不妊症の患者さんが来られました。この方もともとは甲状腺機能亢進症だったのですが、手術したら甲状腺機能低下症になってしまったのです。そのためわざわざ東広島市から広島市の甲状腺の病院に通っておられるのです。そして妊娠希望ということで最近不妊治療専門の病院に通い始めたのです。まだ通い始めて間もないのですが、年齢的なこともあって体外受精をすることになったのです。
そこでこの不妊専門の病院で治療が始まったのですが、今回、卵が成長しすぎて排卵しなくて、体外受精ができなくなってしまったのです。
不妊治療の病院の先生もなんか変だなあ~と言っておられたそうです。ただこの卵が大きくなりすぎて排卵しないことは特別稀なことではありません。むしろ良く見かけることです。ただ、気になっていたのは甲状腺機能低下症に用いるチラージンの量が通常用いる量よりも多いことでした。
そこで薬の量をチェックしてみることにしたのですが、現在飲んでいる量はやはり現在の甲状腺機能低下症の状態にしてはちょっと多すぎる感じだったのです。実際甲状腺の病院でも多いとは言われていたのですが、妊娠希望の場合、少し多い方が良いという判断だったのです。このチラージンの量で卵巣への影響をチェックすると・・・卵巣に影響が出ている気がします。やはり飲みすぎなのではないか?と思うのです。この状態に対して不妊治療の病院では、今までの治療ではうまくいきそうもないので、週に1回は注射をするように言われたみたいです。元の原因は些細なことだったのにもかかわらず、それがきっかけで治療がどんどん複雑になっていく・・・う~ん・・・こういうのってほんと難しい問題です。