このページは漢方薬局ハーブスの子宮内膜増殖症の情報ページです。
ここでは子宮内膜増殖症とは何か、症状、原因、分類、重症度、予後、診断病院での一般的な治療法、漢方的な判断および治療法などについて書いています。
ぜひ参考にしてください。
子宮内膜増殖症とは
子宮内膜増殖症とは子宮内膜の増殖にはたらくエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が過剰になってしまうか、もしくは、エストロゲン(卵胞ホルモン)に対して、子宮内膜の細胞の感受性が高まり、子宮内膜が過剰に厚くなってしまう病気です。
生理不順や無月経の女性40代から50代の女性に起こりやすい病気です。
子宮内膜増殖症の症状
子宮内膜増殖症の原因
子宮内膜が厚くなるのはエストロゲン(卵胞ホルモン)の働きによるものです。
そして子宮内膜の過度に厚くなるのをプロゲステロン(黄体ホルモン)は抑制ているのです。
そのため、子宮内膜増殖症はエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰な分泌とプロゲステロン(黄体ホルモン)の低下によって起こりやすくなるのです。
では、このような状態にはどうしてなるのでしょう?
それは以下のような理由によるものです。
不妊治療などでのエストロゲン(卵胞ホルモン)のホルモン剤の単独での服用している場合
子宮内膜増殖症の分類
子宮内膜増殖症は大きく二つに分類することができます。
一つは子宮内膜増殖症で、あともう一つは子宮内膜異型増殖症です。
この二つは子宮内膜を構成する細胞の中に異形なものが存在するかどうかによって分類されます。
さらにこの子宮内膜増殖症は細胞同士がどのように連なっているか、全体の形が崩れているかなどによって、単純型と複雑型に分類されます。
これを整理すると以下のようになります
単純型子宮内膜増殖症 細胞異型なし 構造異型なし
複雑型子宮内膜増殖症 細胞異型なし 構造異型あり
単純型子宮内膜異型増殖症 細胞異型あり構造異型なし
複雑型子宮内膜異型増殖症 細胞異型あり構造異型あり
この中で最も悪性化しにくいのが単純型子宮内膜増殖症で最も癌化率の高いものが複雑型子宮内膜異型増殖症です。
子宮内膜増殖症の重症度及び予後
子宮内膜増殖症の中で異型のない単純型子宮内膜増殖症の場合、癌化率は1%、複雑型増殖症で3%とされています。
そしてこの中で単純型子宮内膜増殖症の場合はおよそ60%~80%が自然に退縮するというデータがあります。
子宮内膜増殖症は一般に子宮体癌の一歩手前の状態前癌状態として扱われます。
単純型子宮内膜異型増殖症はおおよそ8%のがん化率
複雑型子宮内膜異型増殖症の場合は数年以内にがん化する率が20%~30%にもなります。
子宮体がんは一般に予後が良いものと考えられていますが、子宮頸がんのように定期的に検診することがないため、発見が遅れることもあるので注意が必要です。
まずは、不正出血や過多月経がある場合は婦人科を受診することが重要です。
子宮内膜増殖症の診断
最初はまず超音波による画像診断を行います。
超音波診断で子宮内膜の厚みが閉経後の女性の場合、5mm以上
閉経前の女性であれば、20mm以上であった場合、子宮内膜増殖症を疑います。
もし、子宮内膜増殖症が疑われるような所見があった場合、細胞診を行って、確定診断を行います。
そこで、はっきりと診断できない場合や子宮内膜異型増殖症が見つかった場合は診断方法として、子宮内膜全面掻爬が行われます。
子宮内膜全面掻爬とは、子宮内膜の組織を器具でかきとって、その掻きとった細胞に対して病理組織検査を行うものです。
子宮内膜増殖症の病院での一般的な治療
子宮内膜増殖症は細胞の異型の有無によってその治療が大きく異なってきます。
さらにその患者さんが妊娠希望であるかどうかによっても治療法が異なります。
子宮内膜増殖症の場合
子宮内膜増殖症の場合異型を伴わない子宮内膜増殖症の場合、 その80%以上が自然に治癒するため、
