知り合いの方の紹介でアトピーの患者さんが相談に来られました

この方、目の周りだけがアトピーになっているのです。

最初はあまりひどくないのかと思ったのですけれども、メガネを外していただくと思った以上にひどかったです。

目の周りが赤くなり始めたのは今から約5年前だそうです。

最初は目の横や下が赤くなるような形だったそうです。

けれどもそれが目の周り全体に広がったそうです。

それでも最初の頃はステロイドを使って抑えていて、そこまで酷い症状ではなかったそうなのですが、ちょうど約1年ぐらい前にホットフラッシュの症状が出たそうです。

そして、今月に入って汗が多く出始めるようになったそうです。

それに伴って目の周りの症状もひどくなったそうです。

目の周りのアトピーというのは漢方的解釈では三つの原因の可能性があります。

まず、その三つの原因のどれなのかを問診などで見極め、原因を絞り込んでからその原因に用いるたくさんの漢方薬の中から、さらにその方に合った漢方薬を絞り込むということをしていきます。

この方の場合は、話の内容から更年期障害が関係しているように思いました。

更年期障害でこのように目の周りが赤くなるという症状はめったにないのですが、漢方理論では更年期障害になると気が上に昇りやすくなります。

漢方治療イメージ

この気が上に昇ること(いわゆるのぼせ)によって顔に赤みが出てくるということが起こるのです。

そのためこの気を下に下ろす漢方薬を用いることによって顔の赤みが減ることがあるのです。

また、更年期障害の原因を漢方的に考えると血虚(女性ホルモンが不足してきた)というふうに考えます。

そのため、こういう時には血を補うような漢方薬を用いたりするのです。

この患者さんの場合は、当初、血虚と気の上昇の両方の原因があるように思いました。

そこで、その両方があるときに用いる漢方薬で1週間ほど様子を見てもらう事にしました。

そして、1週間後に来ていただいた時には、若干改善されていましたが、どうも漢方薬が、少し合わなくなってきている気がしたので、再度、漢方薬を考え直してみました。

そして、今回は更年期の、のぼせが強い時に使う漢方薬に変更してみることにしました。

そして、また1週間後に来ていただくことにしました。

そして1週間後、来られた際には、明らかに改善していました。

ただ・・・感覚としては、まだまだ十分なレベルの改善ではないですし、実際には更年期障害以外の問題も絡んでいる気がするので、今後の治療が重要ですが、ひとまずは、同じ薬で様子を見ることにしました。

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