早期閉経(早発閉経・早期卵巣機能不全)であるかどうかを調べる指標の一つにAMHがあります。
そこで今回は、AMH(抗ミュラー管ホルモン)について話します。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは何か

AMHとは抗ミュラー管ホルモンと呼ばれるもので、一般的には卵巣年齢と呼ばれているものです。
卵巣年齢という言葉から誤解を受けやすいのですが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)卵巣内の卵の若さを示しているわけではないのです。

なんかかえってわかりにくくしたかもしれません。AMH(抗ミュラー管ホルモン)が示すのは専門用語的には卵巣の予備能を示しているのです。何度か書いていますが、予備能がわかりにくいかもしれないので、もとと簡単に言えば、AMH(抗ミュラー管ホルモン)でわかるのは残卵数の目安だけだということです。AMHが異常に低かった場合は早発閉経の可能性が出ていますが、この値にしても妊娠率とは一致しないのです。そして卵巣年齢という書き方で卵の質(卵の老化)みたいなものを想像する方もおられると思いますが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)ではそんなことはわかりません。わかるのは(推測できるのは)卵巣内の残卵数だけなのです。

前胞状卵胞とは

原子卵胞⇒一次次卵胞⇒二次卵胞⇒前胞状卵胞⇒胞状卵胞⇒排卵前卵胞と成長していきます。その成長過程の卵胞が前胞状卵胞です。この前胞状卵胞から分泌されるホルモンがAMH(抗ミュラー管ホルモン)なのです。

年齢とAMHの関係

AMHは卵巣の年齢を表しているのではなく、間接的卵巣内にある残卵数を示していると考えられていますが、この値は個人差があり、正常値というものはありません。正常値というところで判断するのではなく、自分の年齢から考えて年齢層の基準値と自分のAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値を比較し、自分の卵巣年齢はだいたい何歳程度に相当するのか?という風に考えてゆくのが普通です。下記の表を見てもらえばわかると思いますがAMHの値は年齢が若ければ若いほど一般的には基準値の値が高いです。つまり、言い換えると若いほうが算乱数が多いということが言えます。当然逆から考えれば、逆のことが言えます。歳をとればとるほど、残卵数は減ります。残卵数が減っていることを示す値がAMH(抗ミュラー管ホルモン)とも言えます。

 

年齢       基準値

25歳~30歳   7ng/ml

30歳~35歳  5.6ng/ml

35歳~40歳  2.8ng/ml

40歳~45歳  1.4ng/ml

45歳~50歳  0.7ng/ml

 

もう少しわかりやすいように、例を挙げてみます。仮に30歳のA子さんが不妊治療のため、初診である不妊専門のクリニックに訪れました。そして血液検査をして後日、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値を病院から教えてもらいました。そうすると、この方のAMH(抗ミュラー管ホルモン)は仮に1.4ng/mlだったとします。そうするとこの方の卵巣年齢は40代前半に近い値なので、卵巣内の残卵数が同じくらいの年齢の方に比べ減っている可能性が高いです。そういう場合は、卵巣内の卵胞がなくなってしまう前に急いで不妊治療を始めた方が良いというような意味合いで用いられます。

 

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の簡単なポイント

ここではAMH(抗ミュラー管ホルモン)の最も重要なポイントだけおさらいとして書いておきます

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣内の残卵数の目安しかわからない

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は別名卵巣年齢と言いますが、色んなことがわかるわけではないということです。卵の質の問題などはこの値からはわかりません。わかるのは卵巣内に残っている卵の数のおおよその数だけです。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値は高齢になればなるほど低くなる

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は低くなると高齢状態になっているということです。早発閉経の診断で来られる患者さんの多くはAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値は測定不能の0.1以下という方が多いと思います。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値と妊娠率は相関がない(関係ない)

これは日本産婦人科学会で正式に言われていることですが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)は妊娠率と相関がないということです。そのため、不妊症の指標ではありません。あくまで参考程度ということです。この値は不妊治療をいそいですべきかどうかの判断の際に良く用いられています。この数値が実年齢よりも低ければ、先ほど例に挙げたように本来、年齢から考えれば6ng/ml前後の値のはずの人が、1.4ng/mlくらいなら卵巣内の卵が少なくなっているので急いで治療した方がよいとうような話になったります。

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