単純型、複雑型問わず、治療を行わないで経過観察することが一般的です。
定期的に超音波検査エコーや病理検査などを行ない、経過を観察していきます。
子宮内膜増殖症で治療を行う際は周期的黄体ホルモン(プロゲステロン)療法・・・プロゲステロン(黄体ホルモン)を投与することでエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を抑える療法を行います。
子宮内膜異型増殖症の場合
子宮内膜異型増殖症の治療は組織胗による子宮体がん(子宮がん)の有無に関わらず、子宮全摘手術を行うのが一般的です。
ただし、妊娠を希望される場合は高用量の黄体ホルモン剤を投与する場合と、治療と検査を兼ねて子宮内膜全面掻爬を定期的に行うやり方の2種類があります。
その治療法の選択は専門医と相談しながら行われるのが一般的です。
もし、子宮内膜全面掻爬による病理検査を行って子宮体癌が見つかった場合、がん治療をすぐに開始します。
子宮体癌の場合、子宮の全摘出手術が基本になります。
子宮体癌でも初期で妊娠希望の場合に限って黄体ホルモンと子宮内膜全面掻把による治療が行われます。
それ以外の治療に関しては手術後の病理検査によって病期(進行状況)と腫瘍細胞の分類がおこなれます。
これによって抗がん剤や放射線治療、ホルモン療法などの選択がなされます。
子宮体癌の詳しい治療などに関しては➡子宮がん
漢方からみた子宮内膜増殖症
漢方理論では子宮内膜増殖症をどのように考えるのか?
漢方理論による子宮内膜増殖症の治療はその症状を基本に考えていきます。
子宮内膜増殖症の主な症状は過多月経(生理の量が極端に多い)と子宮内膜が異常に厚いということです。
この2つの状態を漢方理論に当てはめて考えると大量の出血(過多月経)だけを考えると血熱の可能性があります。
また過多月経と子宮内膜が異常に厚い両方の症状を考慮すると瘀血(血液の流れが悪い、血流障害)の可能性が高いです。
瘀血に対する漢方治療の方法は活血(血液をサラサラにする)ということになります。
そのため用いる漢方治療のお薬は活血薬になります。
また、子宮内膜増殖症は異型でないものでも1~3%の頻度でがん化するものが出てきます。
がん=悪性腫瘍です。
そのためがん化していない子宮内膜増殖症であっても腫瘍の一種と考えます。
漢方で腫瘍は瘀血と水毒(水分代謝の異常物質、免疫力の低下の伴う発生物質)によって発生します。
そのため、瘀血に対する漢方薬+水毒の漢方薬(免疫力を上げる漢方薬)を合わせるのが基本になります。
子宮内膜増殖症(異型でない)の漢方薬による治療
異型でない子宮内膜増殖症の場合は、瘀血の治療や不正出血を止める黄連解毒湯のような血熱に対する漢方薬だけを用いることもあります。
また細胞が増殖する(漢方では一種のできもの体質)と考えて、この出来物体質を改善するような漢方薬だけを用いる場合もあります。
子宮内膜異型増殖症の漢方薬による治療
子宮内膜増殖症の不正出血に関しては血熱に対する漢方薬の黄連解毒湯などを用いる可能性もあります。
また瘀血に対する活血薬としては通導散や桂枝茯苓丸加薏苡仁などを用いる可能性があります。
さらに、子宮内膜異型増殖症は子宮体癌が発症していなかったとしても、0期の子宮体癌として考えます。
そのため、原則は子宮体癌と同様の漢方治療を行います。
子宮体がんに対する漢方薬による治療
子宮内膜異型増殖症の漢方治療は原則としてはと子宮体がん(子宮がん)同じと書きました。
では漢方による子宮体癌の治療の原則はどのようなものなのでしょう?
それはがん(悪性腫瘍)のベースになるできものができやすい体質に対する治療です。
その出来物ができやすい体質に対する漢方薬に加え、悪性化したがんに対して自分の免疫力を上げるような漢方薬(菌糸体中心)を併用するやり方を行います。
また通常の瘀血の漢方薬に生薬を追加する可能性もあります。
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