冷え症が不妊症の原因になるとは限らない!!その理由を基礎体温をもとに説明します。
なかなか妊娠されない方で冷え症の方は、妊娠できないのは、冷え症が原因だと思われている方も多いと思います。
実際、私の薬局にも、冷え症の漢方相談で来られた方が、実際には不妊症の相談だったというケースはよくありますし、冷え症の不妊症の相談をしたいということもよくあります。
冷え症が不妊症の原因となることはありますが、冷え症があると必ず不妊症という訳ではないです。
では冷え症が不妊症の原因となっているかどうかは、どうすればわかるのでしょうか?
それは、基礎体温をチェックすると、一目でわかるのです。
冷え症と不妊症と基礎体温の関係
冷え性に関して誤解されている方が多いと感じています
まず、冷え症に関しての誤解があるように思いますので、ここで1点書いておきます。
患者の中でも問診していくなかで、「冷え症ありますか?」
という質問をすると、多くの女性の患者さんは「冷え症あります。」と答えられます。
しかし、よく話を聞いてみると、自分の身体を触って冷たいのを冷え症と思われている方が非常に多いのです。
冷え症というのは、身体が冷えることで不快感を伴うものをいいます。
ここに誤解があるように思います。
次に、冷えることで不快感を伴う冷え症があったとしても、それが不妊症の原因かどうかは全く別の話です。
冷え性が不妊症に影響している場合は低体温
冷え症が不妊症の原因となっている場合、基礎体温が低体温になります。
具体的に言えば基礎体温の低温期が36°を切るような状態、35℃代であれば間違いなく冷え性が不妊症の原因となっていると言えます。
低温期が36℃以下の状況で高温期が36.5℃代もしくは36.7℃を超えないようであれば間違いなく冷え性が不妊症の原因となっています。
逆に、どんなに冷え症がひどくても、基礎体温が正常な場合、冷え症が不妊症の原因となっていないと考えます。
冷え症が不妊症の原因になる時というのは 基礎代謝の低下に伴う低体温となることが多いのですが、冷え性を起こす原因が不妊症の原因となってることがあるのです。
冷え症を起こす原因が不妊症の原因となるもの
瘀血(血流障害)
血流障害は冷え症を起こす原因の一つですけれどもこれは不妊症の原因になることがあります。
漢方ではこの血流障害のこを瘀血と言います。
瘀血の症状の特徴
瘀血の症状の特徴は足先の冷え、もしくは人によっては足が冷えるのに顔がのぼせる冷えのぼせるなどです。
瘀血と関連する病気
また瘀血によって起きる病気には下肢静脈瘤や、子宮筋腫、子宮内膜症などがあります。
これらの 疾患を伴う時は おけつの存在を疑います。
瘀血の基礎体温の特徴
そして、 基礎体温を見た時に基礎体温の低温期が長いそして基礎体温の低温期が高く高温期も高い場合などは瘀血が不妊に関係していると考えます。
それ以外の基礎体温でも瘀血の可能性がある基礎体温の形というのはあります。
さらに詳しく知に方は瘀血と基礎体温のページを参照してください。
気滞(肝気鬱結)
これ以外にも冷え性を起こす原因で不妊症の原因になっているものがあります。
漢方理論では気滞(肝気鬱結)というもので、気の滞った状態をいいます。
西洋医学的には自律神経失調症や感情の鬱積した状態を表すもので、冷え性の症状としては手と足の両方に冷えを感じるタイプの方です。
気滞(肝気鬱結)の症状の特徴
この手足の冷えは人によって若干部位は異なるのですけれども、肘から下の部分と膝から下の部分が冷えると言われる方と、手首・足首の辺りから下の部分が冷えると言われる方がおられます。
このような冷え症を漢方では四肢厥逆といい、その原因は自律神経の問題で説明できます。
もう少し詳しく言うと、精神的な緊張によって自律神経の交感神経が優位になり、交感神経の支配する末梢の血管が収縮し、結果血流が悪くなってしまい、結果として冷えてしまうのです。
気滞(肝気鬱結)と関連する病気
気滞(肝気鬱結)の症状の特徴のところでも書きましたが、漢方理論で考えると自律神経失調症やPMS(月経前症候群)なども気滞(肝気鬱結)が原因で起きる病気です。
これらはどちらも不妊症の原因になります。
自律神経失調症に関してさらに詳しく知りたい方は自律神経失調症
PMS(月経前症候群)に関してさらに詳しく知りたい方はPMS(月経前症候群)
気滞(肝気鬱結)の基礎体温
この気滞(肝気鬱結) で尚且つ基礎体温がギザギザしているような時、気滞(肝気鬱結)は不妊症の原因となっている可能性が高いのです。
このような場合には気の滞りを無くする(気の巡りを良くする)ような漢方薬を使うことで冷え性も改善すると同時に不妊症も改善することがあるのです。
さらに詳しく知りたい方は気滞(肝気鬱結)と基礎体温を参照してください。
まとめ
冷え症が不妊症の原因になるとは限らない!!基礎体温をみればそれがすぐにわかるということについて書いてきました。
冷え症が不妊症の原因に必ずなるわけではありません。
例えば冷え症があっても基礎体温を測った時に正常(標準的)な場合は冷え性が不妊症の原因になっていないと考えます。
冷え症が不妊症の原因となるときは低温期が35℃台の低体温で高温期が36.5℃台、どんなに高くてもその平均が36.7℃を超えることはないのです。
それは基礎体温をつけてみると一目瞭然です。
ただし、冷え性そのものではなく、冷え性を起こす原因が不妊症を起こす原因となることはあります。
代表的なものとしては漢方理論の瘀血(血流障害)と気滞(肝気鬱結)などは冷え性を起こす原因であると同時に不妊症の原因となるものです。
これらも基礎体温をチェックしてみると一目でわかります。
そのため病院では特に問題がないといわれてもなかなか妊娠せず、原因がわからないときには基礎体温をつけてみるとわかることがあるのです。
実際にはここに挙げている以外にも冷え性と関連する不妊症の原因はあります。
さらに冷え症と不妊症について興味がある方は冷え症を読んでみてください。
また基礎体温の測り方や見方についてできるだけ詳しく知りたい方は基礎体温表のグラフの測り方や見方などを詳しく解説