20代前半の女性が患者さんの紹介でご家族で来られました。

この方、全身の冷えと、無排卵の疑い、子宮頸がんの疑いがあるということで相談に来られたのです。

これらの原因やきっかけに関しては特に心当たりがないそうです。

ただ、現在サプリメントをいくつか家族全員で飲んでいるというものを持ってこられていました。

このサプリメントの中身を見て、子宮頚がんはこのサプリと何らかの関係があるかもしれないとは思いました。

というのも、このサプリメントには霊芝関係の成分が多数含まれていたからです。

霊芝はキノコ系(菌糸体)の一種で、一般的に免疫力を上げると言われており、がんなどに用いられることが多いものです。

しかし、私の見解としては、霊芝をとれば誰でも無条件に免疫力が上がると考えるのは誤りがあると思うのです。

霊芝が合うタイプの人が霊芝をとると免疫力が上がるというのが正解だと思うのです。

そのため、霊芝が合わないタイプの人はむしろ免疫力が下がることがあるのです

そのため、可能性としてはこのサプリメントが合わなかったのではないかと考えたのです。

次に冷え症に関してですが、ひょっとしたらこの症状はそれ程、問題でもないのではないかと思いました。

というのも全身の冷えというのについて詳しくお伺いすると、触れたら冷たいという症状で、例えば、寒い場所にいても特別苦痛を感じることはないそうなのです。

漢方治療イメージ

冷え症で重度なものというのは寒さ、冷えると耐え難い苦痛を感じる方に多いのです。

実際に問題に感じたのは無排卵に関してです。

もともとは33日周期で来られいたそうなのですが、ここ最近はちゃんとした周期で生理が来ないそうなのです。
ました。
この患者さんのLH(黄体形成ホルモン)の値が14.92でFSH(卵胞刺激ホルモン)の値が5.36なのです。
正常な女性のホルモン値はLH(黄体形成ホルモン)の値は10以下でFSH(卵胞刺激ホルモン)よりもホルモン値が低いのです。

このことから、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が高いのではないかと思いました。

ただ、この段階では超音波検査(エコー)は受けてないそうなので何とも言えない状況でした。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であれば超音波検査(エコー)で一発で分かるはずです。

そこで、とりあえず、漢方的に現時点でわかることを見ていくことにしました。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は漢方的にみると瘀血の事が多いです。

そこでこの患者さんの瘀血の状態をチェックしてみることにしました。

まず、舌の裏の静脈の流れの状態をチェックすると・・・かなり悪いです。

これはかなりの瘀血がある状態です。
そして生理の量が多く、塊りもたまに出るそうです。これも瘀血です。

一方で生理の色は薄いということでした。
これは血虚です。。

そして基礎体温をチェックすると・・・瘀血というよりも血虚のひとに多い基礎体温でした。

これからの事から、この患者さんは血虚と瘀血が混在しているように思いました。

そこで、瘀血と血虚の漢方薬の2種類を同じタイミングで服用していただくことにしました。

そして2週間後来られた際に、基礎体温と生理不順のツボの反応をチェックしてみることにしました。

そうすると、基礎体温は若干改善してる感じですが、ツボの反応でみると、出している漢方薬がばっちり合っているとは思えませんでした。

そこで、再度漢方薬をチェックしなおしてお出しすることにしました。

そしてまた2週間後に来られた際に、基礎体温と生理不順のツボをチェックしてみました。

そうすると・・・基礎体温はそれほど悪くはないですが、生理不順のツボでの反応がいまいちなのです。

そこで、再度、漢方薬を変更することにしました。

そして、また2週間後来られた際に再度、基礎体温と生理不順のツボの反応をチェックすると・・・今度は、両方の面からチェックしても合っている感じです。

そのため、今回は漢方薬を変えずに同じ漢方薬をお出しすることにしました。

そして2~3週間ごとに来ていただいては、チェックを繰り返し、結果として同じ漢方薬を服用していただくことになりました。

その基礎体温の変化が以下のようなものです。

無排卵基礎体温改善画像

3月の高温期はしっかり2層に分かれているので排卵はしています。そしてその3月よりも4月の方が基礎体温の高温期の方が途中で下がったりせず安定してきているのがわかると思います。

基礎体温が順調に改善しているということです。