HPを見て患者さんが来られました。

ご相談内容は①顔の痒み、肌荒れと②気分の落ち込み、不安定、疲れやすいなどです。

①は高校生の頃からあったそうです。そして②は昔からあったそうですが、最近酷くなったそうです。

どういう時にこの症状が出やすいか聞いたところ、①は夜お風呂上りに酷くなりやすいそうです。②は少しでも自分の思い通りに物事が進まなかった時に出るそうです。

この症状が出るようになった原因に心当たりはあるか?をお伺いしたところ・・・「ある」とお答えになりました。しかし・・・この時には何となくその部分を突っ込んでは聞きませんでした。

あとは過去~現在まで、どのような治療を受けられたのかお伺いすると①については皮膚科でかゆみ止め2種類薬の服用と塗り薬を塗っているそうです。②に関してはどうも精神科や心療内科などに抵抗があるようで行かれていないということでした。

さらに現在服用され服用されているサプリメントと過去の病歴などをお伺いしましたが、サプリメントと言えるほどのものは服用されていないという事でした。

そして大きな病気は過去にされていないみたいでした。

そこで、症状から①と②では基本的に用いる漢方薬の種類が異なるため、2種類の漢方薬を服用されるか?それとも優先順位をつけて治療されるか?なのですが、この患者さんはまず顔の痒み・肌荒れのことが気になるということで、皮膚のお悩みの方から治療を行うことになりました。

そこで、顔の肌荒れと痒みについてさらに詳しくお伺いしました。

漢方治療イメージ

そうすると、実際には肌荒れよりも顔の痒みが強く、それが気になることが分かりました。そしてその症状は最近酷くなったという事でした。

そこでさらに様々な事をお伺いする中で、どうも顔の痒みに関しても精神的な要因が絡んでいるように思われました。

そこで、最初は漢方薬の中で精神安定の目的で用いるような漢方薬を服用していただくことにしました。

そして、1週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・

変わらないという事でした。

でも東洋医学的にはそれ程間違っているようには思えなかったので、ベースの漢方薬は変えず、そこに炎症を取り除くような漢方薬を屁うようしていただくことにしました。

そしてまた1週間後来られた際には部分的に改善しているということでした。

それと、少し気になっていたのは、比較的最近飲み始められた乳酸菌飲料でした。

これ、過去にも眠りを良くするということで話題になり、一時めちゃくちゃ多くの人が飲まれていたのですが、もともと不眠でもないアトピー患者さんが服用した時に症状が悪化したことがあるのです。

そこで、この患者さんにその話を改めてすると・・・特に不眠は無く、興味本位で始めたということでした。

そして、顔の痒みの悪化した時期とこの乳酸菌飲料の飲み始めた時期が一致する気がしたので、これを止めてもらうようにお願いしました。

そうすると・・・1週間ごとに症状が軽減し、2週間後には顔の痒みが無くなりました。

結局今回も乳酸菌飲料が悪さをしていたみたいです。

多分、不眠の無い健康な人には反って余分になるという事なのだと思います。

体質改善イメージ

そこでここからは②気分の落ち込み、不安定などに対して漢方治療を行うことにしました。

この治療を始める際に、患者さんの方から改めて、この症状になった原因についてお話をいただきました。

恐らく、親御さんがガンになられたということで、これが直接の原因ではないか?

という事でした。

そこで、さらに患者さんの性格的な部分についてのお話、さらに精神的、情緒的、自律神経的な事で日常で気になることをお伺いしました。

そうすると・・・もちろん気分の落ち込みや不安定というのもあるのですが、感覚が過敏でありそれが身体症状として出やすいことと、気分のムラみたいなものが結構あり、怒りの感情が出やすいことをご本人が自覚されていることも分かりました。

そこで、そういったものを含めてこの患者さんに合うと思われる漢方薬を出してみることにしました。

ご相談は患者さんのご希望でほぼ1週間間隔で行いました。

症状は胸がつかえるとか、背中や首が凝るとか、手が腫れるとか、皮膚にブツブツできるとか本当にその都度変わりました。

それに合わせて漢方薬も変えていきました。

ただ、ベースになる漢方薬は変わらず、併用する漢方薬がその都度変わる感じでした。

その後も症状はイライラが酷いとか股関節が痛い、尾骨が痛いとか、みぞおちがつかえるとか喉がイガイガするとか、夜に咳が出るとか、足がムズムズするとか、脇の下が痛いとか、気分の浮き沈みが酷いとか、様々な症状が出ては消え出ては消えと変化していきました。

