不妊症の患者さんが来られました。

この患者さん、年齢が現在、40代の前半なのです。

現在のAMH(坑ミュラー菅ホルモン)の値は分からないのですが、漢方相談に来られた最初の頃の値は0.58でした。

元々は他の漢方薬局で不妊治療を受けられていたのですけれども思うような結果が出ずに漢方相談に来られたのです。

この段階で特に多かったのが採卵ができない、卵が育たない、卵は取れても空胞というような状態でした。

またFSH(卵胞刺激ホルモン)は徐々に上がり始めていて、時折※30(mIU/ml)を超えてくるような状況でした。

この状態に対して最初の漢方薬局で出されていたのは、大豆イソフラボン系のサプリと血液をサラサラにする系統の漢方薬でした。

考え方として大きく間違ってはいないと思うのですけれども、患者さんの状態と漢方薬というのは鍵と鍵穴の関係のようなものなので

漢方的に言えば血虚(女性ホルモン不足)と瘀血(血流障害) があると思うのですけれども、それに対して最適な漢方薬を合わせていく必要があるのです。

私は最初は おけつ よりも血虚の方が 問題としては大きいのではないかと思いました。

そのため当帰芍薬散にいくつかの漢方薬を組み合わせて飲んでいただくことにしたのです。

漢方薬イメージ

そして病院での経過や体調の変化などをチェックしながら、それに応じて漢方薬をいくつか変更していきました。

そして現在は瘀血(血流障害)の漢方薬ですけれども、年齢が高くなってきてから生じてくるような瘀血の問題に対する漢方薬を用いるようになりました。

この漢方薬に変えてから数ヶ月経過していて、その間に採卵を何回かしたのですけれども、その際にはなかなか良い結果が出ませんでした。

このように良い結果が出ない場合、漢方薬そのものが合っていないため、漢方薬を変更しなければならない場合と体の体質改善に時間かかるため、辛抱強く同じ薬を飲み続けなければならない場合の二つがあるのです。

この判断がなかなか難しいのですが、今回は年齢的なものもあり、体質改善にもう少しかかるのではないかと思い、同じ漢方薬で、尚且つ煎じ薬に変更して約4ヶ月同じ薬を続けて飲んで頂いていたのです。

そして12月に採卵された際には3個胚盤胞で凍結することができたそうです。

今回は同じ漢方薬で引っ張って良かったのだと思いました。

とりあえずほっとしました。
よかったです。

※FSHが26(mIU/ml)以上になってくると、かなり閉経に近づいてきている状態です。