早発閉経の皆さんの中には1度は使おうか迷ったことがある、若しくは使ったことがある、若しくは現在使っている、という方もおられるかもしれませんが最近ネットの広告でよく目にするようになった、不妊サプリにミトコンドリア製剤というものがあります。
これが実際のところどうなんだろうとみんな思っていると思います。
実際うちの漢方薬局にもそれを飲まれていて相談に来られる方や、現在漢方相談されている中でミトコンドリアの製剤ってどうなんだろうと言う事で質問される方も結構おられます。
不妊サプリ「ミトコンドリア製剤」について
このミトコンドリア製剤に関して私は思うところもありますけれども効能効果と言う視点とはちょっと別の視点からこのミトコンドリア製剤について 書いてみたいと思います。
まず、早発閉経の方と言うのは 普通の不妊症の患者さんよりも妊娠するのが難しいケースが多いです。
ということは通常の不妊の 患者さんに効果がなければ早発閉経の患者さんにはより効果がない可能性が高いと言う風に考えられます。
でも巷でいろんなところで目に触れると なんとなく気になって刷り込まれていき、現在行なっている治療がうまくいかなくなった時などには使ってみようかな?と思うのが普通だと思います。
統計学的な視点から見るミトコンドリア製剤について
そこで今回は統計学的な視点から、このミトコンドリア製剤について考えてみたいと思います。統計学といってもそんなに難しくはありませんので、もう少し付き合ってくださいね!!
このミトコンドリア製剤の有名な商品名を検索エンジンに入力し、なおかつ スペースを空けて”販売数”と言う キーワードをそのあとに入力して検索をしてみてください。
つまり”ミトコンドリア製剤の商品名 販売数”というようにご検索をしてみてください。
そうすると広告サイトのトップの方に商品名とあとはその商品の説明的な部分が出てくると思います。
そこには 発売2年お喜び報告400件以上の実績、毎年10万セットのご愛飲などと書かれていたりします。
これを統計的な考え方で改めて冷静に考えてみるとどういうことになるか?ということです。
まず、この文章の中で、発売2年でお喜び報告400件以上と言うことは1年あたり200件(人)妊娠していると言うことになります。
そして毎年10万セット売れていると言う事ですけれども、これがもし仮に1年間で1人が10個購入したと仮定します。そうすると1年間で1万人の方が利用されているということになります。
そうすると1万人利用して200人妊娠していると言うデータになるわけです。
そうすると妊娠率はどういう数字になるでしょう?パーセントの出し方は200人割る10000人かける100 (%)です。
これで妊娠率が出てくると思います。妊娠率は2%です。
西洋医学の統計でみると データの出典にもよりますけれども人工授精の妊娠率が全国平均で約13% 、体外受精の妊娠率が全国平均で28% なわけす。
まとめ
つまりこのサプリは100人飲んで2名しか妊娠していないということになるのです。早発閉経となるとさらに数値は厳しくなると思います。
もちろん、うちの漢方薬局で体験談を書いてくれるのは全体の1/3くらいの方です。
そのため、この体験談も幾分少ない可能性はあります。それでも妊娠率はどう考えても10%以下です。
早発閉経となると確率はさらに厳しくなると思います。
このサプリを否定するわけではないですが、夢のようなものでは少なくともないということです。
それを知って購入されるのは個人の自由です。
ちなみにうちの漢方薬局の全体の出産率はだいたい40%くらいですが、早発閉経の方の出産率は10%くらいです。
早発閉経の出産率はぐっと下がるわけです。