それでもやはりベースとなる漢方薬は変わりませんでした。

しかし、用いる漢方薬は増えていきましたし、併用する漢方薬も増えていきました。

ある程度漢方薬の種類と量が増えてから、症状が微妙に安定してきました。

そこまでたどり着くのに約4か月かかりました。

東洋医学イメージ

それでもまだ、お尻が痛いとか、片方の耳が聞こえづらい,片方の脚のふくらはぎが思い、額が赤くなって痒いとか時々ですが新たな症状も出てきたりしていました。

ただ、これらの症状がすべてが情緒や精神、自律神経的な問題ではなく、どうも生理(女性ホルモンのホルモンバランス)が関係している部分もあるように思われました。

生理の一定期間前になると全てではないですが、悪化する症状があるのです。

一般的にはPMS(月経前症候群)という事になるのだろうと思います。

そこら辺の問題も絡んでこの患者さんの症状を難しくしているように思われました。

そのため、そのことを患者さんにもお話しました。

そのことで患者さんも少し安心されたようでした。

そこからも1週間ごとに相談を行い、主に上記のような症状の組み合わせや度合いが変化しながら出続けてはいました。

安定的に症状が少し落ち着いてきたかな?とご本人も感じられたのは恐らく漢方薬を服用されてから約7か月くらい経過した頃だと思います。

それまでは、相談に来られた際に例えば喉が詰まると言われて、喉の詰まりを改善させる漢方薬をお出しすると、次の週来られた時にはのどの詰まりは経験したけど、背中が凝るみたいな、症状が移動するようなことが多かったです。

ここら辺から用いる漢方薬の種類が減ってきました。

これは良い兆候なのです。

これは治癒が近づいてきたかな?と思われたのですが、2か月くらい経過すると、再び症状が悪化、用いる漢方薬の種類も再び増えてきました。

こういうケースはあまり無いのです。

そこで、再度、東洋医学的に丁寧にチェックすると東洋医学的に重要な問題を見落としていたことに気が付きました。

養生法イメージ

それを基にさらに、この患者さんに漢方薬をさらに一つ追加しました。

ここから本当に徐々にですが再び症状は落ち着いてきました。

その症状の改善はちょうど季節が移り変わる時のような変化です。

例えば夏から冬に季節が変わる時、一直線では気温は下がらないですよね。

寒くなったり、再び暑くなったりを繰り返しながら徐々に気温は下がっていきます。

そして夏⇒秋⇒冬と振り返ってみれば確実に気温は下がっている。

そんな風にこの患者さんの症状も落ち着いてきました。

この途中でもめまいがするとか身体の半分がおかしいとか、人を見るだけでイライラするとか、動悸が酷いとか・・・

この重要な気づきがあって漢方薬を追加してから約2ヵ月で漢方薬全体の量は減りました。

そして4か月後には再び用いる漢方薬の種類が減ってきました。

そこからさらに1年くらいかけて、漢方薬の種類が徐々に減ってきました。

もちろん、この段階でも症状は、前ほどではないにしろ、何らかの症状は出ていました。

そこからさらに3か月経過した段階で、用いる漢方薬の種類はこれ以上減らないところまで来ました。

そこからさらに1か月後に漢方薬の量を減らしても大きく崩れることは減ってきました。

そしてさらに3か月後にはさらに漢方薬を減薬しても大きく乱れない状態まで来ました。

あともう一息です。ここから約2ヵ月、通常であれば体質改善が終了し、漢方薬を止める直前の時期になって、症状が再び出てきたのです。

これは、まずい・・・と思いました。

こういう場合、もっとより根本的な問題を探して治療しないといけない事があるのです。

自然治癒力イメージ

そこで改めてもう一度、1からこの患者さんの身体を東洋医学的にチェックしなおすと・・・今服用されている漢方薬のメーカーの品質の問題の可能性があるように思われました。

そこで、値段は上がりますが、現在用いている漢方薬よりも高品質の漢方薬に変更してみることにしました。

そうすると・・・症状は再び軽減してきたのです。

そして漢方薬の品質を上げてから約1か月で無事卒業になりました。

こういう症状の患者さんは今までもたくさん見てみましたが、気が付けば3年経過していました。

途中で症状が悪化した時が何度もあり、私自身も何度も驚き、治せるのか心配になり、そのため、ものすごく調べて、考えての連続でしたがその分勉強にもなりました。

患者さん自身も症状が酷いことを自覚されていたので、本当に治るのか?半信半疑で半ばこのままずっと漢方相談を続けながら生活していくくらいの気分でいたそうです。

言えばウチの薬局に来るのが生活の一部になっていたという話をされていました。

なので、急にもう来なくてもいいという話をしたら逆に不安になられていました(笑)

そのため、1週間、漢方薬を出さない状態で1週間後に再度来ていただいたのですが、漢方薬を服用されなくても、今までにないくらい調子のよい1週間を過ごされたそうです。

ということで、本当に終了となりました。

もちろん何か気になればいつでも来てくださいとお伝えしました。

という事で本当に終了となりました。

とても長かったですが本当に本当に良かったです。

本当にホッとしました。

 

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