠という身体のホルモンバランスが大きく変化することを経験し、そのことだけでもかなり身体には適応に苦労します。

そのあとにさらに流産をするわけですから、大きな身体の変化を短い期間の間に経験するわけです。

この急激な変化に体が対応しきれないということです。

 

原因4:精神的ストレス

ストレスが原因で生理不順になる方は多くおられます

流産は、周囲の人や家族、ご夫婦の間の関係性にも大きな影響を与えます。

これはそれぞれの方との関係性によって変わってきますが、少なからず関係がギクシャクしがちです。

そして何より、流産されたご本人様の精神的ストレスは、誰にも推し量ることのできないくらい大変なものがあります。

このようにストレスが基礎体温が低いままの原因である場合には病院の向精神薬などよりは漢方薬の方が向いています

なぜなら向精神薬の場合、再び妊娠した時にそれ自身が、服用していて妊娠したけど大丈夫だろうか?という新たなストレスの原因になってしまいます

しかし、漢方薬の場合はゆっくりとしか効かないことが多いですが、妊娠しても、それ自身が流産や奇形などの発生する原因にはなりません。

そのため、安心して服用できるわけです。

 

 

まだ通常の身体の状態へも戻っていない

妊娠も流産も通常の身体の状態と違うため、生理周期を含めすぐに元に戻らない方の方が多いです

流産をされた方の中には、どうしても気持ちが焦ってしまって少しでも早く次の妊娠を望む想いが強くなっています。

そのこともあるのだと思いますが、流産後2週間(通常であれば生理後2週間後)で排卵の兆候がない(高温期にならない)ことに対してものすごく不安や焦りを感じる方が多いです。

しかし、妊娠、そして流産というは女性であってもめったにおこらないことです。

そのため、その状態を元に戻すにはそれなりの時間が必要になるのです。

また、妊娠されていた期間が長ければ長いほど元に戻るのには時間がかかりやすいです。

一般的に流産後の生理の再開は3週間~6週間が多いのです。

そのため、流産後6週間くらいまでは様子を見てよいです。

 

まとめ

流産後、基礎体温が低いまま上がらず高温期にならない時に考えるべき5つの原因と対策について解説しました

基本的には流産後6週間くらいまでは様子を見ても良いと思いますが、それ以上になるようであれば、一度産婦人科などに受診して、血液検査(ホルモン検査)などを受けてみられることをおすすめします。

病院の検査ではっきりとした原因もわからず、基礎体温の低い状態が続く様であれば、ストレスなどの可能性が高いと思います。

そのような場合には漢方薬も一つの選択肢になります。

漢方薬は向精神薬のように妊娠時に服用していたことで不安を感じることのない安心・安全な治療法です。

不妊治療を得意とする広島の漢方薬局ハーブスへぜひご相談いただければと思います。
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