基礎体温がいつもよりも高いときに、一番最初に考えられるのは妊娠です。

しかし、基礎体温がいつもより高い時に必ず妊娠しているわけではありません。

そのため、ここでは妊娠していた場合についての話と、もし妊娠していなかった場合に妊娠以外で考えられる他の原因について、多くの不妊治療に携わってきた漢方薬剤師としての実体験をもとにお伝えします。
ぜひ参考にしてください。
基礎体温の測り方のポイントについての記事はこちら

基礎体温の高温期がいつもより高いときに考えられる原因

基礎体温がいつもより高い

 

原因①妊娠した

基礎体温の高温期がいつもより高いときに考えられることで一番うれしいことだと思います。

基礎体温がいつもよりも高いときに確率が高いのは確かに妊娠した時です。

しかし、妊娠していてもいつもと変わらない程度の基礎体温の方もおられます。

そのため、妊娠したら必ず基礎体温が高くなるわけではないということは知っておいてください。

検査方法

妊娠検査薬で検査が可能ですが、ドラッグストアーに売っている妊娠検査薬は週数であれば大体5週間、生理予定日から1週間程度経ってからでないと正確な検査結果は出ません。

そこでもっと早く結果を知りたい方に朗報があります。

生理予定日当日に妊娠しているかどうかを検査することができる妊娠検査薬があるのです。

日本製の妊娠検査薬でチェックワンファストという製品です。

これは普通に市販されている妊娠検査薬に比べ感度が高く生理予定日当日から測定することが可能です。

しかし、これは普通のドラッグストアでは売っていません。

これは医療用医薬品という分類のものなので薬剤師のいる調剤薬局でしか販売できないのです。

そのため、どこでも買えるわけではありません。

私の経験ではドラッグストアに調剤薬局を併設している薬局ではおいていることが多いです。

さらにここで1点注意点があります。

このような形態のお店でも調剤薬局が開いている間でないと販売していないことが多いのです。

そのためドラッグストアとしては開いているのに調剤薬局が夕方閉まっていたら買えないことになるので注意が必要です。

(つまり日曜日や平日の夕方は買えないことが多いので要注意です

価格は2回分で1500円くらいです。

少しでも早くチェックしたい方は買ってみてください。

 

原因②不妊治療(女性ホルモン剤)の影響

今までタイミングによる治療を行っていた方が、ホルモン補充を行う治療法に変えるとこのようなことが起きてきます。

ホルモン補充療法を続けていくとかなりのかなりのかた方は基礎体温が全体的に上昇してきます。

これは高温期だけに限らず低温期も上昇してきます。

そしてゴナドトロピン製剤(HCG)とルトラールなどの黄体ホルモン剤を高温期で使用すると、多くの方が高温期が高めで長めになる傾向があります

これによって妊娠しやすい環境を作るためですが、妊娠しているとは限りません。

検査方法

生理予定日に生理が来るかどうかです。

1日でも生理予定日よりも長い様であれば上記した妊娠検査薬を使用してみると良いと思います。

環境の影響(寒い)

原因③睡眠時間が短い

睡眠時間は基礎体温に確実に影響を与えます。

起きる時間が遅ければ誰でも基礎体温は上がります。

起きる時間が同じで寝る時間が遅くなる場合、基礎体温は人によって変わります。

睡眠時間が短い場合、私の経験では基礎体温が通常より高めに出る人が多いですが、中には低めに出る人もいます。

ここでは睡眠時間が短いと基礎体温が高めに出るタイプの人が当てはまるわけです。

これは仕事が忙しくてずっと睡眠不足が続いているような方にこのようなことが起きることがあるのです。

 

原因④漢方治療や鍼灸の影響

漢方薬による治療や鍼灸による治療を受けられている場合、その治療効果が出始めると高温期が今までよりも高くなってくることがあります。

必ずではないですが、多くの場合これは良い兆候と考えます

そのため、今回仮に妊娠していなかったとしても、妊娠しやすい身体になりつつあるという判断をすることが多いです。

 

原因⑤環境の影響を受けている

人は様々なものの影響を受けながら生きています。

基礎体温は朝起きた時のまだ動いていない時の体温を測ることで間接的に体の女性ホルモンの働きを調べようとするものですが、場合によっては単純に体温を測っていることもあるのです。

例えばですが、過去におられた患者さんでいつもよりも体温が上がった方にはこのような方がおられました。

冬場に寒いので湯たんぽをするようにしいて寝たら基礎体温が上昇した。

冬場に寒いので電気アンカ(小さなコタツ)をして寝たら体温が上昇した。

でもここら辺の事は自分で気づくようなことです。

自分では気づかずにたまにおられるのが、春になってきて温かくなったのに冬布団をかけて寝ているときです。

こういう時には朝起きた時、熱く感じるものなのです。

これは基礎体温ではなく体温になっているのです。

実際こういうケースの場合布団を変えると元に戻られる方が多いのです。

まとめ

基礎体温の高温期がいつもより高いときに考えられる5つのことについて書いてきました

基礎体温の高温期がいつもより高時には妊娠の可能性はあります。

しかしそれ以外にも女性ホルモン剤の影響や生活上の問題や環境による影響も考えられます。

また、漢方薬やサプリメントを服用されている場合にはその影響の可能性もあります。

基礎体温は様々なものに影響を受けるのです。

基礎体温がどのような要因にどのように影響を受けるのか興味のある方は➡基礎体温のつけ方(書き方)の基本と基礎体温に影響する要因

さらに基礎体温の見方や測り方など詳しく知りたい方は➡基礎体温表のグラフの測り方や見方などを詳しく解説

不妊治療に伴う基礎体温の事で何か疑問なことなどあれば、お気軽にお問い合わせください。

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